石 伝 ひ

           艸  地人  


 涸れ滝のいまはか細き糸の筋

 草枯れて回遊池泉あらはにす

 万両の苑路に沿うて紅低く

 青木の実ゆつさゆらりと垂れし枝

 千両へ水琴窟へ石伝ひ


                                                    

        
   
雛 の 宿

           阿比留 初見


 雛のこと再びみたび聞く居蔵

 照明に眩しさうなる雛かな

 世に疎く並び在せる箱雛

 膝合はせゐても会話のなき雛

 獅子頭までも並べて雛の宿
 
                 
選   者   吟  (5月号)