1 暗闇に石を投げた 果てしなく続く天空に投げるつもりで /はっちん
2 ゆうべ見たあの流れ星 どこからかだれかが投げた石だったのか /華奴
3 人知れず流れて消えたあの星を、都会の君は見てないだろうか /はっちん
4 闇空に子ども心が投げた石 流れ光りて ネヴァーランドへ /幸ちゃん
5 JR銀河鉄道のポスターに見入る人の背 やがて発光す /華奴
6 星ひとつ 希望とみなす 人生に 引き潮あれば 満ち潮もある /ぶちこ
7 満月に阪神ファンの熱き息放つ幾万珊瑚の産卵 /華奴
8 星屑も銀河も今も耀けり幼きむかしラタンのいすに /孝子
9 幼子が呪文のように繰り返すスイキンチカモクドッテンメイカイ /みやちん
10 都会ではネオンサインを星と見紛う 病みて旅して銀河に帰る /はっちん
11 星の零(ふ)る夜の夢にて母いませ幽かに浄く星かげつがる /小川良秀
12 若かった この間まで 我もまた 黄色いくちばし ツバメの子 /ぶちこ
13 休日は、ただぼおっと子連れの公園 ツバメ幾度も鋭角に飛ぶ /はっちん
14 疲れたら 休んでいけよ 鳩よハト うちの軒なら 貸してやるから /ぶちこ
15 公園で われと遊んだこともなし 老いた親父は孫と戯る /幸ちゃん
16 孫持たぬ父はベンチに目を細めながめておりぬ鳩と幼子 /華奴
17 肌寒き古都の夜にもビアガーデン 帰りのキオスク、缶を買い飲む /はっちん
18 缶をぷしゅー 言わせて今宵 また1首 駅のベンチに歌生まれたり /華奴
19 伊勢外宮 勾玉池の 鯉と亀 アヤメみながら 餌やる私 /ぶちこ
20 嵐来る 木のざわめきも 知らん顔 ひたすら歩く 公園のはと /孝子
21 公園に鳩があるいてぼくがいるまさに飛翔(た)つとき戦機がうなる /小川良秀
22 おいしそうな鳩がいっぱいいる国の生ゴミ漁るヒトとカラスと /華奴
23 遊園地 テラスに菓子食む鳩の群れ 子ら駆け回りても 逃げることもなく /孝子
24 緑もゆる 谷間に咽ぶ湯煙に 古里のごと 心包まる /孝子
25 山煙る ハイウエイ下りて有馬川 銀ねずの空 燕の矢流れ /孝子
26 心付け渡し損ねた若き客 女中がねばる有馬温泉 /みやちん
27 台湾で チップ渡せど出て行かぬ 二人いるから二人分くれ /幸ちゃん
28 アヤメ畑で もつれ合う 雀の雌雄 認めてくれと 求愛ダンス /ぶちこ
29 つつぴーと鳴く四十雀 賽銭をいれないでください 雛が寝ています /華奴
30 くちばしを 大きく開けて雛3つ 賽銭箱も棲めば天国 /孝子
31 美濃焼の 皿の中でも 飛ぶ燕 伊勢のツバメも 鋭角に飛ぶ /ぶちこ
32 鋭角に男逃げたり来世には燕養う女になりたし /華奴
33 若作りの後ろ姿に近づきて踵を返す男よあわれ /華奴
34 珍しい 五月の嵐 去って晴れ 女子さわやか 衣替えなり /ぶちこ
35 ツバクロは サラリーマンか モーレツな 肩そびやかし 急いでどこへ /ぶちこ
36 先輩に 手招きされて電車ごっこ 楽しい楽しい もう降りられへんわ /孝子
37 夏衣に吸い寄せられし蜂一匹女性専用車両に入りぬ /華奴
38 さっきからずっと乗ってる環状線 時間が来たら急にレディスカー /華奴
39 渡し船 伊勢宮川の 澄んだ水 遠く山水 煌めく水紋 /ぶちこ
40 今日から半そでとはしゃぐ 孫娘 未だランドセル背中に大きい /孝子
41 金魚鉢に澄みてしずかなり熊野灘の波にもまれし御浜小石は /華奴
42 ランドセル黒が欲しいと困らせた一生(ひとよ)を背負う甲羅が重い /華奴
43 愛らしき 磨りガラス越し シルエット 鳩羽休め 梅雨の軒下 /ぶちこ
44 子育てに 生きてくために 働いて 今日もツバメ 東へ西へ /ぶちこ
45 「はよ起きや」「ご飯ついてる」「シャツ出てる」 未熟な親は子に育てられ /みやちん
46 天翔るインターネットのどこからかわたしを育てる足長き人 /華奴
47 果てしなく続く天空にしろがねの橋を渡してあなたに会わん /華奴