のんちゃんは近所の極めて不衛生なペット屋で、あみあみの小さな虫かごの中にベルと一緒に入れられていました。しめって異臭を放った少ない敷きワラの上に腐ったリンゴところがっていました。ここの店主は何を言っても聞く耳を持たない人で(というか、年取ったばーちゃんなので聞こえてないのかも)、チョビを買ったときも、あまりの汚さに文句を言ったのですが、まったく何の動揺もしていませんでした。生後どれほどかたずねたところ、「売れ残りだからね〜、半年以上はたってるね〜。」との一瞬耳を疑うお言葉。

まさにそのとき!!ベルよりひとまわりからだのでかかったのんが、よろよろとリンゴに近づいてきたベルに「ヂィーーッ!!」といって攻撃をしかけました。ベルはひっくり返って無抵抗です。2匹の力の差は歴然としていました。とっさに手を入れ、ケンカ(というか一方的な攻撃)の仲裁をしようとしたところ、新たな外敵の侵入に、のんはわたしの指めがけてジャンピング噛み付きを放ちました。のんの噛み付き記念すべき第一弾でした。
指にぐいぐいと鋭い歯を食い込ませ離れないので、そのままお持ち帰り〜になりました。えいやっと引っぱってのんを取り、ばーちゃん店主が持ってきたリポDの箱に入れて、しきりを作ってベルも入れ、とっととお金を払い、出血した痛む手で自転車を運転し、ららら〜♪と夕暮れ時、おうちに帰りました。
のんちゃんは感情表現が激しい女のコでした。「何かくれくれ!!」「ケージから出せ出せ!!」昼間からとにかくうるさく、少しは寝ろよと言いたくなるほどの暴れっぷりでした。その上、すぐ好物になったブルーベリーを差し出すときも、散歩させるためケージから出すときも、遠慮なくわたしの指に噛み付いてきました。ケージから「出せー出せー!!」とすごい形相でケージをガタガタ揺さぶる様は、凶悪犯のごとくでした。エサも十分すぎるほど与え、何時間散歩をさせても、のんは気がすまないようで、とにかく自分の望みが叶うまで絶対あきらめない、なかなかの根性の持ち主でした。

そんなわがままのんちゃんはベルの何倍も手がかかり、ぶるーべりーは毎日振り回されっぱなしでした。だけど、手のかかるコほどかわいいじゃないですけど、わたしはのんちゃんが大好きでした。気まぐれに噛み付くけど(一番分からないのが、手の上で満足そうにチーズや好物を食べて、毛づくろいをして十分くつろいだ後、お礼のつもりかなんなのか、手のひらをガブリ!!とやってからピューと逃げること)、気まぐれに甘えてもくるコだったんです。
のんちゃんは、とても悲しい信じがたい最期をむかえることになってしまいましたが、そのお話はまた今度、です。