今村千鶴はある日、ふとしたことから自分の住んでいるマンションの向かいにあるみすぼらしいアパートの住人、重松亮子と知り合いになる。同い年だが自分より容姿も収入も劣っている亮子との友情に、屈折した安らぎを見出す千鶴(裏表紙の惹句通り)。
やがて千鶴は社命でニューヨーク研修へ旅立つことに。
三ヶ月後日本に戻った千鶴は、別人のように美しくなった亮子に出迎えられ…。
女性の女性に対する嫉妬(洋服、アクセサリ、センス、恋人の有無)を丁寧に丁寧に描ききった作品。
千鶴は吉川という恋人に「君は自分の価値観だけにこだわり過ぎる」と批判されたことをかなりしつこく気にしていて、自分とは生活レベルの違う(自分より下)亮子と友達になることでそんな彼の言葉を否定したくて、彼女に色々と親切にするのです。ボロアパートに住む内気で引っ込み思案な女性とも仲良く出来る、自分は間口の広い人間なのだと思うために。
ところが、千鶴がニューヨーク研修を終えて日本に帰って来ると、亮子は別人のように明るく快活な性格になっている。亮子が自分よりも劣った存在ではなくなったことを知り思い悩む千鶴。亮子が自分よりも先に恋人をつくるのではないか、結婚するのではないかとの思いから尾行までしてしまう。
ほどなく千鶴は亮子の『恋人』が誰であったのかを知ることになる。
それは千鶴のかつての恋人、吉川であった…。
しかしこの話って男性が読むとどのような感想を抱くのだろう…?
やや分厚めでしたが一気に読めました。面白かったです、オススメ。