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『ヴィシュバ・ノール変異譚 遠い空の機械の章』 水杜明珠 コバルト文庫
「マールのお弁当を?」
ガディルの眉が、ピクリと動く。
「それにね、バードバドバドおじさんの飛行機を直して、飛ばしてくれたんだよ!」
「そうですか。マールのお弁当を……」
彼にとっては、バードバドバド氏の初フライトよりも、マルーシュの手作りのお弁当の行方のほうが、気になることらしい。
「ケマダ」
「な、なんや?」
なぜか後ずさるケマダに、ガディルは、にっこり笑って、
「うまかっただろう?」
ケマダは、青ざめながらコクコクと幾度も首を縦に振った。
『ヴィシュバ・ノール変異譚』第七作目、ガディル・リュスト氏は絶好調です(主人公はマルーシュ・ミモリです)。
とは言え今回ガディルのお屋敷には謎の美女クバクの姿。
ガディルをピクニックに誘いに来たのに来客中だから出かけられないと断られたマルーシュ、他の友人達にも断られてしまってすっかりしょげかえり、こうなったら一人で食べてやるんだからと広げたお弁当につられて、遠い空から『空中三角庭園』の番人『機械屋』ケマダとブリキのロボットT-BOXが降って来た今巻。
ヴィシュバ・ノール大平原、というよりはマルーシュが住む世界を守るために珍しく力を使い果たした様子のガディル氏、それでも倒れるのはお屋敷に戻って来てマルーシュの膝の上で、という徹底ぶりは文句ナシの満点です。
ケマダは飄々とした関西弁の素敵なにーちゃんでトウセツの次ぐらいに好きかも〜(笑)。
『空中三角庭園』に『ローズクォーツ・ゲート』、ゲートの向こう側からやって来たバクバ=クバク、ゲートを守る『機械屋』ケマダ。ガディルの過去がまだその全容は判明しないままぽろぽろと語られる中マルーシュとの意外なつながりが…?
(マルーシュに、もしものことがあれば、私は、すべての封印を解く)
バクバ=クバクは、思わず息を飲んで、自分が抱きかかえている少女を見た。
(この世界が惜しいと思うなら、彼女から離れるな)
やっぱり魔王だったんですかアナタは…!?
き、気になるー。今後の展開が気になるよー。
しかしながらこのシリーズ残り5冊。一気に読んでしまうにはあまりにもったいなさすぎる。
じっくりと楽しんでゆきたいと思います〜。
20041119
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