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『オーバー・ザ・ホライズン 僕は猫と空を行く』
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『オーバー・ザ・ホライズン 僕は猫と空を行く』 橘早月 電撃文庫

「何をするか貴様!? 寝首か!? 寝首をかくつもりだったのか!? 猫の命とも言えるヒゲを引っ張るとは何たる無礼、何たる侮辱ッ! 事と次第によっては吾が輩自らこの爪の餌食に……って、何をしておる」

 イワノフー!(叫)

 人語を操る高貴な猫、イワノフ・ヤンデ・トーチンスク。彼の魅力の一人勝ち。猫属性はない人のはずなのですが、私。イワノフかわいかったなー!

「スロットルじゃ! スロットルを上げよ!」
「スロットル? ……これ?」
「それは機銃の発射スイッチじゃー!?」

 猫なのに苦労性。猫なのに…猫なのに!
 ロジオンて国にはイワノフみたいに喋る猫がたくさんいるのでしょうか。イワノフの婚約者ってのはどんな美猫なのか…! ロジオン編が読みたいですね! 非常に!

 イワノフのことにだけ触れて終わってしまいそうな勢いですが作品自体もとても面白く読ませていただきました。
 トウジのお父さんのエピソードが泣かせます。私としては非常に好み。
 要所要所を格好良い文章できちっと決めて下さるので読んでてとても気持ちが良かったです。ラストのペトルさんのところとか…非常に上手い。惚れ惚れします。

 ハッピーエンドになんか絶対になれっこないのにハッピーエンドになった時点で終わらせてるのも素敵だと思います。トウジとステラの今後のことを冷静に考えると、あそこでエンドマークが出ておしまいってワケには絶対いかないと思うのです。けれどそこを、これから先もうずっと二人と一匹には幸福なことしか待ち受けていないような雰囲気で終わらせているのは、物語として非常に、正しいあり方だと思います。こういう感覚を味わいたいからこそ人は物語を求めるのではないでしょうか。

 読後の爽快感は秀逸。青空を間近に感じさせてくれる作品で、オススメ……ってか、イワノフー!(ひい) イワノフ一匹ほしいー! ひもでじゃらして遊んでみたいー!(感想文だか何なんだか…)

20050318

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