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『アリ王国の愉快な冒険』
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『アリ王国の愉快な冒険』 エリック・ホイト/鈴木主税 角川春樹事務所

 1997年発売の書籍なのであるいはもう古本屋さんでしか買えなくなっているのかもしれませんが、すごく面白かったのでネット書店へのリンクを貼っておきます!

 全編がぎっしりとアリ達のお話です。まあ終盤の方に少しだけ、この本における人間の主人公みたいな感じになってるアリ学者の経歴がずらずらと並んでる章があって、私としては著者には申し訳ないことながらそこは余計だろうと思ってしまったワケですが…そこを除くと見事に様々なアリ達の様々な暮らしぶりをたっぷりと描き切った、非常にスリリングな内容の本でした。

 私自身はアリに限らずムシ全般が嫌いなタチなので、カラー写真とか詳細な図版とかがたっぷり入っていたなら手に取るのをためらっていたかもしれませんが、この本にはそういうビジュアルの資料がほとんど入ってないのでその点ムシ嫌いの方でも楽しめるつくりになっていると思います。アリという字面を見るのさえ寒気がするという人にはさすがに無理かもしれませんが…。

 ハキリアリ、軍隊アリ、アステカアリ、ツムギアリ、蜜壷アリ、過酷な自然の中で生き延びるために、捕食者から逃れより多くの食糧を確保して生き残るために、驚異的な進化を遂げた各種のアリ達の物語が繰り広げられます。無数の個体が果たす役割を明確に分担して作業の効率化をはかり、それでいながら非常事態には互いの役割を相互に補完し合えるようにすることで大群ではなく女王を頭脳とした『超個体』として存在出来るアリ達。詳しく読んでみたなら驚きの連続です。
 巣を守り外敵を撃退するために筋肉を収縮させて自ら破裂し体内に貯め込んだ毒物を撒き散らす爆弾アリがいたり、ひとつのコロニーに複数の女王を配置して天文学的な数値にまで個体の数を膨れ上がらせる種のアリがいたり…。

 生き残り子孫を増やすためにアリ達が編み出した数々の戦略、手段、彼らが遂げたそれぞれの進化。スゴイとしか言いようがないです。文字がみっしりと詰まった本を読み終えて閉じた後にも、もっともっとアリのことを知りたくなる、きっかけとなるものがいっぱいに詰め込まれた良書だと思います。読了までにそれなりの日数がかかりましたが、読んでる間中ずっと楽しかった!

 もしも手に取る機会があったのなら、オススメの一冊です。ムシ嫌いの方にも毛嫌いせずに読んで欲しい!

20060220

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