第一巻から引き続き読了しました『キノの旅』です。
パースエイダー(注・銃器のこと)の有段者・キノと言葉を喋るモトラド(注・二輪車。空を飛ばないものだけを指す)・エルメス、この二人が旅の途中で立ち寄る国や出会う人々、出来事について連作短編形式で書かれた作品。
冒頭からいきなり『人を喰った話』ですか。キノがうさぎをお肉にする場面の描写がとても丁寧で、動物の死体をバラしてるところなのに美味しそうだと思ってしまいました。食べ物をきちんと美味しそうに書ける作家さんは素晴らしいですね。
『優しい国』、やっぱり残酷なお話です。でもその残酷さの正体がわからない。酷いハナシだと思うのだけれどでは具体的に何処がどう酷いのかに言及しようとすると、その酷さを言い表そうとすればするほど感情が分解されてゆくような…。ここがあんまりだ、とか、こうすれば良かったのに、とか、そういう意見を差し挟めないほどにお話が完成されている感覚があるので、自分の中で折り合いをつけることさえ上手く出来ずに、ただその残酷さと向かい合うしかないような…。
『帰郷』にしてもそういうところがあると思います。酷いハナシなんだけど、ただ酷いんじゃなくて…以下略。『キノの旅』の感想は難しいなぁ…。
そんな複雑な感情をいっとき癒してくれるキノとエルメスの掛け合い。