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『キノの旅VI −the Beautiful World−』 時雨沢恵一 電撃文庫
第3巻から第6巻まですずか嬢にお借りした分を一息に読み終えてしまった『キノの旅』です。
パースエイダー(注・銃器のこと)の名手・キノ(女の子)と言葉を喋るモトラド(注・二輪車。空を飛ばないものだけを指す)・エルメス、この二人が旅の途中で立ち寄る国や出会う人々、出来事について連作短編形式で書かれた作品。
今回口絵の『戦車の話』においてようやくエルメス以外の喋る乗り物が初めて登場しましたが…この戦車はモトラドのエルメスと違って乗り手がいなくても自動で動けるみたい。機械が感情や意思を持っているのが前提という世界観ではないだけに(シズ様のバギーも師匠の車も喋らない)自分で考えて喋れる乗り物って何なのか? ってのがすごく疑問に思えて、そこにばっかりひっかかってしまうのですが…ううむ?
バトル中心のハードな内容だった前巻とは打って変わって、今巻はそれまでに比べるとのんびりとした国を訪れるキノとエルメス。
『花火の国』ではかき氷を食べたりなんかして。食欲旺盛なキノは可愛い。
キノが階段を下りると、エルメスは公園にいた大量の鳩の止まり木と化していた。
「あー、キノ? 好きなだけ撃って食べていいよ」
白い塊が言った。
エルメスはもっと可愛いけどね!(ええー)
『忘れない国』はなかなか皮肉な内容で、良かったです。キノのしたたかさと言うか、一種の非情さと言うか、自分だけきっちり逃げて来ちゃう行動もニヤリとさせられる感じで、嫌な気分にならない。行く先々の国で出会う人達とキノ達との距離感のとり方が上手なんだろうなぁ。いつも切り離された気分のまま物語だけを楽しめる。『鎮魂歌 〜あの日を忘れない〜』には不覚にも爆笑してしまいましたが不謹慎ですか?
『祝福のつもり』も今巻のプロローグとエピローグになっている『誓い』も読了後には独特の余韻を残して、前の巻を引っ張り出して来ていつまでも読み返していたくなるような気分にさせられました。面白いですね、『キノの旅』は。借りてた4冊をほんとにあっと言う間に読破してしまった。
続刊も楽しみに読んでゆきたいと思います。
20060617
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