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『学園キノ』 時雨沢恵一 電撃文庫
学園キノは
『キノの旅』なんかじゃない。
そしてそれ故に、
『キノの旅』じゃない。
『キノの旅』ファンは決して読んではいけないノベルの登場です。
『撲殺天使ドクロちゃんです』に収録された時雨沢氏の作品を読んでこれは絶対面白いと直感しましたので購入し早速読了しましたがこれもう特に読者の感想とか必要としない作品なんじゃないだろうか。
他の方々の感想をちらほらと見る限りではどっちかと言うと評判が悪いような印象を受けますが、私は大好きです。もう何もかもひっくるめて爆笑させていただきました。
作者本人による悪ノリパロディも、ここまでやってもらえれば読者としては本望です。と言うか本当に『キノの旅』じゃないからコレ。パロディどころの騒ぎじゃないから。別個かつ新種の生き物が生まれ出でたような驚きだから(ええ)。
まず主人公・木乃ちゃんの性格がキノとはまったく違います。違うどころか似てもいません。別人です。完璧に。
静先輩はまあともかくとして、サモエド仮面が出て来るから、真面目なシズ様ファン絶対に読まない方がいいです。これはもう本当にゼッタイに読んじゃ駄目です。完璧に別人なんだと割り切れるならその限りではありませんが、そして私はサモエド仮面すらも結構好きですが!
携帯ストラップになったエルメスだけはほぼそのまんまですが、だいぶ影が薄くなってます。どさくさに紛れて擬人化した陸が出て来ますが陸である必然性がないくらいに別物のキャラです。
だからぶっちゃけ最初っから『キノの旅』のパロディだと思って読まなければいいんです! こういうメチャクチャなギャグ小説だと思って読めばいいんですよ! とにかく私はこの作品大好きです! こんなハナシを電撃文庫で読めるとは思わなかった! むしろこの本が書店で流通している事実が衝撃。もはや何でもアリなのか。
「……アンタはどうしていつもそうなのよ!」
「いい質問だ! それはな……」
「それは何よ?」
「それは───光輝く白いマント、空───蒼い空。笑顔で踊って、いつだって両手を開く───力強く! 思いっきり! 子どもの頃の夢、憧れ、戦い、どこにでもあるようなロジック───さあ! おお永遠のファンタジア、脇腹、缶詰───ふとした仕草がバババーン! あの日見た朝焼け。……もう分かるだろう?」
「分かるかーっ!」
「なんとまあ物分かりの悪いムスメだろうね」
「絶対撃ってやる!」
うっかり電車の中で読んで崩れ落ちそうになりました。
最後の最後にあのお方が変身して出て来たときとかもう死ぬかと思った。電撃文庫に殺されるかと。
『キノの旅』「あとがさ」なノリがお好きな方は大いに楽しめる本だと思います。
でも『キノの旅』本編が大好きで、その雰囲気を壊したくない方は手を出さないことをオススメします。
あー、すごかった。
続き出るのかなコレ(笑)。
20060712
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