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『ガジェット・ポップ〜蒸気帝国騒動記〜』 川崎康宏 GA文庫
「そなたら、所属はどこか?」
税金を納めに帝都を訪れていた、グリフィス・グリフィン帝国第三八騎士団団長率いるローデイル鉄の烏団は、凛とした声に呼び止められた。見れば聖なる黒色をまとった宮中の侍女。なぜこんな街中に? ───という疑問はあるものの促されるままついて行った先には、なんと地方騎士ではとうてい目通りはかなわない神聖皇帝陛下の息女、ギレーネ姫殿下が待ち受けていた。
思わぬ出世の糸口がつかめたと、殿下の勅命を受け直属の騎士団もどきとなったグリフィス一行だったが、だんだんおもわぬ道行きに……。
世間知らずな姫殿下や、出世をもくろむ地方騎士達が蒸気機械世界で繰り広げる、スチームパンクコメディ!
ソフトバンクから出版されているGA文庫、その創刊第2弾のラインナップの中に含まれていた作品です。
他の6作品は全てスルーだったのにこの本を手に取ったのは…以前古本屋で『隊長は倒れてる』と『将軍はやってこない』をタイトルが気に入って購入していたことと(今もって両方未読)、表紙のイラストになんだか惹かれるものを覚えてのことでした。
半ば以上衝動買いのように発売直後に入手して、読まずにしまい込んでおいたらあっと言う間に約半年。続きの巻も出ないようなので読むことにしました。
あとがきで作者さんが表現している通り、これは「きっかけ一つで坂道を転がり落ちていくタイプの物語」です。うん、転がり落ちてる。間違いなく転落してる。
出世欲に燃えてるんだか何だかもうよくわからないグリフィス団長の破天荒な行動に引きずられるカタチでストーリーは動き出すワケですが、これはすげえなあ。とにかく次から次に事件が起こって。
登場人物達は装甲列車や飛行船や陸上戦艦で追跡劇を繰り広げるのですが、追いかける対象が微妙に入れ替わってたり、とんでもない勘違いがあったり。そのゴタゴタっぷりがいい味出してます。
随所に蒸気で動作する機械のデータ的な説明が入るのですがそれを把握してなければ進行に支障が生じるということもなく、ラストまで気楽に読めました。これ、アニメにすると面白いだろうなぁ〜。
おさまるところにおさまったんだか何だかよくわからないんですけど、この大騒動の後に無事大団円になってしまってるあたりが強引で大好きです。
しかしながら、明らかにコメディタッチのこの物語で結構な数の死者が出てるのは、それってどうなの? ってちょっと思ってしまいますが…。
グリフィス団長はじめ主要登場人物はほぼ無傷(でもないけど)で動き回ってるのに、巻き込まれた人達が死亡してる様子がはっきり書き込まれててちょっとげんなりしました。こういうハナシなんだからたとえ名前のないキャラでも殺す必要はないと思うのですが…ううん、考え過ぎ?
ちょっとしたブラックさを除けばあとはストレートに楽しいと思える良いお話だっただけに、個人的にはそこが残念でした。
それにしても、表紙イラスト見てグリフィス団長ってまだ若い方なんだと思ってたのに…本文によると団長45歳。いや、これは45には見えないよ、どう見ても…ううーん…。
20060803
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