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オンライン書店ビーケーワン:キノの旅 7

『キノの旅VII -the Beautiful World-』 時雨沢恵一 電撃文庫

───モトラド(注・二輪車。空を飛ばないものだけを指す)の反対側で、運転手が草の上に座っていた。両足を前に出して、後ろに手をついて、そして空を見上げていた。春の暖かい太陽に、蒼い空を背景にいくつかの雲が流れていく。運転手は十代中頃で、短い黒髪に精悍な顔を持つ。黒いジャケットを着て、腰を太いベルトで締めていた。───人間キノとモトラドのエルメスは“動いている国”に出会い入国する。その“動いている国”が進む先には“道をふさいでいる国”があった(「迷惑な国」)。他全8話収録。
 短編連作の形で綴られる、新感覚ノベル第7弾。

 第7巻から第9巻までをすずか嬢からお借りしましたので再び読んでおります、『キノの旅』です。
 この本何故口絵ページにカラーであとがきがあるんでしょうか。もはやワケがわかりません(笑)。

 キノとエルメスの旅と並行して、シズ様と陸、師匠とその相棒さんの旅のお話も結構増えて来ましたね。
 私はキノとエルメスのやりとりが好きなのでちょっと残念です。消えろ! サモエド仮面の幻影は消えろ!(ええー!?)

 今巻に収録されている中では『冬の話』が一番印象に残りました。
 安楽死云々よりは、その神様を選んでそれを捨てられずにいる、ほとんど描写されなかったその国の人達の気持ちが…「異教徒」を用意することでしか救われない人々の感情が、ずしんときたと言うか…。
 それなら、で捨てられるならそれは「神様」ではないワケで、宗教とか信仰というものは本来的にこういうモノではないのかと。変わらないもの、人間側の事情なんかはまったく考慮しないもの、「守る」故に絶対なモノ…。
 やっぱり難しくてうまく言い表せないのですが、淡々としたお話の中にぎっしりと考えさせる要素が詰まってて、『キノの旅』はほんとに面白いですね。

 『川原にて』もすごく短いのに余韻のある素敵なお話だと思います。この作者さんはこういうちょっとしたスケッチみたいな作品が本当に上手ですね。
 シズ様に川に突き落とされる陸のかわいさも見逃せません。

 続刊も楽しみに読ませていただきたいと思います。

20060905

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