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『キノの旅VIII -the Beautiful World-』 時雨沢恵一 電撃文庫
「あー…」運転手が口を開いた。力のない声だった。「何さ? キノ」モトラドが聞いた。キノと呼ばれた運転手は、ポツリと「お腹すいたな」「だったら、止まって休む! 空腹で倒れられたら───」モトラドの訴えを「はいはい。何回も聞いたよ、エルメス」キノは流す。エルメスと呼ばれたモトラドは「分かっててやってるんだから」呆れ声で答えた。「そもそも、あの国が滅んでいたのがいけない」カーブを抜けながら、キノが言った。
───お腹をすかせたキノとエルメスが辿り着いた場所には、盆地の中央を埋め尽くすように、数百人の難民が集まっていた……(『愛のある話』)他、黒星紅白が描くイラストノベルも含め全8話収録。
第7巻から第9巻までをすずか嬢からお借りしましたので再び読んでおります、『キノの旅』です。
しょっぱなの口絵ページから眼鏡っ子キノがいきなり可愛いですね。その次のページでにんまりしてるキノも好きです。無理矢理眼鏡をかけさせられているエルメスも可愛い(笑)。
今巻のお気に入りは『歴史のある国』です。師匠とその相棒さんの破天荒な対処法にはもちろん、師匠の手紙の文面に爆笑。恐い、確かにそれは恐いよ…ッ!
ところでこのお話の中でエルメスが言い間違えたっぽい”踊れマンボウ”って結局何だったんだろう…?
『愛のある話』もわりとヘヴィではありますが好きなお話です。あの状況でもしっかりと昼食を堪能するキノが好き。個人で対応出来る枠を超えた問題に対するキノの姿勢が、潔く立派でもなく弁解がましく姑息でもなくただただフツーで、そういう距離感が押しつけがましくなく好感を抱かせてくれる気がします。
そして今巻の半分近くの分量を占める『船の国』ですが。
何となく、本当に何となくですが、この話を読み終えて「あ、私、シズ様嫌い」と感じてしまいました。
どうしてもキノや師匠と比較してしまうからなのでしょうか、シズ様が迷ったりブレたりするところが誇張して感じられるようで…二人に比べればずっとずっと普通の人間寄りのシズ様の反応や考え方が甘ったれて見えてしまうと言うか。キノとは全然違う人なんだよなあ。当たり前のことだけど全然違う人なんだよなあ…。
なんてことを考えながら辿り着いた今巻のあとがき。コレはもはやあとがきなのか何なのか。一体何処まで偽るつもりなのか! 何てよく出来たあとがきなのか…ッ!(衝撃)
『キノの旅』を読むときは、相変わらず1ページの油断も出来ませんな!?(うわー)
続刊も楽しみに読ませていただきたいと思います。
20060906
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