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オンライン書店ビーケーワン:キノの旅 10

『キノの旅X -the Beautiful World-』 時雨沢恵一 電撃文庫

───「いい歌だった。歌もいいけど、歌手の声と歌い方がとても素敵だった。気に入った」「おや、キノがそこまで満足げに言うとは珍しい」歌が終わった直後から、まるでそれがスイッチだったかのように、広場には人の動きが生まれていた。歩いて城壁へ向かう人や、店のシャッターを開く人、馬車を用意する人、または自動車のエンジンをかける人。そんな中の一人、エプロン姿の中年の女性が、キノを目に止めて話しかけてきた。「旅人さん。さっき入国したのよね? 今の歌聴いたかしら? いい歌だったでしょう? 素敵な歌声だったでしょう?」(『歌姫のいる国』)───他全11話収録。そして、今回の”あとがき”は……!?

 すずか嬢からお借りしまして9巻まで読んだ『キノの旅』です。10巻目にあたる今巻は購入しましたよー。
 買う予定本メモのところに書名を挙げてあったせいか10巻発売直後のこのブログのアクセス解析、検索ワードに『キノの旅 10巻 あとがき 場所』みたいなのがすごくたくさんあって何事かと思いました…ネットで調べなくても読めばちゃんとわかる場所にあります、むしろちゃんと読んでれば見落とせるはずもない場所にありますので、ご心配なく…(笑)。

 それにしても、今巻収録の『保護の国』はすさまじい話ですな…キノやシズ様が訪れたならこうはならなかっただろうと思える展開だけに、師匠と相棒さんのブラックさが際立つというか。非常に後味の悪いハナシなのですが不思議と嫌悪感までには至らないのは、この作者さんの淡々とした書き味のなせるわざなのでしょうねぇ。
 『ティーの一日』がお気に入り。「でも、今は楽しくて笑っている。」って陸が語ってくれたのがほんわかとあったかい余韻を残して、こちらの三人組はイイ感じですなぁ。
 第10巻ではキノとエルメスまで殺伐としていたのでシズ様達の存在がさながら一服の清涼剤のような…えっと、グレネードランチャー…?

 そして第10巻一冊の大半を占める『歌姫のいる国』ですが…うーん…。
 作者さん本人が書いたお話にこんなことを言うのは間違ってるとわかっているのですが、ラストがどうもキノらしくない! これがシズ様ならわかるんですけど。あるいは私の勝手な思い込みなのか。前にあった短編が黒めだったので知らず知らずのうちに同じものを期待していたのか…まあこの長編にしてもところどころ黒いんですけどね。
 読み終わってまず思ったことは…微妙にネタバレになるのかもしれませんが、「最初からサラが歌姫じゃいけなかったの?」ってコトです。まあ、いけなかったんでしょうけど。映画とかポスターとかあるから。でもなあ…結局ののところはだからキノが雇われたんでしょうけど。なんだかなぁ、『キノの旅』にしては珍しく、読後感以前のところがすっきりしませんでした。
 このお話、途中で文末が入れ替わってるのが不思議な味出してますよね。

 ということで、今巻も楽しく読ませていただきました『キノの旅』。
 イラストの方も、表紙で銃を構えてるいろいろどーでもよさそうな表情のキノとかカラー見開きのどーでもよさそうな表情のキノとかが可愛くて好きです(笑)。
 次の巻がいつ出るのかはまだわかりませんが楽しみに待ってみたいと思います!

20061026

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