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オンライン書店ビーケーワン:狼と香辛料 2

『狼と香辛料II』 支倉凍砂 電撃文庫

 狼神ホロとの二人旅を続けることを決めた行商人ロレンス。港町パッツィオでの銀貨騒動で儲けた上等な胡椒を武器に交換し、異教徒の地への玄関口、北の教会都市リュビンハイゲンで大きな商売を仕掛けた。しかし思いもかけない謀略に嵌ってしまう。賢狼を自称するホロでも解決策はすぐには見つからず、時と運にも見放されたロレンスは、商人生命を絶たれてしまうほどの窮地に。
 何とか秘策を思いついた二人は、リュビンハイゲンへ向かう途上で出会った羊飼いの少女にある任務を託すのだが……。
 第12回電撃小説大賞<銀賞>受賞作第2弾。

 行商人ロレンスと狼神ホロの二人のやりとりが絶妙に面白い、『狼と香辛料』第2巻です。

 冒頭でホロが天秤にしかけられた細工を見破り、今回も大儲けのタネを掴んだかに見えたロレンスですが、なんとそれが破滅の始まり。仕入れた商品の価格が暴落しそのうえ莫大な金額の借金を背負うことになり、第二の故郷とも呼べる商業組合からも見放されて、絶体絶命の大ピンチに。

 羊飼いと共に草原を旅する牧歌的な情景の中でロレンスとホロの会話を存分に楽しめるほんわかとした序盤から、一転してロレンスが窮地に陥り八方塞がりの状況になってゆく様子を残酷なまでにじわじわと描写する中盤、ホロとのすれ違いを経てやがて立ち上がり起死回生を賭けての行動を起こし、一気に物語が盛り上がる終盤から、夜明けと共に訪れるハッピーエンドのラストシーンまで。
 息もつかせぬとはまさにこのことかと思えるぐらいにいずれの場面も面白く、たちまちのうちに転がり落ちたロレンスがどのようにこの窮状を切り抜けてゆくのかそれが気になって読み始めるとすぐさま没頭。

 わりと分厚めの本なのですがぎっしりと詰まった内容には無駄がなく、読後感も秀逸。何ともモノすごい作品ですな、この『狼と香辛料』は…。

「ホロ。俺たちは騎士道物語の中に生きているわけじゃない。裏切られたから相手に復讐してさあおしまい、じゃない。この後も生きていかなければならない。それに、裏切りの復讐の仕返しをされるかもしれない」
『ならば』
「倒れてる連中を噛み殺すなんてことは言ってくれるな」
『ゥ……』
「それに、俺たちが明日パンを買う金が、人の血で汚れているというのは居心地が悪い。物事にはたくさんの終わらせ方があるだろうが、明日もまた生きていくのであれば明日につながるものを選択しなければならない。そうだろう?」

 終盤のロレンスのこの台詞に私はすごく感動したのですが、この先がさらにあるところがさすがの『狼と香辛料』ですよね。
 第3巻も購入して手元にありますので、引き続き楽しみに読ませていただきたいと思います。

20070114

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