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オンライン書店ビーケーワン:奇蹟の表現 3

『奇蹟の表現III 竜<ドラゴン>』 結城充考 電撃文庫

 降誕祭(クリスマス)が近付く街で、イルマは不審なサイボーグの死体を発見する。捜査の過程で浮かび上がった<ドラゴン>の名を持つ男。その部屋を捜索するイルマは、街で暴走するサイボーグが出現した知らせを受け、現場へ急行する。
 一方、降誕祭の準備で街へ買い物に出かけていたシマにも、ミクニから連絡が入る。一見無秩序に街を蹂躙する暴走サイボーグの、本当の狙いとは───。
「どうしても守りたいものがあるんでな」
 決意とともに、シマは再び強大な敵に立ち向かう!!
 第11回電撃小説大賞<銀賞>受賞作品、緊迫の第3弾登場!!

「修道服着たお嬢ちゃんに命令されれば、やるんじゃないかね。堕落した人間に天罰だ、とかいってさ」
「ばかいうな」ナツがそんなことを命令するもんか、とシマは少し気分を悪くした。

 命令されればやるということについては否定しないんですねボス…!?(衝撃)

 とヘンなところから感想を述べざるを得ない『奇蹟の表現』第3巻です。ナツや修道院のこども達を気遣いまくりのシマがところどころでかわいいです(猪顔のサイボーグなのに!)。
 本編におけるカッコ良さ成分の8割は今回イルマさんが持って行っちゃってるんで! 残りの2割をボスとミクニで分け合うといいよ!(何だよそのテンション!)

 去年の2月に第3巻が出て早や一年、続編がいっこうに出ないのでこれでひとまず区切りがついてるハナシなのかなと思って読んでみたワケですが。

 非常に面白かったです。
 第1巻、第2巻と読んで来て、この第3巻が私は一番好きかも。
 イルマさんとタイラの捜査っぷりも、ミクニとクロトのやりとりも、ナツとトウコの会話も、全てにおいてイイ味出てて。
 メインの筋が街中で暴れ回る謎の巨大暴走サイボーグの追跡ですから当然のごとく展開もスピーディ。合間合間にシマやナツの日常の描写を挟みつつも、無駄なところのないとてもスマートなお話、という印象を受けました。
 うーん、ラストはちょっとばかり、あっけなかったですけどね…でもシマは戦闘用のサイボーグッてワケじゃないんだから、あれ以上のバトルになるとちょっと作品の趣旨が変わって来るような気もするし…けどやっぱり、そこに至るまでがきちんと描き込まれてあっただけに、ボスの活躍シーンももっとクローズアップしてほしかったような…でもシマはもともとがそういう目立つキャラじゃないって気持ちもあるし…うーん…。

 続編を待てと言わんばかりにわかりやすく「次巻につづく」って感じのラストシーンだったので、続きを楽しみに待ちたいと思います。
 今巻で新しく出て来た、ナツと友達になりたいと思う少女、トウコが次巻でも重要な役割を果たしそうな予感ですよねー。
 ナツとトウコのまっすぐな会話を読んでると、ちょっと涙が出そうになりました。
 トウコという友達を得てナツの内面もどんどん変わってゆくといいと思う。ナツが変わればシマもオズもきっと変わってゆけるハズだから。トウコちゃん頑張れ。

20070302

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