某友人より「一度読んで感想を聞かせてもらいたい」との要請を受けて図書館から借りて来た本です。
ラノベ・ノンフィクション・実用書以外の本を読むのはかなり久しぶり。そして倉阪鬼一郎氏初読みだったりします。
吹上という土地を舞台に起こる六つの事件が収録された連作短編集。
『一学期 ラジオ体操殺人事件』
繊細なんだかただ単に根性がないんだか? 堂島俊太郎の壊れっぷりが読んでて痛々しい。
『夏休み 吹上四十人殺し』
収録されてる中ではこれが一番面白かった。メチャクチャでぶっとんでる。異様なまでの勢いが。
『二学期 蔵書印の謎』
あんまりピンと来ませんでした。蔵書印を押されまくった古書ってのは実在するそうで、そっちを一度見てみたいと思った。
『冬休み 吹上駅よ、さようなら』
他の五編とは大きく雰囲気が異なるお話。でも人生ってこんなもんだよな。
『三学期 部長の殉職』
なんだかもう展開が悲惨過ぎて色んな意味でやりきれないよ…!
『春休み ホームルーム・グッドバイ』
全てがみっともなくてあまりに痛々しすぎる…。
某友人が「誰かの感想を聞きたい」といった理由がわかった気がしました。登場人物のほとんどが恐ろしいまでの自意識過剰で、読んでるうちにどんどん気が滅入ってくるというか、こちらの考え方までマイナス方向に引っ張られるというか。
『吹上四十人殺し』ほど突き抜けてれば読んでて楽しいんですが、『ホームルーム・グッドバイ』ほどに無様だと一概に笑い飛ばすことも出来ずに何とも言えない気分になってしまいました。
きっとそれが倉阪鬼一郎氏の持ち味のひとつなのだろうなー。
最後の最後で微妙にハナシを一つにまとめようとしているのが何とも中途半端な感じ。
最低限の文章で最低限の描写をする方、という印象を受けました。
簡潔な文体とオール関西弁の台詞回しに奇妙な迫力があって、読了後しばらくはほとんど無意識のままあちこちを読み返してました。
この『学校の事件』の前に『田舎の事件』と『不可解な事件』というのが出てるそうなのでそちらも機会があったら読んでみたいと思いましたが、精神的にくたびれてるときはコレ絶対読めないなー…。