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オンライン書店ビーケーワン:うそうそ

『うそうそ』 畠中恵 新潮社

 畠中恵さんの「しゃばけ」シリーズ第5弾、今巻はまるごと一冊の長編です。
 いつもいつも寝込んでばかりの若だんなが、なんと箱根へ湯治に行くことに!

 初めての旅に大喜びの若だんな。
 箱根行きを楽しみにする若だんなのはしゃぎっぷりも微笑ましいのですが、若だんなの旅にどうにかしてついて行こうとする妖達のアピールっぷりもかわいらしい!

 仁吉が一つ息をついて、離れの居間に集めた荷物へ手を突っ込み、ふかりとした毛皮の塊を掴んで庭に放り出した。猫又(ねこまた)のおしろがちゃっかり入っていたのだ。

 猫又が! 荷物に猫又がひそんでるよ…!
 屏風のぞきなんか本体屏風だから絶対連れて行ってもらえないからって拗ねてるし。妖達はかわいいなあ。
 結局連れて行ってもらえたのは鳴家が三匹だけなのですが、この三匹の鳴家達が旅先で大活躍するのですよ。

 さて、せっかくの湯治なのに若だんなの旅路は災難続き。
 仁吉さんと佐助さんは出発早々突然いなくなっちゃうし、それでもとにかく宿に着いたと思ったら謎の侍に拉致されるし…。
 これまで足を踏み入れたこともない土地にやって来たばかりだと言うのに、何故だかみんながみんな若だんなを狙っているのです。気の毒な若だんな。

 最終的には色々な人や妖達の思惑がひとつにつながりはするのですが、それでもやや散漫な印象を受けてしまいます。移動に次ぐ移動で物語の雰囲気も忙しないことこのうえない。
 仁吉さんと佐助さんの出番が少ないのも物足りないところですし、単行本一冊分という量のわりにはとりとめのないお話だったなあという気が…うーん。
 振り返れば無駄なところのないすっきりと上手い話ではあるのですが。読んでるときは展開が見えないことにワクワクするよりはイライラさせられる感じでした。

 でも天狗達に守られている姫神さまという図式があまりにもおいしすぎたので全部良しかもしれません!(ええー!) いや、蒼天坊(そうてんぼう)とお比女(ひめ)ちゃんがね?!(椅子から立ち上がらんばかりの勢いで)

「この薬は大層、大層染みるそうな。仁吉が染みると言ったら、本当に物凄い代物なんだよ。たとえ腕が付くといっても、そりゃ痛いから、大天狗殿は嫌がるかもしれない」
 大人だとて、痛いお薬は嫌うものだと若だんなはいう。それを聞き、お比女は天狗の顔を心配そうに見上げた。
「蒼天坊、痛いから……お薬は嫌い?」
「い、いや比女様、そういうことではなく」

「やっぱり私がいたから、いけなかったんだ。姫神なのに、ま、守られてばかりだから……」
「ああ、お優しい。だからその……姫神には、言わんでおこうと思ったのだが」
 蒼天坊がおろおろとして、比女の顔を覗き込む。己の腕を切り落とされたときよりも、困り切っている。

 蒼天坊とお比女ちゃんがね……!?(しつこい)
 この後大天狗さまは姫神さまを大事そうに懐に抱えて移動したりなさるんですよ!? 抱えるにしても懐だと!? ちくしょうどういうことだ! 相変わらず私は何の感想を書いているんだ…!?

 そういうわけで「しゃばけ」シリーズ、次作も楽しみに待ちたいと思います。
 次は屏風のぞきにたくさん出番がありますように…!

20070428

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