インデックスにもどる → タイトル別 著者名別
『E.a.G.』 柴村仁 電撃文庫
凄惨な吸血鬼事件に震撼する街の片隅で、可憐な少女の姿を借り、それは突然現れた。「俺はDDF/AH-07JD。空電体を駆除するため言基体から派遣された進攻体だ」───その瞬間から、彼の運命は変わり始める。
スラムを束ねる男の暴走、中華街の長の失踪、到来する武器商人と息を潜める暗殺者。そして、人々の間に見え隠れする異形の者たち……それぞれの願いのために、彼らは荒廃した街を駆ける。
『我が家のお稲荷さま。』 の柴村仁が放つ新感覚フルスピード・サスペンス、開幕。
まさか『空電体』も『言基体』も『進攻体』も結局何なのかよくわからないまま物語が終わるとは…ッ!(戦慄)
という感じのお話でした。
人の名前だけが先行してどんどん出て来るんで途中でちょっとごっちゃになって混乱したし。
造語もバンバン出されるわりには説明不足か説明されないかで、ああもうこれは理解する物語ではなくそういう雰囲気を何となく楽しむストーリーなのだろうなと割り切ってからは結構楽しく読めましたが、アタマの中を切り替えるまではかなりイライラしました。きっちり説明してほしい派なので…。
『紅帝』という文字に「コウテイ」と「ホンデイ」の違うルビを何の説明もなくつけて使い分けてるのには、初めて見たときすごく抵抗を感じました。読み進めれば二つの単語が違うものでそういう読み方をする理由も明らかになるんだけど、最初に見たときは誤植かと思った。『紅帝』が最初に出て来たときにちょっと説明を入れても別に良かったんじゃないの? 進行には問題なかったんじゃないの? と序盤の些細なことを読了後まで引きずってるわけですが。
多分主人公のゴドーのキャラがわりとブレてて、読んでて落ち着かなかった。
凄腕のバウンサーっぽい雰囲気で登場したクセにDと行動するようになってからは一般人とほぼ変わらない扱いで(Dが強過ぎるせい?)、冒頭の描写は何だったんだと読み進めながらやっぱりわりとイライラしました。
途中キアラの体に起こった生理的異変にはかなりドン引きさせられましたし…書いちゃいかんというモノではないのですが、あえて書かなきゃならない理由がわからん。
Dとスモール(カラス)の進攻体コンビのやりとりはかわいくってなごみました。
スモールかわいいよスモール。
解明されていない謎が山盛りで続編を書こうと思えばいくらでも書けるような終わり方でしたが、最初の一冊、しかもわりと分厚い本なのにこれだけの謎を残してる時点で、お話として成立しているとは言えないのではないかと…ハナッから解説する気がなかったとしか思えない話の進めっぷりだったし。
でもDとスモールが主役を務めるならちょっとは読んでみたいかもしれません。つかゴドーが次回も主役、は有り得ないか。そもそもキアラは何だったんだ。
そしてタイトルの意味が何なのか本当にわからないんですが…。
これはそういう色々わからない要素をわからないままに楽しむ本だった、の、かな…?
20070626
インデックスにもどる → タイトル別 著者名別