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『ダークネス』 倉阪鬼一郎 早川書房

コーヒーとカレーの匂いが漂う台所を惨劇が襲う。妻の肉切り包丁が夫の頚動脈を一閃、夫は即死、まもなく妻の心臓も停止した。その後も続発する無動機連鎖殺人───動機を持たない加害者が突然殺人者に変貌し、犯行直後に突然死する───事件は、新ウイルスの仕業か? 警察庁特務捜査官を中心に影の名探偵の異名を取る犯罪学者ら各界の雄が真相を探るが、やがて彼らにも魔手が……ホラー・サスペンス大作。

 倉阪鬼一郎氏です。読もうと思ってた『ダークネス』を今回読了しました。
 なんかもう何書いてもネタバレになりそうなんで基本的に読書感想文におけるネタバレを恐れない私と言えども気が引けてしまうのですが…。

 平凡に暮らしている平凡な人間が、ある日突然凶暴な殺人者に豹変する。人間業とは思えない怪力で被害者を殺害し、直後に心停止を起こして加害者も死んでしまう…このような不可解な事件が各地で起こり、不可解な事件を解決するためにいろんな人が色々するハナシです。

 影の名探偵とか万能の研究者とかドクターコレクターとかカリスマ哲学者とかキャラの濃い人達がたくさん出て来たのでおおそういう話なのかとちょっと期待したのですがそういう話では全然なかったのが個人的にはちょーっとショックです。

 事件の不可解さゆえに、過程以上の結末を迎えられるのかどうかがどんどん不安になってくる。これこれこういう理由でこの事件は起きてたんですよって言われちゃったら途端につまらなくなってしまうような不安感。
 それを超える結末を是非と期待しながら読み進めましたが、何と言うか、そういう不安さえあっさり凌駕してしまうぐらいに「えぇ〜…」って感じのラストで…やっぱこの方の話の終わらせ方は私には合っていないのかもしれません…う〜ん…。
 だってそれって、このテの物語で持って来られると一番興醒めする安易な真相じゃん…いや、まあ個人の好みなんですけどね、結局は全部。
 けどそれなら要するに何でもアリなんだし。説明してないのと同じ、というか…だからこれは結末に至るまでの雰囲気を楽しむ物語なのだと思えば、面白いし実際読んでる間は楽しめたのですが…。

 真相に関係する単語を伏せ字のかたちで中盤ぐらいに登場させて、終盤まで伏せ字とかでぼかしたまま作中で使用するのもどうかなと思いました。
 単純に表現するならフェアじゃない、取り残された感覚。ちゃんと説明されるまで待とうとかじゃなくて後ろの方のページめくって先に確認しておこうかって感じの反発を覚えました。わざわざ確認したりはしませんでしたが…。

 霊能者の独特のキャラはすごく面白かったのに、あっさり退場しちゃったのが残念。

 それにしても読了してから改めて読み返したら結構とんでもないあとがきですね、コレ(笑)。

 他の作品も読んでみたいと思います。

20070713

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