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『スクールアタック・シンドローム』 舞城王太郎 新潮文庫
崇史は、俺が十五ん時の子供だ。今は別々に暮らしている。奴がノートに殺害計画を記していると聞いた俺は、崇史に会いに中学校を訪れた。恐るべき学校襲撃事件から始まった暴力の伝染───。ついにその波は、ここまでおし寄せてきたのだ(表題作)。混沌が支配する世界に捧げられた、書下ろし問題作「ソマリア、サッチ・ア・スウィートハート」を併録した<ダーク&ポップ>な作品集!
『スクールアタック・シンドローム』、『我が家のトトロ』、『ソマリア、サッチ・ア・スウィートハート』の3編収録。
文庫新刊が出るのをたまたま知って久しぶりに読んだ舞城氏ですが、期待を上回る素晴らしさに脱帽です。
同じ新潮文庫の『阿修羅ガール』が私にはちょっとピンとこなかった印象があるのでこっちはどうかな? みたいな軽い気持ちで読んでみたのですが、こちらは直球で胸に突き刺さりました。
舞城氏は私の思い描くイメージの中にしか存在しない抽象的な意味での『小説』に最も近いもの、あるいはそのものを書かれる方だと思っております。
暴力を描いていながら、あふれるほどの豊かな『愛』を描いてしまう人。
ちゃんと生きること、周囲との関係を大事にすること、自分のアタマで考えること、全部当たり前のことなのに当たり前には描けないそんなことを、きちんと書いてみせてくれる人。
舞城氏はすごい。改めて思いました。
杣里亜と知り合いになって別に感謝したいほどいいことなんて起こらなかった。杣里亜は俺と友達になったことを喜んでるみたいだけど、でも友達なんて、なってくれてありがとうなんてもんじゃないんだ、本当は。
もっと自然に、お互いの関係の中で対等な立場で、どっちがなってあげるとかなってもらうとかそういうことじゃなくて、ただ、惹かれ合って友達ってできるのだ。
そうだ。友達って作るもんじゃない。できるもんなんだ。
暴力とか色々ぶっ飛んだ設定に満ちた世界の中で、ただひたすらにまっすぐなことを、嘘臭くなく書いてしまえるすごい作家さんだと思います。
良い小説を読ませていただきました。
舞城王太郎氏未読で興味をもたれた方は、とにかく一冊でも読んでみることをオススメしますよ!
20070715
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