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『火目の巫女 巻ノ三』 杉井光 電撃文庫

 都に歌が響きわたる。それは火の血を持つ者だけに聴こえる、初代火目・霞の鳴箭(めいせん)の音だった。そしてそれに呼応するかのように紅い雪が舞い落ちる───。
 都に起こる異変の原因を突き止めるべく伊月は豊日と調査を開始する。折りしも当代の火目・常和や御明(みあ)かしの茜を育てた長谷部家より、千木良という女が指南役としてやってくるが……。
 御明かしたちの身体に起こる異変、忌み字を冠する火護(ひもり)<し>組の新設、秘められた豊日の過去───刻々と変化する事態に伊月はどう立ち向かうのか!?
 第12回電撃小説大賞<銀賞>受賞作第三弾!

 霞の歌が響く都に、紅い雪が降る。
 前巻第2巻は燃え盛る炎のような激しい物語でしたが、今巻第3巻は闇の底で静かに燃え続ける火のような、印象は違えどもやはり美しいお話でありました。第1巻から途切れることなく続くこのクオリティはさすがです。
 過去と未来が交錯する終盤の描写にはすっかり騙されてしまいました。読み返せばそれはそもそも最初からだったのか…実にあざやかな手法に心地良い衝撃を感じました。

 刊行されてから一年を過ぎても第4巻が出ていないのがすこし残念ではあります。まだ謎の部分が色々残っていることですし…。続刊をと期待しつつも、ここまでの三部作と言われてもそれなりに納得出来るような終わり方ではありました。
 未読の方には自信を持ってオススメします、『火目の巫女』。主要登場人物の大半が女の子なのにヘンに軟弱でなく、きりっとしたカッコ良さを感じさせてくれます。和風で古風な用語がたくさん出て来るのですが難解な雰囲気を漂わせることもなく、さらりと読めるのがまた気持ち良い。

 『火目の巫女』は今のところ3冊しか出ておりませんがこの後には『神様のメモ帳』という別シリーズが控えているようで、そちらも楽しみに読ませていただきたいと思います。

 為子さまみたいな人が一番素敵ですよねー。

20070808

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