こんな辺鄙なトコまでよく来たな。まあ、適当に座ってくつろいでくれ。これからアンタに25個の質問をする。なるべく正直に答えてもらいたい。じゃあ、いくぞ。
01.まずアンタの名前からだ。ニックネームや二つ名なんてものもあるのならそれも聞きたい。
シルドクラウトと申します。『双剣のシルドクラウト』…そんな称号を授かったこともありました。昔の話です。
02.年齢、生年月日、血液型、身長、体重、職業、家族構成…基本的なデータだな。はっきりわかってるものだけで構わないぜ。
年齢ですが、おそらく1000には満たないのではないかと。世界の流れから外れたときに数えるのをやめてしまいましたので、詳細は分からないのです。申し訳ありません。生年月日も…もはやわたくしには意味を成さぬものですから。血液型はABですね。身長はあなた(アクセルロッド)よりもアタマ一つ分低い程度です。体重はこの身長の平均よりはかなり軽い部類に入るのではないかと思われます。職業、『執事』をしております。家族はございません。以上でよろしいでしょうか。
03.髪の色、ヘアスタイル、瞳の色、その他諸々、他人から見てもそうとわかる特徴について教えてくれ。
髪の色は夜の闇。腰まで届く長髪…紐で縛ったりはせずにそのまま背中に流しております。ええ、見苦しくならないように手入れには細心の注意を払っております。瞳は髪と同じ色をしております。透き通るように肌が白い、と言えば聞こえは良いのですが実際は蝋人形じみて青白い顔をしているということでございましょうね。
04.服装についてだ。アンタが『作品』の中で普段どんなカッコウをしてるのか。画像とかがあるならここで見せてもらいたい。
申し訳ないのですが、画像はございません。服装ですが、タキシードですね。スリーピースのロングジャケット、色は漆黒です。…普段着がタキシードというのは奇妙に思われますか? しかしわたくしにとってはこれが一番しっくり来る格好なのです。
05.アンタが大事にしてる道具について。武器、防具、装飾品、小物…種類は問わない。特別愛着のあるものについて話してくれ。
何時如何なるときもこの身から離すことのない、この銀のブックペンダントです。あの方からいただいたものなのです。…ペンダントトップの中身を確かめたことは、まだありませんが…わたくしの一番大事な宝物、ですね。
なかなか真面目に答えてくれているようだな。助かるよ。質問はあと20個だ。もうしばらくお付き合い願うぜ。
06.定番の質問だが…アンタの『長所』だ。他の奴より優れている、これだけは誰にも負けねえ自信がある。それは何だ?
長所を語るに際し必要以上に謙遜していてはかえって失礼にあたるというものですから、はっきり申し上げましょう。『冷静さ』です。計算高さ、とも申せましょうか…情に流されず、動揺することもなく、純粋なる事実だけを基にして物事に対処出来る能力。これだけは他の方に引けを取らないと自負しております。
07.次は当然『短所』についてだな。はっきりと他の奴より劣っている、これだけはどうしても乗り越えられない弱点だ。…それは何だ?
率直に申し上げますが、わたくしの場合においては長所はまた短所でもあります。他者の感情に振り回されないということはつまり、裏を返すと他者に共感する能力が劣っているのだと言えるでしょう。
08.アンタの『性格』。自分ではどう思う。他人からはどう見られてる?
他の方からは…ずいぶんとつまらない人間だと思われているのではないでしょうか。冗談の一つも口にせず、常に平然と澄ました顔で、無駄なことは一切しない。そんな風に見られているのではないだろうかと思います。実際のわたくしは…そうではない、人並の感情を備えている人間なのだと…反論出来れば、良いのでしょうが。
09.その『性格』で「トクをした」ことはあるか? 逆に「ソンをした」ことは?
「トクをした」ことですか。おそらくはこの冷静さを買われてあの方に『執事』の大役を仰せつかったことに尽きるでしょう。「トク」だなどといささか不真面目な単語で表現することには抵抗を覚えるのですが。はっきり「ソンをした」と感じたコトはこれまでには一度もありませんでした。
10.アンタはどうしてそんな『性格』になったんだ? 昔々に『誰か』の影響を受けたのか…あるいは『何か』があったのか。話してみるかい。
こうして問われて数百年ぶりに思い出しましたが、両親はわたくしを激しく憎んでおりました。世界の流れから外れる前のことです。もうどのくらい昔のことになるのか、見当もつきませんが…わたくしの記憶に刻み込まれていたようです。消えもせずに。父と母の憎しみから心を逸らすため、わたくし自身までもがわたくしを憎むことのないように…感情を消すことを覚えたのです。
ちょっとめんどくさい質問が続いたかもしれねえな。まあ、質問はあと15個だけだ。もうしばらく我慢してくれ。
11.アンタに『親友』はいるかい? 普通のダチとは別格、二つと無い絆で結ばれた特別な存在だ。聞かせてもらえるか?
親友ですか。それはあなたのことですよ、アクセルロッド。あなたは粗野で怠け者で不真面目でまったくどうしようもないヒトですが、その強さ…心身両面の強さにだけはわたくしは一目置いています。あなたの力があの方を護るためだけに振るわれることを、わたくしは我がことのように嬉しく思うのです。ただ願わくばあとほんの少しでも良いですから生活態度を改めて、少しはわたくしの仕事も手伝って下さるととても助かるのですが。逃げないで下さい。
12.『親友』じゃないダチのことも聞かせてくれよ。…ん? ああ、『ご友人』ってコトだな。たくさんいるかい。何人でも紹介してくれ。ダチは多い方がいい、賑やかで。
あなたもご存知でしょう。わたくし達と本質的には同じ存在である数名の仲間のことを。ただあの方々はこんなところで語られるのを好まないでしょうね。今は言わないことにしておきましょう、互いのために。
13.…ところで、アンタも嫌ってる奴の一人ぐらいいるんだろう? 疎ましい、虫が好かない、むしろ憎んでいる奴。それは誰だ? 一体どうしてそんなコトになっちまった?
世界の流れから外れる前のわたくしは、あるいは両親のことを憎んでいたかもしれません。自身の感情を殺さなければ存在すら危うくなるほどひどい扱いをした両親のことを。しかし、今となっては…誰かを嫌ったり憎んだりすることなど、思いもよりません。わたくしには誰かのことを嫌ったり憎んだりするほどに強く想うことはもう出来ないのではないでしょうか。
14.アンタが嫌って憎んでるそいつと…和解することは出来ると思うか? またわかりあえる日も来ると思うか?
両親とは今さら望んでももう二度と分かり合うことが出来なくなりましたから。そのことを悔やんではいません。もし時間を戻せたとしても、和解することなど出来ないでしょうね。誰かを、何かを許す心も、わたくしの中からは失われてしまったのですから。
15.…当然、アンタ自身も他人から嫌われたり憎まれたりしている可能性がある。わかってるだろう? 心当たりはあるか? そのことを考えるとどんな気分になる?
もしわたくしがどなたかから憎まれたり嫌われたりしているのであれば…おかしな話になりますが、わたくしはそのことを感謝してしまうかもしれません。それほどまでにわたくしのことを強く想って下さるのかと。心当たりはございませんが…可能性はゼロではないでしょうね。ただ生きているだけでどのような波紋を周囲に投げかけているのか、知る術はありませんからね。
やれやれ、何とも部屋の空気が悪くなっちまったな。ちょっと窓でも開けるか。あと10個だ。ちょっと気分を変えようぜ。
16.アンタの『恋人』について聞こうか。今いるかい? あるいは片想い中とか? 照れてないでちゃんと答えろよ。いいことじゃねえか。
恋人はおりませんし、過去のどの時点においてもいたこともありません。片想い、ですか。おそらく…しているのでしょうね。奇妙なことに、このわたくしが。
17.アンタの『恋人』あるいは『片想いの相手』のことを教えてくれるか? どんな見た目だとか、どんな性格だとか。どっちもいない? じゃあどんな奴と付き合いたいか聞かせてくれ。いわゆる『好みのタイプ』って奴だな。
『高嶺の花』…一言で言い表すとすれば、こうでしょうね。どんなに望んでも手折れぬ気高き一輪の花。指先を触れさせることさえ恐れ多いような。何故それほどまでに魅力的に思えるのでしょう、客観的な目で見れば容姿にも性格にも取り立てて優れているところはないような方なのですが。しかしあの方には特別な何かが…このわたくしの心を乱す何かが、あるのです。
18.アンタの『好きな物』を聞こう。好きな動物、好きな食いモン、好きな色…何でもいいぜ。何でそれが好きなのかも思う存分語ってくれよ。
好きな動物は猫ですね。気まぐれなところが若干付き合いづらいきらいがありますが、外見がとても美しい。長毛種よりも短毛種の方が猫本来が持つしなやかな美しさがより際立っていると思われます。好きな食べ物ですか。野菜や果物、火を通していない食べ物です。見た目から菜食主義者だと思われることが多いのですが、魚も好きなんですよ。特に刺身が好物でして。好きな色は白ですね。一点の汚れもないまっさらな白です。他ですか? 四季の内で一番好きなものは秋です。落葉の始末は骨ですが、落ち着いた良い季節だと思います。
19.次はアンタの『嫌いな物』を話してもらおう。嫌いな動物、苦手な食いモン、気に入らない色…これも何でもいい。それのどこがどう嫌いなのかも聞かせてくれよ。
嫌いな動物ですか。ネズミ、です。ネズミという動物自身に罪がないことはわかっていますが…不潔で、見た目も不愉快です。嫌いな…と言うよりは苦手な食べ物ですが、肉類ですね。口に出来ないワケではありませんがなるべくなら遠慮させていただきたい。味の濃い料理も好きではありません。嫌いな色は特にありません。他ですか? 四季の内で一番苦手なのは、春です。…花粉症なんです。
20.ところでアンタ、『ペット』とか飼ってるのかい。それはどんなモンだ? 飼ってない? じゃあ何なら『ペット』にしてみたいと思う?
ペットを飼ったことはありませんし、飼う予定もないのですが…もし飼うのであれば、やはり猫が欲しいですね。純血の美しいものを一匹。雄猫は気性が荒いと聞きますから、雌猫…光の当たり加減で銀色に見えるような、艶やかな黒猫を飼ってみたいと思います。
ヒトはてめえの好きなモンについて話してるとき、一緒に自分の一番深いところについても話してるんだって言うぜ。何が好きか、何が大事か。それがアンタだ。…さあ、あと5個。一気に答えてくれ。
21.オーソドックスだが…『趣味』は何だ? 寝るのも食うのも忘れて打ち込んじまうもの。一銭にもならねえのに必死になっちまうほど好きなものは?
非常に平凡な回答で心苦しいのですが、読書です。娯楽的な読み物よりは理論書学術書の類いを多く読みます。面白い本に運良く出逢ったときにはなかなかページを繰る手が止められず…そのまま夜を明かしてしまうこともまれではありません。一度読み終えた書物でも何故か処分する気が起きないため蔵書が増える一方なのが少々悩みの種でもあります。
22.アンタの『夢』は? 叶えたい願い、果たしたい約束、誰かのためでも、てめえのためでも。言ってみるかい。
…わたくしはあの方にお仕えする身。あの方のおそばにいたいがために世界の流れより自ら逃れ出て、輪廻の輪から外れることと引き換えに現在のような人外の存在となったのです。あの方の幸福がわたくしの幸福、あの方の願いがわたくしの願い。あの方がいつも心安らかに笑顔でいて下さること…それがわたくしのたった一つの『夢』でございます。
23.アンタを生み出した『作者』に何か言ってみなよ。愚痴でも感謝の言葉でも。
この25の問いを出させたり答えさせたりするためだけにわたくし達を創り出したのですね。それでよくここまでこの質問に答えて来られたものです。褒めて差し上げますよ。
24.アンタを認識してくれる『読者』に伝えたいことがあるだろ? せいぜい気の利いた台詞を言ってみなよ。
ここまでお付き合いいただきまことにありがとうございます。わたくしの回答はご参考になりましたでしょうか? あまりお役に立ててはいないかもしれませんが…わたくしの例にとらわれずご自由に『なりきって』お答え下さるとよろしいかと存じます。
25.お疲れだったな、これがラストの質問だ。『自分自身』、アンタに向けてひとこと、言ってみな。何か言いたいことがあるハズだ。
この質問に対する回答例は、わたくしからは申し上げられません。…これを持ちまして[ Ver.Axelrod ]サンプル回答を終了させていただきます。長らくのお付き合い、お疲れ様でございました。
たった25個の質問でアンタが全部わかるワケもないけどな、だがアンタを理解する手がかりにはなるに違いねえ。最後まで答えてくれて感謝するぜ。送って行こう。出口はあっちだ。
質問提供:オリジナルキャラクターに25個の質問[ Ver.Axelrod ]