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甦る郡
 
 市町村合併により、町村が無くなると郡が消滅する。また、所属する町村が残り少なくなった郡どうしが合体することもある。以前からの主張として、町村合併により巨大化した自治体は元の郡名を名乗るべき、と言っているのだが、果たしてこの主張は正しいのだろうか。

 まずは、明治の郡制施行時に存在した郡を列挙してみる。そして、その後の変遷と現状、そして誕生した市の名前が、元の郡の名前を引き継いだものを抜き出してみる。
 郡名そのものを用いた市が誕生しているものを緑、関連のある地名が残ったものを茶で示している。郡が残り、且つ、郡名と同名の市が誕生したものを水色、関連地名の場合には黄色で示している。

■北海道(ロシア連邦施政権下を除く)
郡区町村編制法
1879(明治12)年 
1879年 現存する郡 誕生した市
札幌郡 - 札幌市
石狩郡 石狩郡 石狩市
厚田郡 - 石狩市
浜益郡 - 石狩市
千歳郡 - 千歳市
夕張郡 夕張郡 夕張市
樺戸郡 樺戸郡 -
雨竜郡 雨竜郡 -
空知郡 空知郡 -
上川郡 上川郡 -
勇払郡 勇払郡 -
白老郡 白老郡 -
幌別郡 - 登別市
室蘭郡 - 室蘭市
有珠郡 有珠郡 -
虻田郡 虻田郡 -
岩内郡 岩内郡 -
古宇郡 古宇郡 -
島牧郡 島牧郡 -
寿都郡 寿都郡 -
歌棄郡
磯谷郡 磯谷郡 -
積丹郡 積丹郡 -
美国郡 - -
古平郡 古平郡 -
余市郡 余市郡 -
忍路郡 - 小樽市に編入により消滅
高島郡 - 小樽市に編入により消滅
小樽郡 - 小樽市
瀬棚郡 瀬棚郡 -
太櫓郡
久遠郡 久遠郡 -
奥尻郡 奥尻郡 -
爾志郡 爾志郡 -
檜山郡 檜山郡 -
津軽郡 松前郡 -
福島郡
上磯郡 上磯郡 -
茅部郡 茅部郡 -
山越郡 山越郡 -
二海郡 -
亀田郡 亀田郡 -
増毛郡 増毛郡 -
留萌郡 留萌郡 留萌市
苫前郡 苫前郡 -
手塩郡 手塩郡 -
宗谷郡 宗谷郡 -
枝幸郡 枝幸郡 -
礼文郡 礼文郡 -
利尻郡 利尻郡 -
網走郡 網走郡 網走市
斜里郡 斜里郡 -
常呂郡 常呂郡 -
紋別郡 紋別郡 紋別市
沙流郡 沙流郡 -
新冠郡 新冠郡 -
静内郡 静内郡 -
三石郡 三石郡 -
浦河郡 浦河郡 -
様似郡 様似郡 -
幌泉郡 幌泉郡 -
河東郡 河東郡 -
上川郡 上川郡 -
河西郡 河西郡 -
広尾郡 広尾郡 -
当縁郡 -
十勝郡 十勝郡 -
中川郡 中川郡 -
足寄郡 足寄郡 -
釧路郡 釧路郡 釧路市
厚岸郡 厚岸郡 -
川上郡 川上郡 -
阿寒郡 阿寒郡 -
白糠郡 白糠郡 -
網尻郡 網尻郡 -
根室郡 根室郡 根室市
花咲郡 - 根室市に編入
野付郡 野付郡 -
標津郡 標津郡 -
目梨郡 目梨郡 -

 さすがに面積の広い北海道は郡の数も多い。80個の郡から13個の郡が永久に消滅している。(灰色の欄)
4個が郡が消滅したものの、市名として名が残り(緑色)、7個が、郡も残った状態で既に郡名の市が誕生している(水色)。 

■青森県
郡区町村編制法
1878(明治11)年(以降の都府県は、これを基準にしている)
1878年 現存する郡 誕生した市
北津軽郡 北津軽郡 -
西津軽郡 西津軽郡 つがる市
中津軽郡 中津軽郡 -
南津軽郡 南津軽郡 -
東津軽郡 東津軽郡 -
下北郡 下北郡 -
上北郡 上北郡 -
三戸郡 三戸郡 -
 
 青森県は郡が少なく、変化もない。明治に再編された郡は全て残り、郡名を起源とした市は、唯一「つがる市」だけである。それも、西津軽郡から、平仮名名の「つがる市」が誕生したので、黄色で示した。しかし、東西南北中に分割する前は、すべて「津軽郡」だったわけだから、関連地名というより、そのものが残ったと考えられなくもない。他と比較するため、こういう場合は、関連地名ということに定義してある。

■岩手県 
1878年 現存する郡 誕生した市
二戸郡 二戸郡 二戸市
北九戸郡 九戸郡 -
南九戸郡
北岩手郡 岩手郡 -
南岩手郡
紫波郡 紫波郡 -
稗貫郡 稗貫郡 -
東和賀郡 和賀郡 -
西和賀郡
胆沢郡 胆沢郡 -
江刺郡 - 江刺市
西磐井郡 西磐井郡 -
東磐井郡 東磐井郡 -
北閉伊郡 下閉伊郡 -
中閉伊郡
東閉伊郡
西閉伊郡 上閉伊郡 -
南閉伊郡
気仙郡 気仙郡 -
 
 完全消滅した郡は11個。しかし、東西南北が無くなっただけと考えると、完全消滅は無い。以前は一つだったものが、1878年時点で分割され、磐井郡以外、再び結合して現在に至る。
 消滅した変わりに市が誕生したのが1個、郡を残して市が誕生したのが1個。

■宮城県 
1878年 現存する郡 誕生した市
本吉郡 本吉郡 -
桃生郡 - 石巻市、東松島市
牡鹿郡 牡鹿郡 -
登米郡 - 登米市
遠田郡 遠田郡 -
栗原郡 - 栗原市
玉造郡 玉造郡 -
志田郡 志田郡 -
加美郡 加美郡 -
黒川郡 黒川郡 -
宮城郡 宮城郡 -
名取郡 - 名取市
柴田郡 柴田郡 -
刈田郡 刈田郡 -
伊具郡 伊具郡 -
亘理郡 亘理郡 -

 平成の大合併により、消滅しそうになった郡名が二件も復活。加美郡は危険領域にある。加美郡内合併で加美町が新たに誕生したものの2万8000人規模であり、市への昇格は望み薄。将来的には周囲と合併して消えるかもしれない。

■秋田県 
1878年 現存する郡 誕生した市
鹿角郡 鹿角郡 鹿角市
山本郡 山本郡 -
北秋田郡 北秋田郡 北秋田市
南秋田郡 南秋田郡 秋田市
河辺郡 - 秋田市
仙北郡 仙北郡 仙北市
平鹿郡 - 横手市
雄勝郡 雄勝郡 -
由利郡 - 由利本庄市

 秋田市となった河辺郡、横手市となった平鹿郡が復活する可能性はほぼ無いだろうが、山本郡は充分に期待できる。まだ山本郡から市は誕生していないし、郡全域で48000人程いる。また、意外にありそうで「山本市」という市名は使われていない。雄勝郡は、いずれ消滅してしまいそうだが、その他は、何とか名前は生き残った。

■山形県
1878年 現存する郡 誕生した市
飽海郡 飽海郡 -
東田川郡 東田川郡 -
西田川郡 - 鶴岡市
最上郡 最上郡 -
北村山郡 北村山郡 村山市
東村山市 東村山市 -
南村山郡 - 山形市 上山市
西村山郡 西村山郡 -
西置賜郡 西置賜郡 -
東置賜郡 東置賜郡 -
南置賜郡 - 米沢市

 関連しているのは村山市だけ。しかし、郡そのものが残っているため、しばらくは消滅する危険は無いか。

■福島県
1878年 途中経過 現存する郡 誕生した市
宇多郡 相馬郡 相馬市
行方郡
標葉郡 双葉郡 -
楢葉郡
磐城郡 石城郡(消滅) - いわき市
磐前郡
菊多郡
田村郡 田村郡 田村市
石川郡 石川郡 -
東白川郡 東白川郡 -
西白河郡 西白河郡 白河市
伊達郡 伊達郡 -
信夫郡 信夫郡 - 福島市
安達郡 安達郡 -
安積郡 安積郡 - 郡山市
岩瀬郡 岩瀬郡 -
南会津郡 南会津郡 -
北会津郡 北会津郡 - 会津若松市
河沼郡 河沼郡 -
大沼郡 大沼郡 -
耶麻郡 耶麻郡 -

 いわき市は、石城郡からの誕生なので、名称継続と考えられなくもないが、このように平仮名に変ったものは、今後も関連名と定義する。西白河から白河市、北会津郡から会津若松市と、微妙に完全に継承していると言えない場合が多い県である。

■茨城県
1878年 現存する郡 誕生した市
多賀郡 - 日立市
久慈郡 久慈郡 -
那珂郡 那珂郡 那珂市 (ひたちなか市)
東茨城郡 東茨城郡 -
西茨城郡 西茨城郡 -
鹿島郡 - 鹿嶋市
行方郡 - 行方市
河内郡 稲敷郡 稲敷市
信太郡
筑波郡 筑波郡 つくば市
新治郡 新治郡 -
真壁郡 - 桜川市
結城郡 結城郡 結城市
豊田郡
岡田郡
猿島郡 猿島郡 -
西葛飾郡
北相馬郡 北相馬郡 -

 つくば市も、いわき市と同様の扱いとする。ひたちなか市もかなり微妙と思っていたが、那珂市というそのものの市も誕生していた。鹿嶋市も微妙だが、これが嶋の字を変更したのは、国の方の事情なので、鹿島の名前が残っていると見なした。

■栃木県
1878年 現存する郡 誕生した市
那須郡 那須郡 -
塩谷郡 塩谷郡 -
芳賀郡 芳賀郡 -
河内郡 河内郡 -
上都賀郡 上都賀郡 -
下都賀郡 下都賀郡 -
寒川郡
安蘇郡 - 佐野市
足利郡 - 足利市
梁田郡

■群馬県
1878年 現存する郡 誕生した市
邑楽郡 邑楽郡 -
山田郡 山田郡 -
新田郡 新田郡 -
佐位郡 佐波郡 -
那波郡
利根郡 利根郡 -
北勢多郡
南勢多郡 勢多郡 -
東群馬郡
西群馬郡 北群馬郡 -
片岡郡 群馬郡 -
緑野郡 多野郡 -
多胡郡
南甘楽郡
北甘楽郡 甘楽郡 -
碓氷郡 碓氷郡 -
吾妻郡 吾妻郡 -

 群馬県には、郡名が残った市は無いようだ。そもそも、郡合体により消滅した郡は多いが、市制施行により消滅した郡が無い。

■埼玉県
1878年 現存する郡 誕生した市
北葛飾郡 北葛飾郡 -
中葛飾郡
南埼玉郡 南埼玉郡 さいたま市(岩槻市部分)
北埼玉郡 北埼玉郡 -
大里郡 大里郡 -
幡羅郡
男衾郡
児玉郡 児玉郡 -
賀美郡
那珂郡
秩父郡 秩父郡 秩父市
比企郡 比企郡 -
横見郡
入間郡 入間郡 入間市
高麗郡
北足立郡 北足立郡 -
新座郡 新座市

 さいたま市は、誕生当初、(南北)埼玉郡を含まないため、「埼玉」の文字を使うことに反対する意見が多く、妥協案として「さいたま」の平仮名を用いることになったという経緯があった。しかし、最後に岩槻市を編入したことにより、南埼玉郡を含むことになった。順番から言って正しくないが、結果的には、郡名を残したことになる。しかし、平仮名であることから、前述の定義どおり、「関連名称」にすぎない。
 新座市は、初めてのパタンで、郡合体により一旦消滅した郡名である新座が、市名として復活している。

■千葉県
1878年 途中経過 現存する郡 誕生した市
東葛飾郡 東葛飾郡 - 柏市など
南相馬郡
印旛郡 印旛郡 (印西市?)
下埴生郡
香取郡 香取郡 -
海上郡 海上郡 - 旭市
匝瑳郡 匝瑳郡 -
千葉郡 - 千葉市
市原郡 - 市原市
望陀郡 君津郡 - 君津市
周淮郡
天羽郡
武射郡 山武郡 -
山辺郡
長柄郡 長生郡 -
上埴生郡
夷隅郡 夷隅郡 (2005/12/5に「いすみ市」誕生予定)
安房郡 安房郡 -
平郡
朝夷郡
長狭郡

 夷隅は、近々「いすみ市」が誕生する。夷隅市にしなかったのは、難読だからか。

■東京都  
1878年 現存する郡 誕生した市
南足立郡 - 足立区
南葛飾郡 - 葛飾区
北豊島郡 - 豊島区
南豊島郡 豊多摩郡 渋谷区
東多摩郡
荏原郡 - 荏原区となるが、後に品川区となり消滅
西多摩郡 西多摩郡
北多摩郡 - 武蔵村山市
南多摩郡 - 多摩市

 東京では、区名として残っている場合が多い。しかし、基準は地方自治体名(市)であるから、特別区、また、今後出てくるであろう政令指定都市の区名の場合は、参考として「関連名」扱いとする。

■神奈川県
1878年 現存する郡 誕生した市
久良岐郡 - 横浜市
橘樹郡 - 川崎市
都筑郡 - 横浜市都筑区
三浦郡 三浦郡 三浦市
鎌倉郡 - 鎌倉市
高座郡 高座郡 -
大住郡 中郡 -
淘綾郡
足柄上郡 足柄上郡 南足柄市
足柄下郡 足柄下郡 -
愛甲郡 愛甲郡 -
津久井郡 津久井郡 -

 都筑郡は、横浜市緑区分割により、区名として復活した。足柄は、上下の区分だったものが、「南」として復活。

■新潟県
1878年 現存する郡 誕生した市
岩船郡 岩船郡 -
北蒲原郡 北蒲原郡 -
中蒲原郡 中蒲原郡 -
東蒲原郡 東蒲原郡 -
西蒲原郡 西蒲原郡 -
南蒲原郡 南蒲原郡 -
三島郡 三島郡 -
古志郡 - 長岡市など
北魚沼郡 北魚沼郡 魚沼市
南魚沼郡 南魚沼郡 南魚沼市
中魚沼郡 中魚沼郡 -
刈羽郡 刈羽郡 -
東頸城郡 - 十日町市 上越市
中頸城郡 - 妙高市 上越市
西頸城郡 - 糸魚川市 上越市
雑太郡 佐渡郡 佐渡市
加茂郡
羽茂郡
※南魚沼市は、魚沼市の南と思われがちだが、実は、南魚沼郡の全域が市になったものであり、由緒ある名前

 佐渡に関しては、郡名と見るか、島名と見るか(あるいは旧国名と見るか)微妙なところ。郡の名前が残っているかどうかを判断しているのだから、郡名が残った物と見なす。

■富山県
1878年 途中経過 現存する郡 誕生した市
下新川郡 下新川郡 -
上新川郡 上新川郡 - 富山市
中新川郡 -
婦負郡 - - 富山市
射水郡 射水郡 - 射水市
氷見郡 - 氷見市
礪波郡 東礪波郡 - 砺波市
西礪波郡 - 高岡市

 射水郡は2つに分割され氷見郡が誕生したのだが、両方とも市として残った。砺波は、漢字が旧字体から簡略されたのだが、大目にみよう。正確には東礪波郡が砺波市になっているが、1878年時点では、その元となる礪波郡だったので、そのまま継承しているとする。

■石川県
1878年 現存する郡 誕生した市
珠洲郡 鳳珠郡 珠洲市
鳳至郡 -
鹿島郡 鹿島郡 -
羽咋郡 羽咋郡 -
河北郡 河北郡 かほく市
石川郡 石川郡 -
能美郡 能美郡 能美市
江沼郡 - 加賀市

 何故、単純な漢字である河北を平仮名にしてしまったのだろうか。確かに「かほく」と読んでもらえる率は低くなると思うのだが。珠洲市は、珠洲郡合併により誕生し、残った珠洲の郡部と鳳至郡が合体して鳳珠郡が誕生している。そのため、上記の表における表現は微妙に間違いであるが、表現のしようがない。

■福井県
1878年 現存する郡 誕生した市
坂井郡 坂井郡 -
足羽郡 足羽郡 -
吉田郡 吉田郡 -
大野郡 - 大野市
丹生郡 丹生郡 -
今立郡 今立郡 -
南条郡 南条郡 -
敦賀郡 - 敦賀市
三方郡 三方郡 -
三方上中郡 -
遠敷郡 遠敷郡 -
大飯郡 大飯郡 -

 大野郡、敦賀郡ともに市として残ったため、消滅した郡名は無い。

■山梨県
1878年 現存する郡 誕生した市
北都留郡 北都留郡 -
南都留郡 南都留郡 都留市
東八代郡 東八代郡 -
西八代郡 西八代郡 -
東山梨郡 - 山梨市
西山梨郡 - 甲府市
中巨摩郡 中巨摩郡 -
南巨摩郡 南巨摩郡 -
北巨摩郡 北巨摩郡 -

 甲府市という県都がありながら、なぜ後から山梨市が誕生したのか不思議がる人がいるが、東山梨郡から誕生したから山梨市である。何の問題もない。
 その後続々と誕生している、甲斐市だの甲州市だのが問題。長野と山梨は歴史を無視してイメージを大切にするという点が似ている。

■長野県
1878年 現存する郡 誕生した市
南佐久郡 南佐久郡 佐久市
北佐久郡 北佐久郡 -
小県郡 小県郡 -
諏訪郡 諏訪郡 諏訪市
上伊那郡 上伊那郡 伊那市
下伊那郡 下伊那郡 -
西筑摩郡 木曽郡 -
東筑摩郡 東筑摩郡 -
南安曇郡 - 安曇野市
北安曇郡 北安曇郡 -
更級郡 - 長野市 千曲市
埴科郡 埴科郡 -
上高井郡 上高井郡 -
下高井郡 下高井郡 -
上水内郡 上水内郡 -
下水内郡 下水内郡 -

 ちゃんと名称が残ったのは諏訪だけか。西筑摩を木曽に変えてしまう県だから仕方あるまい。

■岐阜県
1878年 途中経過 現存する郡 誕生した市
吉城郡 吉城郡 - 高山市
大野郡 大野郡 -
益田郡 益田郡 - 下呂市
恵那郡 恵那郡 - 恵那市
土岐郡 土岐郡 土岐市
可児郡 可児郡 可児市
加茂郡 加茂郡 美濃加茂市
郡上郡 郡上郡 - 郡上市
武儀郡 武儀郡 - 関市
山県郡 山県郡 - 山県市
中島郡 羽島郡 羽島市
羽栗郡
各務郡 稲葉郡 - 各務原市
厚見郡 -
方県郡
本巣郡 本巣郡 本巣市
席田郡
揖斐郡 揖斐郡 -
大野郡
池田郡
安八郡 安八郡 -
不破郡 不破郡 -
多芸郡 養老郡 -
上石津郡
下石津郡 海津郡 海津市
海西郡

 同様に思われがちな岐阜県は、長野と対象的に、結構多くの郡名が、そのまま市名として継承されている。もちろん、恵那郡の大半を占める中津川市とか、変則パタンは多いが。また、大垣市の広域合併が破綻したことが貢献していたりする。合併成立ならば、安八、養老、不破の3つが消滅しているところだった。

■静岡県
1878年 途中経過 現存する郡 誕生した市
賀茂郡 賀茂郡 -
那賀郡
田方郡 田方郡 -
君沢郡
駿東郡 駿東郡 -
富士郡 富士郡 富士市
庵原郡 庵原郡 -
安倍郡 安倍郡 - 静岡市
有渡郡
志太郡 志太郡 -
益津郡
榛原郡 榛原郡 -
佐野郡 小笠郡 - 掛川市
城東郡
周智郡 周智郡 -
磐田郡 磐田郡 磐田市
豊田郡
山名郡
浜名郡 浜名郡 -
長上郡
敷知郡
引佐郡 引佐郡 - 浜松市
麁玉郡

 意外なぐらいに継承市名が少ない。磐田と富士だけだが、富士の場合、単純に郡名とも言い切れない。もちろん、富士市の地域は、正しい富士郡であるから、群名を継承したと言って間違いないのだが。

■愛知県
1878年 途中経過 現存する郡 誕生した市
北設楽郡 北設楽郡 -
南設楽郡 南設楽郡 - 新城市
八名郡
渥美郡 渥美郡 - 田原市
宝飯郡 宝飯郡 -
東加茂郡 東加茂郡 - 豊田市
西加茂郡 西加茂郡 -
額田郡 額田郡 -
幡豆郡 幡豆郡 -
碧海郡 碧海郡 - 高浜市、知立市など
知多郡 知多郡 知多市
愛知郡 愛知郡 -
東春日井郡 東春日井郡 - 春日井市
西春日井郡 西春日井郡 -
丹羽郡 丹羽郡 -
葉栗郡 葉栗郡 - 一宮市
中島郡 中島郡 - 稲沢市
海東郡 海部郡 -
海西郡

 愛知も、知多と微妙な春日井以外に見当たらない。しかも、春日井は良しとして、知多も郡名かと言われると微妙。半島の名から取ったとも言えなくない。旧知多郡の中でも、知多市の占める割合は低く、人口も他地域の方が圧倒的に多い。

■三重県
1878年 途中経過 現存する郡 誕生した市
桑名郡 桑名郡 桑名市
員弁郡 員弁郡 いなべ市
朝明郡 三重郡 -
三重郡
鈴鹿郡 鈴鹿郡 - 鈴鹿市
奄芸郡 河芸郡 安芸郡 -
河曲郡
安濃郡 安濃郡
一志郡 一志郡 -
飯高郡 飯南郡 - 松阪市
飯野郡
多気郡 多気郡 -
度会郡 度会郡 -
阿拝郡 阿山郡 - 伊賀市
山田郡
名張郡 名賀郡 - 名張市
伊賀郡 伊賀市
答志郡 志摩郡 - 志摩市
英虞郡
北牟婁郡 北牟婁郡 -
南牟婁郡 南牟婁郡 -

 伊賀市は、上野市であったときは、全域が阿山郡だったが、広域合併により伊賀市になったとき、名賀郡の旧伊賀郡地域を含んだため、伊賀郡と関係があると分類。無論、上野市であった時期には、「伊賀上野」という駅名とか、観光キャンペーンでは使っていたが正式市名は「上野市」だったから、何の問題もない。今回、初めて堂々と「伊賀」が名乗れるようになった。

■和歌山県
1878年 現存する郡 誕生した市
東牟婁郡 東牟婁郡 -
西牟婁郡 西牟婁郡 -
日高郡 日高郡 -
有田郡 有田郡 -
名草郡 海草郡 -
海部郡
那賀郡 那賀郡 -
伊都郡 伊都郡 -

 群名由来の市は無し。

■滋賀県
1878年 現存する郡 誕生した市
高島郡 高島郡 高島市
伊香郡 伊香郡 -
西浅井郡
東浅井郡 東浅井郡 -
坂田郡 - 米原市
犬上郡 犬上郡 -
愛知郡 愛知郡 -
神崎郡 神崎郡 -
蒲生郡 蒲生郡 -
野洲郡 - 野洲市
栗太郡 - 栗東市
滋賀郡 滋賀郡 -
甲賀郡 甲賀市

 新市名でもめた高島市である。高島郡高島町以外に遠慮して、旧町名を選択候補から除いたものの、住民の意見により「郡名」である高島を選択。

■京都府
1878年 現存する郡 誕生した市
愛宕郡 - 京都市
葛野郡 - 京都市
紀伊郡 - 京都市
乙訓郡 乙訓郡 -
宇治郡 - 宇治市
久世郡 久世郡 -
綴喜郡 綴喜郡 -
相楽郡 相楽郡 -
南桑田郡 - 亀岡市
北桑田郡 北桑田郡 -
船井郡 船井郡 -
何鹿郡 - 綾部市
天田郡 天田郡 -
加佐郡 加佐郡 -
与謝郡 与謝郡 -
中郡 - 京丹後市
竹野郡 - 京丹後市
熊野郡 - 京丹後市

 意外なほど、郡名由来の市が無い。唯一が宇治市。京都は歴史を大切にする町と思っていたのだが、郡の名前に未練は無いらしい。

■大阪府
1878年 途中経過 現存する郡 誕生した市
西成郡 西成郡 - 大阪市西成区
東成郡 東成郡 - 大阪市東成区
住吉郡 大阪市住吉区
島上郡 三島郡 -
島下郡
豊島郡 豊能郡 -
能勢郡
大鳥郡 泉北郡 -
泉郡
南郡 泉南郡 泉南市
日根郡
石川郡 南河内郡 -
錦部郡
八上郡
古市郡
安宿部郡
丹南郡
志紀郡
丹北郡 中河内郡 - 八尾市,松原市,柏原市,東大阪市など
高安郡
大県郡
河内郡
若江郡
渋川郡
茨田郡 北河内郡 - 守口市など
交野郡 交野市
讃良郡
 
 大阪市の区名として残るが、その他は泉南市、交野市だけ。交野は、一旦、郡合体により消滅した名称であるが、市誕生により復活。

■奈良県
1878年 途中経過 現存する郡 誕生した市
山辺郡 山辺郡 -
添上郡 添上郡 - 奈良市
添下郡 生駒郡 生駒市
平群郡
広瀬郡 北葛城郡 -
葛下郡
葛上郡 南葛城郡 - 御所市
忍海郡
高市郡 高市郡 -
式上郡 磯城郡 -
式下郡
十市郡
宇陀郡 宇陀郡 -
宇智郡 宇智郡 - 五条市
吉野郡 吉野郡 -

 奈良も京都同様意外であった。生駒だけが郡名由来であった。

■兵庫県
1878年 途中経過 現存する郡 誕生した市
多紀郡 - 篠山市
氷上郡 - 丹波市
城崎郡 城崎郡 - 豊岡市
美含郡
気多郡
出石郡 - 豊岡市
二方郡 美方郡 -
七美郡
養父郡 - 養父市
朝来郡 - 朝来市
武庫郡 武庫郡 - 神戸市など
八部郡
菟原郡
川辺郡 川辺郡 -
有馬郡 - 三田市
明石郡 - 明石市
美嚢郡 - 三木市
加東郡 加東郡 -
多可郡 多可郡 -
加西郡 - 加西市
加古郡 加古郡 -
印南郡 - 加古川市など
飾東郡 飾磨郡 -
飾西郡
神東郡 神崎郡 -
神西郡
揖東郡 揖保郡 -
揖西郡
佐用郡 佐用郡 -
赤穂郡 赤穂郡 赤穂市
宍粟郡 宍粟郡 宍粟市
津名郡 津名郡 -
三原郡 - 南あわじ市
 
 6つも郡名由来がある。完全消滅してしまった郡も多いが、かなりの率で市として残った。

■鳥取県
1878年 途中経過 現存する郡 誕生した市
岩井郡 岩美郡 -
法美郡
邑美郡
八上郡 八頭郡 -
八東郡
智頭郡
高草郡 気高郡 - 鳥取市
気多郡
河村郡 東伯郡 -
久米郡
八橋郡
汗入郡 西伯郡 -
会見郡
日野郡 日野郡 -
 
 1878年以降、郡の再編が激しく行われている。郡域が広いせいか、消滅したのは鳥取市関連のみ。また、郡名から市の名前となった物は無い。

■島根県
1878年 現存する郡 誕生した市
島根郡 八束郡 -
秋鹿郡
意宇郡
能義郡 - 安来市
仁多郡 仁多郡 -
大原郡 - 雲南市
飯石郡 飯石郡 -
出雲郡 簸川郡 -
楯縫郡
神門郡
安濃郡 - 大田市
邇摩郡 - 大田市
邑智郡 邑智郡
那賀郡 - 浜田市
美濃郡 - 益田市
鹿足郡 鹿足郡
周吉郡 隠岐郡 -
穏地郡
海士郡
知夫郡
     
 島根も同様に、1878年当時の郡名はほとんど残っていないが、こちらは市域への吸収によって消滅した郡名も多く、やはり市の名前として残ったものは無い。

■岡山県
1878年 途中経過 現存する郡 誕生した市
吉野郡 英田郡 -
英田郡
勝北郡 勝田郡 -
勝南郡
東北条郡 苫田郡 -
東南条郡
西北条郡
西西条郡
久米北条郡 久米郡 -
久米南条郡
大庭郡 真庭郡 真庭市
真島郡
和気郡 和気郡 -
磐梨郡 赤磐郡 赤磐市
赤坂郡
邑久郡 - 瀬戸内市
上道郡 - 岡山市
児島郡 - 岡山市
津高郡 御津郡 御津郡 -
御野郡 加賀郡
上房郡 御津郡 - 真庭市
都宇郡 都窪郡 -
窪屋郡
浅口郡 浅口郡 -
小田郡 小田郡 -
後月郡 - 井原市
賀陽郡 吉備郡 - 倉敷市など
下道郡
川上郡 - 高梁市
哲多郡 阿哲郡 - 新見市
阿賀郡
 
 ここも鳥取島根と同様、明治の郡はほとんど残っていない。 中国地方の特徴だろうか。

■広島県
1878年 途中経過 現存する郡 誕生した市
沼隈郡 - 福山市
深津郡 深安郡 -
安那郡
芦田郡 芦品郡 - 府中市,福山市
品治郡
神石郡 神石郡 -
甲奴郡 - 庄原市など
三上郡 比婆郡 - 庄原市
奴可郡
恵蘇郡
三次郡 双三郡 - 三次市
三谿郡
世羅郡 世羅郡 -
御調郡 - 尾道市など
豊田郡 豊田郡 -
賀茂郡 - 三原市
安芸郡 安芸郡 広島市安芸区
沼田郡 安佐郡 - 広島市安佐南区、安佐北区
高宮郡
佐伯郡 - 廿日市市など
山県郡 山県郡 -
高田郡 - 安芸高田市
  
 広島も同様。しかし、広島市の区名として復活したものがある。また、安芸高田市は、「高田」が使えないために旧国名を冠したと考えれば、郡名由来と考えられる。三次市は、一旦消滅した郡名復活のパタン。

■山口県
1878年 現存する郡 誕生した市
大島郡 大島郡 -
玖珂郡 玖珂郡 -
熊毛郡 熊毛郡 -
都濃郡 - 周南市
佐波郡 - 防府市 山口市
吉敷郡 - 山口市
阿武郡 阿武郡 -
見島郡
大津郡 - 長門市
厚狭郡 - 宇部市 山陽小野田市
美禰郡 美禰郡 -
豊浦郡 - 下関市
 
 やはり、中国地方の特徴のようだ。明治の郡名の残った率が低い。また、市名として復活無し。 

■香川県
1878年 途中経過 現存する郡 誕生した市
大内郡 大川郡 - さぬき市 東かがわ市
寒川郡
三木郡 木田郡 -
山田郡
香川郡 香川郡 -
小豆郡 小豆郡 -
阿野郡 綾歌郡 -
鵜足郡
那珂郡 仲多度郡 -
多度郡
三野郡 三豊郡 -
豊田郡

 山口と同様。

■愛媛県
1878年 途中経過 現存する郡 誕生した市
宇摩郡 - 四国中央市
新居郡 - 新居浜市
周布郡 周桑郡 - 西条市
桑村郡
越智郡 越智郡 -
野間郡
風早郡 温泉郡 - 松山市
和気郡
温泉郡
久米郡
伊予郡 伊予郡 伊予市
下浮穴郡
上浮穴郡 上浮穴郡 -
喜多郡 喜多郡 -
西宇和郡 西宇和郡 -
東宇和郡 - 西予市
北宇和郡 北宇和郡 -
南宇和郡 南宇和郡 -
 
 都市部に吸収されて消滅する郡が多いためか、市名に残らない物が多い。

■徳島県
1878年 現存する郡 誕生した市
板野郡 板野郡 -
阿波郡 - 阿波市
麻植郡 - 吉野川市
美馬郡 美馬郡 美馬市
三好郡 三好郡 -
名西郡 名西郡 -
名東郡 名東郡 -
勝浦郡 勝浦郡 -
那賀郡 那賀郡 -
海部郡 海部郡 -
 
■高知県
1878年 現存する郡 誕生した市
安芸郡 安芸郡 安芸市
香美郡 香美郡 -
長岡郡 長岡郡 -
土佐郡 土佐郡 -
吾川郡 吾川郡 -
高岡郡 高岡郡 -
幡多郡 幡多郡 -
  
 徳島、高知は変化が乏しい。消滅は麻植郡のみ。
       
■福岡県
1878年 現存する郡 誕生した市
怡土郡(いと) 糸島郡 -
志摩郡(しま)
御笠郡 筑紫郡 筑紫野市
席田郡
那珂郡
早良郡 - 福岡市早良区
糟屋郡 糟屋郡 -
宗像郡 - 宗像市
遠賀郡 遠賀郡 -
鞍手郡 鞍手郡 -
嘉麻郡 嘉穂郡 -
穂波郡
上座郡 朝倉郡 -
下座郡
夜須郡
竹野郡 浮羽郡 うきは市
生葉郡
上妻郡 八女郡 八女市
下妻郡
御井郡(みい) 三井郡 -
御原郡
山本郡
三瀦郡 三瀦郡 -
山門郡 山門郡 -
三池郡 三池郡 -
企救郡 - 北九州市
京都郡 京都郡
仲津郡
田川郡 田川郡 -
築城郡 築上郡 -
上毛郡
   
 そのまま残った物もあれば関連地名で残ったもの、郡を残したもの、全てのパタンが混在。旧郡は、合体により消滅した物がほとんど。

■大分県
1878年 現存する郡 誕生した市
下毛郡 - 中津市
宇佐郡 - 宇佐市
西国東郡 - 豊後高田市 杵築市
東国東郡 東国東郡 -
速見郡 速見郡 -
大分郡 - 大分市
北海部郡 - 大分市
南海部郡 - 佐伯市
大野郡 - 豊後大野市
直入郡 - 竹田市
玖珠郡 玖珠郡 -
日田郡 - 日田市
   
 大野市が使えないための「豊後大野市」と考えると、消滅した郡名を市名として復活させるという点においては、優れている。しかし、完全消滅してしまった郡も多い。それにしても、東国東郡と速見郡、玖珠郡しか残っておらず、8町村しか無いというのは、地方にしては異常かもしれない。町村数が一桁というのは、富山県(6)、愛媛県(9)の2つしか無い。大阪府が10、東京都ですら13個も残っている。
 なお、速見郡は、日出町(26000人)しか残っていないので、消滅も時間の問題か。

■佐賀県
1878年 現存する郡 誕生した市
基肄郡(きい) 三養基郡 -
養父郡(やぶ)
三根郡(みね)
神埼郡 神埼郡 -
佐賀郡 佐賀郡 佐賀市
小城郡 - 小城市
杵島郡 杵島郡 -
藤津郡 藤津郡 -
東松浦郡 東松浦郡 -
西松浦郡 西松浦郡 -
 
■長崎県
1878年 途中経過 現存する郡 誕生した市
北松浦郡 北松浦郡 松浦市
南松浦郡 南松浦郡
西彼杵郡 西彼杵郡
東彼杵郡 東彼杵郡
北高来郡 - 諫早市
南高来郡 南高来郡
壱岐郡 壱岐郡 - 壱岐市
石田郡
下県郡 - 対馬市
上県郡 - 対馬市
 
 対馬は、郡名では無かった。ここは対馬を選択したのは無難だろう。壱岐も対馬も、島というか地域と言うか、対象地域を示す言葉としては、郡名よりも強力であろう。

■熊本県
1878年 途中経過 現存する郡 誕生した市
玉名郡 玉名郡 玉名郡 -
山鹿郡 鹿本郡 鹿本郡 山鹿市
山本郡 -
菊池郡 菊池郡 菊池郡 菊池市
合志郡
阿蘇郡 阿蘇郡 阿蘇郡 阿蘇市
飽田郡 飽託郡 - 熊本市
託麻郡
宇土郡 宇土郡 - 宇土市
上益城郡 上益城郡 上益城郡 -
八代郡 八代郡 八代郡 八代市
葦北郡 葦北郡 葦北郡 -
球磨郡 球磨郡 球磨郡 -
天草郡 天草郡 天草郡 上天草市
    
 熊本は、市名として継承しているものが多い。そのまま郡も残っているものが大半だが、いずれ郡部が無くなっても安泰である。

■宮崎県
1878年 現存する郡 誕生した市
西臼杵郡 西臼杵郡 -
東臼杵郡 東臼杵郡 -
児湯郡 児湯郡 -
南那珂郡 南那珂郡 -
北那珂郡 宮崎郡 宮崎市
宮崎郡
東諸県郡 東諸県郡 -
西諸県郡 西諸県郡 -
北諸県郡 北諸県郡 -
  
 そのまま残っているものが大半で、変化に乏しい。

■鹿児島県
1878年 途中経過 現存する郡 誕生した市
南諸県郡 噌唹郡 曽於郡 曽於市
東噌唹郡
西噌唹郡 姶良郡 -
桑原郡
姶良郡
肝属郡 肝属郡 -
南大隅郡
菱刈郡 伊佐郡 -
北伊佐郡
南伊佐郡 薩摩郡 薩摩川内市
薩摩郡
甑島郡
高城郡
出水郡 出水郡 出水市
日置郡 日置郡 - 日置市
阿多郡
河辺郡 川辺郡 -
給黎郡
頴娃郡 揖宿郡 (指宿市)
揖宿郡
鹿児島郡 鹿児島郡 鹿児島市
北大隅郡
谿山郡
熊毛郡 熊毛郡 -
駆謨郡
大島郡 大島郡 -
     
 郡合体により消滅したものが全て。それなりに市名として復活しており優秀。

■沖縄県
1878年 現存する郡 誕生した市
国頭郡 国頭郡
中頭郡 中頭郡
島尻郡 島尻郡
宮古郡 宮古郡 宮古島市
八重山郡 八重山郡
   
 消滅した郡名が無い。

 全部を集計してみると、1878年の郡配置時には、ちょうど800の郡があったようだが、現在では440個程になっている。比較する数値だけ見ると360個程が減っていることになるが、郡どうしの合体により新しい郡が誕生したり、分割によって新しい郡が誕生したり、さらにその郡が消滅したり複雑である。結果的に、消滅した郡は390個であった。その郡名を引き継いで誕生した市が43個。関連名までを含めると63個になる。16.2%が残ったことになる。
 郡が消滅していないが、既に郡と同名(関連名)の市が誕生しているものが77個。合計すると140個が郡名由来による市である。この時点で市数は755個であるから、18.5%の市が郡名由来となる。

 これらの数値から、「市名は郡名であるべきだ」という結論が導き出されるかどうか。


 東日本をまとめているときには気付かなかったのだが、西日本、特に岡山県から先あたりにかかったところで、ふと、妙なことに気付き始めた。

例えば岡山県では、

    大庭郡と真島郡が合体して真庭郡となり、真庭市が誕生
    磐梨郡と赤坂郡が合体して赤磐郡となり、赤磐市が誕生
    津高郡と御野郡が合体して御津郡が誕生
    都宇郡と窪屋郡が合体して都窪郡が誕生
    哲多郡と阿賀郡が合体して阿哲郡が誕生、新見市となり消滅

いずれも、元の名称の漢字一字を取って合体させた名称である。

同様に広島県でも、

    深津郡と安那郡が合体して深安郡が誕生
    芦田郡と品治郡が合体して芦品郡が誕生

などである。さらには、

    三次郡と三谿郡が合体して双三郡が誕生(「ふたみ郡」二つの三という意味か?)

などというものももある。

 ここで示した郡の合併は岡山県が1900年4月1日、広島県が1898年10月1日のことで、いずれも明治時代のことである。郡の再編によって誕生した郡名は、かなりいい加減であったようだ。こんな適当に付けられた名前では、郡名に歴史あり、とは言えないかもしれない。(無論、明治の郡再編も歴史の一コマである以上、汚点かもしれないが、これも歴史)
 岡山県の例では、異常な名前のまま、市が誕生しているが、広島県の例では、双三郡から、再び「三次」が復活して三次市が誕生している。

これらの適当な郡名は、西日本に多いようで、四国でも香川県

    大内郡+寒川郡=大川郡 (前後)
    三木郡+山田郡=木田郡 (後後)
    三野郡+豊田郡=三豊郡 (前前)

など各種パタンが用意されている。さらには、

    那珂郡(なか)+多度郡(たど)=仲多度郡(なかたど)

などと言う、字まで変更した物も。

愛媛県でも、

    周布郡+桑村郡=周桑郡

九州福岡にも、読みだけ継続したパタンを発見。

    怡土郡(いと)+志摩郡(しま)=糸島郡(いとしま)

順に挙げるとキリが無いので、後は、面白い物だけ列挙する。
佐賀県に三養基郡(みやき)と言うものがあるのだが、これを調べると、

    三根郡(みね)+養父郡(やぶ)+基肄郡(きい)=三養基郡

という構造であった。漢字と読みをそのまま続けただけ。「みやき」という音と不自然な文字の並びに、何か深い意味があるのかと思っていたのだが、何のことはない。単なる語呂合わせだったか。

熊本県では、

    山鹿郡+山本郡=鹿本郡

という物も発見。山山では格好悪いので、後半を並べたのか。

 気付いたのが岡山県だったので、改めて遡って調べてみたのだが、このような合体郡名があるのは、他に島根県(気高郡)、大阪府(豊能郡)、和歌山県(海草郡:海草に意味があるのかと思っていたら、海部郡+名草郡 だったのには呆れた)、三重県(阿山郡、名賀郡、安芸郡)、岐阜県(羽島郡:羽栗郡+中島郡 だったとは・・・、海津郡:海西郡+下石津郡 だったとは・・・)、石川県(鳳珠郡:これは平成の合併)、東京都(豊多摩郡)、千葉県(山武郡、長生郡)、群馬県(多野郡、佐波郡)、と言ったところで、やはり西日本が圧倒的に多いようだ。

双三郡のようなパタンを福島県でも発見できた。

    標葉郡+楢葉郡=双葉郡

葉が付く二つの郡から双葉郡だろうか。

さらに三重県では、安芸郡という三段階もあった。

    奄芸郡+河曲郡=河芸郡
                河芸郡+安濃郡=安芸郡

河曲郡は何処へ行ってしまったんだ、という疑問が無いでもない。
三重県には、もうひとつ面白いパタンがある。名張郡と伊賀郡の合体により名賀郡が誕生し、一旦、両郡名が消えたのだが、後の市制施行により、名張市が誕生し、さらに伊賀市誕生により、両郡の名前が復活した。しかし、合体名称である名賀の名前が消えた。

 西日本、東日本という地域の差では無いのかもしれない。単に、東日本、特に東京よりも東(北)方面では、元来の郡の領域が広く、合併する必要が無かっただけかもしれない。対して西日本では、小さな郡が密集していたため、再編により合併する必要が多かっただけかもしれない。都市部の人口密集地では、小さい郡でさえ合併する必要が無かっただけかもしれない。いろいろな要因によって、合体名称が誕生しているのだろうが、それにしても、京都府とか奈良県とか、“地名を大切にしてそうな地域”においては、合体地名が全く無いというのは、大きな傾向であろうか。

・・・と言うことで、京都は「過去の文化として地名を大切にする」と導きたかったのだが、よくよく見ると、過去の郡名など無視してどんとん新しい市名が決って行き、古い郡名が消滅してるのよね。8つも完全消滅し、かろうじて宇治郡だけが宇治市として残っているだけ。この調子だと、他の郡名も無くなりそうだ。何せ、「何鹿郡」という由緒ありそうな地名ですら、何の躊躇もなく綾部市になってしまっているようだから。この「何鹿郡」とは、「いかるが」と読む。斑鳩とは字が違うが、きっと何か歴史的意味があるのだろう。
http://homepage2.nifty.com/kodaijin-tamat/index.files/ayabechimeikou.htm
 このページによると、イカルガとは、「そこでぐるりと曲がる上手、岡」という意味だそうな。ということは、さほど歴史的意味があるわけでも無いか。

 無論、何鹿郡綾部町が市制施行して綾部市が誕生したのだから、特に異論があるわけではない。無難な選択により由緒ある名前が消えただけ。

 もしかしたら、もっと深い意味があるのかもしれないが、字面を見る限り、単なる語呂合わせで作られた郡の名称に、どれほどの歴史的価値があるのだろうか。

またしても、疑問が増えてしまった秋の夜長であった。

(・・・て言うか、この調査集計に平日深夜+土日を費やしてしまった。大変な作業だった・・・)



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2005.11.14