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さて、丹波市という名称に違和感を覚える人も多いのではないか。そもそも「丹波」という旧国名は、どこを指すのか。
【丹波国】
(現京都府)
桑田郡 船井郡 何鹿郡 天田郡
(現兵庫県)
多紀郡 氷上郡
以上の6郡から成っていた。現在の京都府の方が丹波のイメージは強い。兵庫県と言えば、但馬と摂津、播磨、淡路といった旧国から成っているイメージがある。なぜ、ほんの一部であった丹波の地域が「丹波市」を名乗るのか。実際に、京都府にも、かつて船井郡に丹波町という町があって、合併により京丹波町が誕生している。こちらはこちらで、船井の名を捨てて丹波を選んだのだから文句は言えないが、いわゆる「丹波」のイメージを全国展開しているのは、こちらの自治体のはず。兵庫の丹波市は、それに便乗しているだけ、と言われても仕方あるまい。※1
それでは、実際に、どういう経緯で「丹波市」が誕生したのかを調べてみると、新市名称が丹波市に決りかけたとき、郡内750世帯の電話アンケートにより、
『丹波市』賛成 20%
『丹波市』反対 65%
という結果が報告されている。
このアンケート報告をした「新市名を考え直す会」に対峙した合併協議会会長の足立梅治・山南町長は「(丹波市という新市名は)協議会として十分審議して決めたことなので、ご理解を」と述べたという。
合併協議会の委員35人が「丹波市」を決めたのは2003年3月末のことだった。
「丹波市」 22票
「ひかみ市」7票
「丹波ひかみ市」6票
「たんば市」 0票
「やまなみ市」 0票
六町の町長や町議長、住民代表からなる委員の投票は丹波市が1回で過半数を占めたというが、この選択肢は何? なんてセンスのかけらも無い選択肢。この選択候補は、あきらかに「丹波市」に誘導しようとしているとしか思えない。実際に、公表直後から「親しみのある『氷上市』が最終候補から外れたのは何故」という声が地元で上がっていたという。
同協議会が事前に実施した「新市名公募」の結果では、全国からの応募が1290種、4375件。その中で、
「氷上市」 657件
「丹波市」 458件
が上位一、二位だったようだ。これを見ても、あえて故意に「氷上市」を避けたのが判る。「氷上市」ならば賛成した人でも、誰が好き好んで「さいたま市」のような「ひかわ市」を選択するだろうか。丹波市にしたい協議会が、故意に誘導させたと取られても仕方あるまい。
これが「白神市」「知床町」のように、全く関係無い土地が名乗ろうものならば、もっと大きな問題になっただろうが、氷上郡は、少なくとも丹波国であったことは間違いない事実だし、他が口を挟む問題ではないかもしれない。しかし、京都府側の丹波ブランドを築いて来た人々は戸惑いを隠せないと言う。
「丹波市」を選んだ委員らは「知名度」に加え「観光振興への貢献」や「地域の中心として期待」を強調。丹波ブランドに期待する声が根強いと言う。しかし、外部で作られたイメージを横取りすることが、本当に地域のためになるのだろうか。長野のどこかで聞いた話と同じだが、確かに地域産業振興は大切だろうが、そのために無理やり他所のイメージを拝借し、そうしてまた、歴史が消えて行く。
ただ一つだけ安心したのは、協議会委員はバカでも、住民は冷静な判断力があったこと。
参考資料
神戸新聞2003/05/09記事
※1 指摘があったのだが、「丹波篠山」という言葉があって、確かに、兵庫県側もブランドを立ち上げている。サイトのアドレスも、まさに www.tanba-sasayama.com
どちらが有名か、という議論は止めておきます。
2005.11.16