〜What's AFRESCO?〜
●フレスコの技法の説明●

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● 3 フレスコの技法

フレスコにはいくつかの種類があります。そのうちの3つをご紹介します。
 ◇ブォン・フレスコ◇
 
◇ズグラフィート(グラフィート)◇
 
◇フレスコ・セッコ◇

 

◇ブォン・フレスコ◇

絵描きが一日に描き上げられる分だけの壁面を作り、その石灰が生乾きのうちに絵をかきあげ、毎日壁を塗りついで絵を描いていく方法です。

--制作の手順--
壁画ラボの作品『祥雲図』の制作にそって説明します。 

「祥雲図」を描く前の吹き抜けの壁

手順1:描画準備

●支持体の選択
まず、実際の絵を何に描くかを決めます。支持体は吸水性のあるものでなくてはなりません。例えばレンガ、木、ブロック、石、陶板、石膏ラスボード、木毛板、セメントボード等です

『祥雲図』を描いた会館の吹き抜けホールの壁面には、吹き付けリシンが施されていました。その表面を削り取って樹脂系下塗り用石灰と砂を混ぜて地塗りをし、乾燥させてからその上にフレスコを描きました。

●下図(カルトーネ/cartone)制作

フレスコは壁面への描画作業に入ってしまうと構図の変更などができないため、下絵の段階で完全に構想を練り上げる必要があります。
 
カルトーネとは実物大の下絵のことで、小さい下絵をデッサンしたら画面を実寸まで伸ばします。模写の場合は図版を拡大します。次にこの紙に描かれたアウトラインに沿って線香や、目打ち、くぎ等で穴をあけます。目打ちなどを使った場合は紙の裏に出たバリ(でっぱり)をサンドペーパーでこすって落としておきます。

●ジョルナータ(giornata)の決定
ジョルナータとは壁が乾かないうちにできる仕事量を決ることです。 ジョルナータの線は絵の上方から順に、出来るだけゆるやかで、距離は短く、絵の流れを切らない所で決定します。このラインをあらかじめ下図に書いておきます。

下絵に着彩中

ジョルナータを決めているところ

手順2:壁作り

●砂洗い
川砂を使うときはふるいにかけて大粒の砂をの除いて、泥分、塩分等の不純物を取り除くため水でよく洗います。
硅砂や白竜などの砕石を使う場合は洗う必要はありません。砂の粒子は粒度を調整して使います。

●マルタ(malta)作り
 砂と消石灰を砂:石灰を1:1から2:1の割合で舟やボールなどに入れてよく練ります。

しっかり押さえつけるように。

手順3:地塗り(アリッチョ/arriccio)

下地には必ず水を与えてマルタがつきやすいようにします
支持体が壁で、凸凹がある場合それを平らにするように下塗りをします。

マルタの厚さは小さい作品なら4mm〜7mm位になるように、大きな壁であればその凸凹に合わせて塗ります。支持体が平らであったり、小品の場合は省略することができます。

その日に描く分だけ壁を塗り接ぐ

手順5:●上塗り(イントナコ/intonaco)

そしてその日に描く絵の範囲(ジョルナータ)の分だけ、再びマルタを塗りつけます。
必ず画面の上方から壁を作ります。

筆で戦描き中

手順6:下絵を写す けがき(インチジオーネ/incisione)

マルタを塗ってしばらくしたら、再び壁の上にカルトーネ(下図)を乗せ、カルトーネ(下図)の紙の上から先の尖ったものでひっかいて下絵を壁に写します。これを「けがき」と言います。
そしてそのあとけがいた線を頼りに筆で線描きをしていきます。

描画中その日のうちに描きあげます

手順7:描画

本塗りの壁が締まってきたら顔料を水だけで溶いて、着色を始めます。

壁は時間が経つに連れて水の吸収が良くなります。 描き始めはゆっくり、壁が水をどんどん吸収するようになってきたら、手早く仕事をし、1日分の壁を塗り継いだ分は必ずその日の内に描き終えます。

描き終えたらジョルナータの線に沿って、支持体につけたマルタを画面に対して、斜めにカットして不要な部分を切り落とします。

そして、この5〜7の手順を繰り返して完成に至ります。

完成作品例 → 【祥雲図】

 

◇ズグラフィート(グラフィート)

イタリア語の引っかくという言葉からつけられた名前です。日本語で言うと「掻き落し」にあたります。2層以上の層のマルタを重ねて塗り、上の層を引っかき落として、絵をかいていく方法です。

外壁にも使われる方法で、風雨に対する耐久性が良いことにに特徴があります。

--制作の手順--
壁画ラボの作品『葛』『栃』の制作模様に沿って説明します。

タイルを剥がした壁

手順1:支持体

『葛』『栃』を描くことになった会館の従来の壁にはタイルが貼ってあり、フレスコ制作部分をどう作るかを検討しました。その結果壁画の大きさを決定した後タイルをはつって剥がし、その部分に製作用の地塗りを施すことにしました。

カルトーネ制作

手順2:下図(カルトーネ/cartone)制作

フレスコは壁面への描画作業に入ってしまうと構図の変更などができないため、下絵の段階で完全に構想を練り上げる必要があります。
 
カルトーネとは実物大の下絵のことで、小さい下絵をデッサンしたら画面を実寸まで伸ばします。模写の場合は図版を拡大します。次にこの紙に描かれたアウトラインに沿って線香や、目打ち、くぎ等で穴をあけます。目打ちなどを使った場合は紙の裏に出たバリ(でっぱり)をサンドペーパーでこすって落としておきます。

地塗り風景

手順3:地塗り(アリッチョ/arriccio)

下地には必ず水を与えてマルタがつきやすいようにします
支持体が壁で、凸凹がある場合それを平らにするように下塗りをします。

マルタの厚さは小さい作品なら4mm〜7mm位になるように、大きな壁であればその凸凹に合わせて塗ります。支持体が平らであったり、小品の場合は省略することができます。

顔料を混ぜて色決定

手順4:色決定

グラフィートのための中塗りと上塗りのために2色の色を決定します。顔料は土系のものを使用します。

例:ライトレッド・ランプブラック等

マルタに入れる顔料の量はマルタに対して、10%〜30%です。また、白のマルタを使用する場合は顔料は入れません。

色モルタル塗り(中塗り)上塗り。

手順5〜6:中塗り〜上塗り

着色したマルタを下塗りの上に塗りつけます。地塗りを水で湿らせてから中塗りをします。

この中塗りが締まってきたら上塗りをします。上塗りは翌日でもできますが、下塗りのマルタにセメントが入っている場合は、乾燥が速いのでその日のうちに仕上げます。

粉打ち作業で全身真っ赤っ赤。

手順7:下絵の転写 粉打ち(スポルヴェロ/spolvero)

ジョルナータ分のマルタを塗ってしばらくして程よく乾いたところで、壁の上に主な線に穴をあけた実寸大のカルトーネ(下図)をあてます。そしてその上から土系の顔料(色の粉)の入ったタンポンで叩くと、開いた穴を通って顔料が画面の上に落とされます。この点を頼りに下絵を壁に写していきます。

削ってます。仕上げ。

手順8:掻き落し

壁が締まりだしてからまず輪郭を先のとがった金属で、けがいて削り取ります。そのあと壁の締まり具合を見ながらデザイン内部(色マルタを出す部分)を削り出していきます。

そしてこの手順6〜8の作業を繰り返すことで完成に至ります。

完成作品例→【葛】 【栃】

 

◇フレスコ・セッコ◇

セッコとはイタリア語の「乾いた」という意味の言葉です。乾いた壁面(画面)の上に顔料に定着剤を混ぜて絵を描きます。ブォン・フレスコの場合、石灰の固まる力が、顔料の定着にも作用しますが、セッコの場合には石灰はすでに乾いていますので、その働きはしません。ですから顔料に定着剤を混ぜるのです。これはテンペラの技法や、油絵と同じやり方です。

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