騒音コーポラティブハウスの顛末

「コーポラティブハウス:入居予定者を中心とする組合が建設する集合住宅。建設組合は多くの場合、建物の完成と共に管理組合に移行する。組合は建設前に協議を繰り返し、設計や工事の発注を行うため、建物の概観や内装の面で入居者の好みを反映させやすい。近隣住民との説明を重視するため、反対運動も起こりにくい。一般の民間分譲マンションに比べ、入居までの時間や手間がかかるが、景観など地域の実情に応じた建物の建設が出来るのもメリット。デベロッパーの利潤や広告宣伝費が上乗せされないため、コストも削減できる」

これは2003年8月22日の日経新聞に紹介されていた記事からとった定義。どうです、いいことずくめでしょう!
デメリットと言えば、入居まで手間暇がかかること。もう、判で押したように同じことが書いてある。確かに手間暇がかかります。でもそれだけ? 「買えないコミュニティがある」とメディアにさかんに露出している分、メリットだけが強調され、本音を公にする人はほとんどいませんでした。

私が買ったコーポラティブハウス

施工:O倉建設、設計監理:三O設計、TDシステム、コーディネート会社:TDシステム。場所は都心に比較的近いところ。第一種住居専用地。本来は静かな住宅地です。

んでコーポラ?

「なんでコーポラティブハウスなんか買っちゃったの?」これは、酷い生活騒音に気づいて、どうしていいかわからず、目の前が真っ暗なときに相談に乗ってくださった、ご自身も(一般分譲の)欠陥マンション被害者のA氏から聞かれた質問です。私も人並みに欠陥マンションや欠陥住宅について、知っていました。着工数が少ないにせよ寡聞にして欠陥コーポラティブハウスについての情報がありませんでした。これが大きな間違いのモト。このA氏の質問の意味が分かるのはあとになってからです。

エアコンが設置できない

真夏の入居に合わせてエアコンを設置するようビックカメラに頼みました。指定した日に工事の人が取り付け工事にかかったのですが・・私が買った機種では取り付けが出来ない、という。あわててM設計の担当者I氏(30代、男)に電話すると、前月末日の引渡しの日をもって会社を退職したんだとか。何も聞いていなかったのでビックリ。ゼネコンの担当者に聞いたら、「I先生(前述の退職した一級建築士)の図面どおりに施工しただけです」と繰り返すばかり。工事人はこれ以外の機種なら取り付けが出来る、というので、平身低頭して返品、改めてビックカメラに行きました。ビックカメラはいやな顔ひとつせず、返品伝票をきってくれたので、選びなおし、数日後にまた取り付けにやってきてくれました。でも、途中で部品が必要になり、それを取りに行って、結局一日がかりでした。もちろん、取り付け費用も高かった。

ラジオが聞けない

引っ越してからラジオを聴くと、ザーという雑音が時々入り、ラジオが聞こえません。ある時エレベータが稼動すると雑音が入ると気付きました。なぜならエレベータ昇降音もしっかり聞こえるからです。ラジオの雑音は不自由なため、クレームレポートにも書いたのですが、「原因不明」という回答しかありませんでした。仕方がないので独自に業界団体にメイルしたり、NHKに電話して相談にのってもらいました。NHKの相談員は、なぜエレベータの稼動と関係があるとわかるのか、と聞かれましたが、エレベータの昇降音がはっきり聞こえるマンションだから、と言ったら絶句されました。本来聞こえてはならない音ですから。この問題が解決したのはクレームを言ってから10ヵ月後も経ってからでした。O立エレベータは他にも類似のクレームを受けていたのです。しかしいったんは直った雑音、今じゃ元の木阿弥。フルメンテナンス契約してもこの対応です。

洗面所の水が排水できない

洗面所の栓は外国のホテルにあるような、軸を上下に押して排水させるタイプのもの。これはシンクの下に軸を押し下げる金具があって、排水するようになっているのだけど、これがうまくかみ合わず、すぐに外れ、排水出来ない。顔を洗って、顔がびしょびしょのままシンクの下のドアを開け、金具がかむように手で調節する。毎朝出勤前の忙しいときにこれを繰り返し、頭に来たので、ゼネコンに言って金具を取り寄せたんだけど、とんちんかんな金具を持ってきて直らない。いい加減頭にきて、2ヵ月後ゴムの栓に替えました。

お風呂が傾いている

入居後すぐのこと、TOTOのユニットバスのエプロンを掃除のためにはずしたら、元に戻らなくなった。そこで東京ガスの人に来てもらったけど、やっぱりびくともしない。結局メーカーに来てもらって見てもらったところ、お風呂場が3ミリ傾いているため、エプロンがしまらないことが判明。本来2万円とられるところ、無料で直してくれました。また最近、お風呂場の電灯が切れたので、電球を取り替えるためにカバーをはずそうとしたけど、びくともしない。結局また例のTOTOの人に来てもらい、ようやくのことで外してもらいましたが相当乱暴な入れ方だったようです。これはしっかりお金を取られました。

他にも設計士のミスによるトラブルがあり、直して、追加料金を取られ、それなのに設計士に何度も何度も確認したことは言ったように出来ていない。あとで聞いた話ですが、コーポラティブハウスでは設計段階の取り決めが現場に正しく伝わらないで、間違って部品部材が届いた、なんてしょっちゅうだそうで、現場監督泣かせ。だから2度と請け負わない。そんなこんなで入居後はくたくたになりましたが、ようやくそれらも解決し、落ち着いた頃に本当のトラブル=生活騒音に気づいたのです。

それは割れるような頭痛から始まった

頭痛とは無縁の私がある日、割れるような頭痛に襲われました。そうして自分がとんでもない騒音に囲まれていることに気づいたのです。上下階からと思われるわけの分からない騒音、自動扉の開閉音、エントランス部分の足音、エレベータの昇降音、エレベータホールでの話し声、上の階の掃除機で掃除をする音、家具を移動する音、靴を脱ぐ音、とりわけうるさかったのはメイルボックスと宅配ボックスの開閉音でした。つらかったのは、新聞配達の人が新聞を投げ込む音。早いときには朝の3時40分〜4時20分に第一便がやってきて、盛大に音をたてて新聞を投げ込みます。どんなに熟睡していても、かならず目が覚めます。それからは眠れないまま過ごし、うとうとしかけると5時半に第二便が。このコーポラに越してからというもの、目覚ましでおきるのは月一回の新聞休刊日のみという日々が入居後約2年続きました。

夜は周囲が静かになる分、夜更けに帰宅する人の足音、新聞や郵便を取り出す音自動扉がぐい〜んと開閉する音で悩まされる毎日です。原因の一つは、私が住んでいるところが一階で、共用部と接しているからです。

呆然自失の日々

正常な生活が営めない欠陥に気が付いたとき、人はどうするか・・・ただただ、頭が混乱して、現実が受け入れられませんでした。どうしていいか、わかりませんでした。おろおろとひたすら狼狽するだけ。人生で最大の買い物に欠陥品をつかまされたとしたら、だれだって茫然自失になりますよね。誰に、どこに、どうやって相談して良いのかもわからず、時間だけが経ってゆきました。毎日家に帰るのが憂鬱でたまりませんでした。だから、なるべく家に居ないようにするーへろへろに疲れるーでも眠れない。この繰り返し。主婦で在宅時間が長かったら、うつ病になっていたかもしれません。眠れないって、本当にストレスですし、おウチが地獄で毎日がとにかく楽しくない。

そして不安神経症になり、ネットで騒音問題について調べ始めました。マンションの騒音問題が多いことにビックリしました。現在のコーポラティブハウスに越す前は18年賃貸マンションに住んでいて、騒音問題とはほとんど無縁でした。フローリングではなかったのがよかったのかもしれません。古い賃貸マンションのほうが静かで、新しい分譲のほうがウルサイって、信じられますか? でも、分譲マンションが賃貸マンションよりも遮音性に優れている、というのは幻想です。それが証拠に、ネット上には分譲マンションの騒音に悩む人たちの怨嗟の声があふれています。賃貸でも遮音性が劣るアパート、マンションはあります。しかし、賃貸なら引っ越すことが可能です。分譲マンションはおいそれと越すわけにいきません。