慢性膵炎の薬
慢性膵炎の薬については以下のようなものがあります。
酵素に働きかけ膵臓を落ち着かせる
| 薬名 | フオイパン、カモステート、アーチメントなど |
|---|---|
| 主 成 分 名 | 「カモスタット」や「メシル酸カモスタット」と呼ばれる成分です。 |
| 製 品 一 覧 | 医薬関連のサイト「ここカラダ」による製品一覧 |
| 効 能 な ど | 慢性膵炎の薬の代表格です。「蛋白分解酵素阻害剤」と呼ばれていて、食事をしたとき膵臓が蛋白質を分解する酵素を出すのですが、その酵素の働きを弱め、よって膵臓への負担を減らす、というものです。最も一般的な製品は「フオイパン」で、お医者さんの世界では「慢性膵炎」→「フオイパン」というくらいに定番のようです。即効性のある薬ではなく、ゆっくりと「薄皮を剥がすように」効果が現れると言われています。私は発症の後、数ヶ月間フオイパンを飲んで確かに痛みが少しずつ軽減するのがわかりました。数年後に増悪した時もフオイパンのジェネリックを3年くらい飲みました。フオイパン自体は先発薬なので非常に価格が高いという特徴があります。製品一覧で見ていただくとわかりますが、後発薬より何倍も高価です。処方されると保険適用でもちょっと驚くような額になります。最近では患者が初めからジェネリックを希望できるようになっており、安いジェネリックを希望したくなりますが、フオイパンの方が後発薬より効き目が良いという医者もおられるようで、高いフオイパンを使うか、安い後発薬にするかはなかなか判断が難しいようです。私は初期のみフオイパンで後はずっと「アーチメント」というジェネリックにしてもらいました。個人的には効果は変わらなかったような気がします。どちらがよいかということについては、実際にジェネリックを試されて体質に合うかどうかを確認されればよいのではないでしょうか。副作用はほとんどないようなのですが、ただ私の場合、時々顔に小さくて薄赤い斑点のようなものができたことがあります。 |
| 備 考 | フオイパンの発売は1985年です。自分の発症は1997年ですからフオイパンという薬が存在していてよかったと思います。 |
胃酸を抑え膵臓への負荷を減らす
| 名前(商品名) |
A ガスター、ガスポート、ファモスタジンなど B シメチパール、タガメット、ストマチジンなど |
|---|---|
| 主 成 分 名 |
A「ファモチジン」 B「シメチジン」 |
| 製 品 一 覧 |
A「ファモチジン」を主成分とする製品一覧 B「シメチジン」を主成分とする製品一覧 |
| 効 能 な ど | 胃酸を抑える薬です。「H2ブロッカー」と呼ばれています。フオイパンと一緒に処方されることが多いようです。「H」は「ヒスタミン」という体内物質の頭文字で、「2」は2番目に発見されたヒスタミンということのようです。このヒスタミンという物質が胃壁にある細胞のヒスタミン受容体というものと結合することで胃酸が分泌されますが、H2ブロッカーは、ヒスタミンに代わってヒスタミン受容体に結合することで胃酸の分泌を減らす、というメカニズムになっています。なぜ胃酸を抑えるのかということですが、胃酸の分泌が膵液の分泌を促すということがあるからのようです。この薬は大変効き目のある薬で、この薬の登場のおかげで胃潰瘍の手術が減った、といろんなサイトに書いています。薬局等で市販されるようになったのは比較的最近のことですが、それはこの薬には血液障害を引き起こす可能性がわずかにあったり、また他の薬との飲み合わせに注意しなければならない、ということがあるからのようです。私は「タガメット」を処方されて服用していました。幸いに副作用はありませんでした。ブログでよく聞く薬には「ガスター」が多いように思います。 |
| 備 考 | ここでのABは主成分の異なる薬を分類するために管理人が便宜上使っているものです。 |
| 関連サイト | 慢性膵炎の治療とH2ブロッカー |
胃酸を抑え膵臓への負荷を減らす
| 名前(商品名) | タケプロン、オメプラールなど |
|---|---|
| 主 成 分 名 |
タケプロン→ランソプラゾール オメプラール→オメプラゾール |
| 製 品 一 覧 | 主成分がランソプラゾールである製品一覧 主成分がオメプラゾールである 製品一覧 |
| 効 能 な ど | H2ブロッカーと同様、胃酸を抑える薬です。「プロトンポンプ阻害薬」というそうです。H2ブロッカーはヒスタミンという物質がヒスタミン受容体という細胞に結合することを妨げるものでしたが、プロトンポンプ阻害薬は、それとは別の次元で発生を抑制するもののようです。どうやらプロトンという物質が細胞からポンプで押し出されてそれが胃酸として働くようなのですが、プロトンポンプはそのポンプ機能を阻害してしまうようです。H2ブロッカーより効き目は強いらしく、服用する期間も病気の種類により「〜週間まで」という規定があるようです。 |
| 備 考 | H2ブロッカーとプロトンポンプ阻害薬の違いを紹介しているサイト。 |
主に増悪期に用いる点滴剤
| 名前(商品名) | FOY(エフオーワイ)、フサン、ミラクリッド |
|---|---|
| 主 成 分 名 |
FOY→メシル酸ガベキサート フサン→メシル酸ナファモスタット ミラクリッド→ウリナスタチン |
| 製 品 一 覧 | FOY、フサン、ミラクリッドにもそれぞれジェネリックがあると思われますがそこまで調べていません。 |
| 効 能 な ど | いずれも蛋白分解酵素阻害剤として働きます。主として急性膵炎の患者に点滴によって投与されます。慢性膵炎の増悪期にも使われます。膵炎の治療で定期的にこれらの点滴を受けられる方もおられます。私は慢性膵炎の診断を初めて受けた時、ミラクリッドを点滴してもらって痛みがスーッと消えてとても嬉しかったのを覚えています。ただ、その数年後、やはり増悪期の時に病院に駆け込んでミラクリッドの点滴をしてもらいましたが2回目はさほど効き目を感じませんでした。 それぞれの薬は主成分が違うので、効能も微妙にちがうようです(3者の比較ができるサイト。)ミラクリッドは「新鮮な健康人の尿から抽出・精製した糖たん白質」から出来ているのですね。自分で作れないものでしょうか。健康でないからダメですね。 |
| 備 考 | FOYの皮膚障害の副作用についてのサイト。 フサンについて 医療従事者向け解説サイト。 |
膵液の流れをよくする
| 名前(商品名) | ビソルボン、コフメジンなど |
|---|---|
| 主 成 分 名 | ブロムヘキシン塩酸塩 |
| 製 品 一 覧 | 「ここカラダ」では10製品が紹介されています。 |
| 効 能 な ど | 本来は去痰剤で、痰の流れをよくする薬で気管支炎などで処方されます。成分名は「塩酸ブロムヘキシン」ともいうそうで、よく市販の風邪薬にも入っています。この痰の流れをよくするという性質が、膵液の流れを良くするということにも効くそうで、特にアルコール性膵炎の人の症状緩和に効果があるようです。私は大変お世話になりました。直近の増悪期(2006年春頃)はこの薬のおかげでなんとか乗り切れたという気がしています。ブログなどで機会があれば紹介しているのですが、あまりアルコール性の方がいらっしゃらないせいか、残念ながら私以外には効果があったという話を聞いたことがありません。ただ、臨床的にアルコール性膵炎への効果が実証されているようです。(関連記事) |
| 備 考 | この薬は本来膵炎用の薬ではないので、膵炎という病名では保険の適用ができないと思われます。私の主治医は「カオルさん、私は厳密には法を犯してこれを処方しているんですよ」と説明してくれました。私は気管支炎も患っていたのだと思います。(「そんな恩着せがましいことを言わなくても・・・」とは思いましたが。) |
酵素の代わりをする
| 名前(商品名) | ベリチーム、タフマックE、ポリトーゼなど |
|---|---|
| 主 成 分 名 | 消化酵素 |
| 製 品 一 覧 | 「ここカラダ」では31製品が紹介されています。 |
| 効 能 な ど | 「総合消化酵素剤」、「消化酵素複合剤」などと呼ばれています。膵臓から分泌される消化酵素(アミラーゼ、リパーゼ、トリプシンなど)をこうした薬によって補うことで膵臓の負担を軽減するという狙いで使われるようです。また、慢性膵炎が進行してしまい、膵臓から分泌される消化酵素の量自体が減少すると、こうした複合消化酵素の大量投与を行うことが標準的な治療法とされています。 |
| 備 考 |
痛み止め
| 名前(商品名) | コスパノン 、ブスコパンなど |
|---|---|
| 主 成 分 名 |
コスパノン → フロプロピオン ブスコパン → ブチルスコボラミン臭化物 |
| 製 品 一 覧 |
主成分がフロプロピオンである製品一覧。 主成分がブチルスコボラミン臭化物である 製品一覧。 |
| 効 能 な ど | 鎮痙剤(ちんけいざい)と呼ばれる痛み止めです。内蔵の痛みがおこる代表的なメカニズムには、(ちょっと実感しにくいのですが)内臓の筋肉がひどく「痙攣」して起こるものがあるそうです。内蔵の筋肉の働きを制御する神経が交感神経と副交感神経であり、交感神経が働きを「抑える」仕事をし、副交感神経が「促進する」働きがあるようですが、鎮痙剤のうちブスコパンは、副交感神経の働きを鈍化させ、内臓の痙攣を抑えるということのようです。こうした副交感神経を抑制する薬を一般に抗コリン剤と呼ぶそうです。一方、コスパノンの方ですが、こちらは交感神経に作用して、内臓の痙攣を改善するそうで、特に十二指腸乳頭部にあるオッジ括約筋を弛緩させ、膵液の流れをよくするそうです。副作用ですが、ブスコパンの方は副交感神経の抑制に伴って、光がやたらと眩しくなったり、動悸がしたり、喉が渇いたり、ということがあるそうです。また、高度な慢性前立腺炎の場合に排尿障害が促進されるそうです。コスパノンについては、ブスコパンよりも副作用の度合いが少なく、胸焼け、膨満感、他にはこの成分へのアレルギーが出る場合があるとのことです。私が増悪期に主治医に痛みを訴えたところ、主治医は最初ブスコパンを処方しようとしましたが、慢性前立腺炎の持病があることがわかると、コスパノンを処方してくれました。効き目ですが、残念ながら私にはあまり効果がなかったように思います。 |
| 備 考 |
痛み止め(その2)
| 名前(商品名) | ロキソニン 、ボルタレンなど |
|---|---|
| 主 成 分 名 |
ロキソニン → ロキソプロフェンナトリウム ボルタレン → ジクロフェナクナトリウム |
| 製 品 一 覧 |
主成分がロキソプロフェンナトリウムである 製品一覧。 主成分がジクロフェナクナトリウムである 製品一覧。 |
| 効 能 な ど | 鎮痛解熱剤で「痛み止め」です。膵炎そのものの治療ということではありません。ロキソニンの方が副作用が弱いようです。神経痛などの慢性病の方で、中には何年も常用される場合もあるとか。ボルタレンはロキソニンより強力なのではないでしょうか。痛み止めのブランドとしてはかなりポピュラーです。テープ状であったり軟膏であったり、かなり広範囲で用いられる痛み止めです。私は痛みがひどい時に、とにかく痛みを取ることのできる薬ということで、お願いしたところロキソニンを処方してもらったことがあります。しかし、残念ながらあまり効いたという感じはありませんでした。 |
| 備 考 |