膵臓のしくみと酵素(その1)
「膵臓」とは一体どのような臓器なのでしょうか。ここでは膵臓のしくみや働きについてまとめています。
膵臓の位置と形
  膵臓は胃の裏にあります。背骨と胃の間です。そのわかりにくい位置のため、日本では江戸時代半ばまでその存在すら知られていませんでした。「五臓六腑」という表現に膵臓が含まれていないという事実は、よく本やサイトで引用されています。この位置のわかりにくさは、同時に治療の難しさにもつながっているようで、ドラマなどで野心的な外科医が膵臓癌の手術を自らの技術の優秀さを示すためにすすんで行うといった設定がなされたりします。
  膵臓の形ですが、よく「洋なし」にたとえられています。横向きに位置しており、片方(膵臓の所有者から見て右側)がふくらんでいて、反対側がしぼんでいるという形状です。ふくらんでいる部分を膵頭部、しぼんでいる方を膵尾部、中央部分を膵体部と呼ぶようです。膵頭部は十二指腸に接しており、十二指腸内に消化酵素を送っています。
膵臓の位置や形を示すイラストはネットに多数ありますが、以下のものが鮮明でリアルであり、わかりやすいと思います。
@ 膵臓全体(膵島部、膵尾部など)・・・国立癌センターのサイトから
A ファーター乳頭、膵管、総胆管・・・情報処理推進機構 教育用画像素材集から
膵臓が持つ2つの働き 〜外分泌機能と内分泌機能〜
 膵臓には2つの働きがあります。
一つは消化酵素を作り出し、十二指腸に供給することで食べ物の消化を促進する働きです。これを外分泌機能といいます。もう一つは血液中に糖分濃度をコントロールするホルモンを放出する機能です。これを内分泌機能といいます。膵臓の中で何かを分泌している細胞のうち95%は外分泌機能に関わっており、残りの5%だけが内分泌機能を担っています。
外分泌機能
 膵臓の外分泌機能は消化を促進する機能ですが、同じく消化を行う臓器である胃や腸と大きく違うのは、膵臓の内部には食物が通ることがないということです。食べ物は膵臓の横にある十二指腸を通過します。膵臓はいわば側面から消化を促進するのです。食べ物が口から入って食道を通り、胃の中で消化され、次に十二指腸に入りますが、膵臓はそこで食べ物を待ちかまえていて、側面から「消化酵素、発射!」ということで消化を助けるのです。(実際にはもっと複雑な過程ですが。)
膵臓が分泌する酵素の種類は25もあるそうです。ちなみに「外」分泌という名称は、膵臓が酵素をはき出す十二指腸が、結局は口と肛門によって人体の「外」につながっているということから来ているそうです。
消化酵素
 膵臓が分泌する消化酵素の量については、書物やサイトによってばらつきがありますが、1回の食事で500mlから800mlという説明があったり、一日の総量としておよそ0.7リットルから2リットルくらいという解説もあります。おそらく食事の量に比例するのでばらつくのだろうと思われます。最大で1日2リットルだそうですが2リットルというと2リットル入りペットボトル1本分なので(当たり前ですが)、かなりの量だという感じがします。
消化酵素の種類ですが、膵臓が分泌するものは25種類もあるそうですが、代表的なものとしては以下の3つが挙げられます。
@ アミラーゼ・・・炭水化物を分解
A トリプシン・・・タンパク質を分解
B リパーゼ・・・・脂肪を分解
 「炭水化物(糖質)」「タンパク質」「脂肪(脂質)」と言えば、「三大栄養素」と呼ばれているものです。膵臓が分泌する酵素は、体を維持するための最も基本的な栄養素の摂取に関わっているわけで、こういう点からも膵臓の果たす役割の大きさが感じられます。
上記3つの他に膵臓の調子を調べるための指標として用いられるは、
C エラスターゼ
という酵素で、これは繊維質を分解するそうです。