長良川のへら鮒(閘門・愛知県)

                                                     2000年12月9日

去年から3回も竿を振っている「閘門」。
この屈辱というか悔しさは忘れられない。いずれも、アタリなしというかウキの反応がまったくなかった。3回ともボーズ。今回は、20世紀最後のリベンジを目論んだ。

記録によると、その昔、オランダ人設計士に依頼してこの水門を作ったそうだ。ときどき忘れた頃に新聞やTVで特集が組まれる。この水門は要するに、それぞれ違う水位の川(この場合は木曽川と長良川)をつなぐところで、船をいったん堰き止めた場所にに放り込んで両方とも扉を閉めて水位を調整して船の往来をショーットカットさせようと言うものだ。今は、水門の長良川側はヨットハーバーになっていて、小さな船がかなり係留されている。

長良川(閘門)

足場も安定している釣り場です。奥に見えるのが水門で溜まりがあり、その向こうは木曽川。水も綺麗です。


もともと釣場なのかどうかは知らないが、足元はコンクリートの護岸で釣座も安心して確保できて、周辺の紅葉が北風をほんのちょっと妨げてくれるところだ。まるで、どうぞここで釣ってくださいと言わんばかり。しかも護岸のコンクリート脇は芝生まで綺麗に走っている。火気厳禁なんて看板もないところを見ると、管理もわりと大雑把な感じだ。

釣座を構えることろも、ここそこはダメ、なんて立て札もない。その代わりと言ってはなんだが、放流しているのかどうかは、まったくわからない。白鳥が水辺を歩く人間を品定めするように首をこちらに向ける。「へっ。また、へぼが一人増えた。」と聞こえたような気がしたが、空耳だったか。

実はここ一ヶ月、まったく竿を振っていない。
11月4日に突如として襲ってきた強烈な椎間板の損傷(いわゆるギックリ腰)の後遺症はかなりひどい。体よりも精神的に参っている。荷物を持つのさえ恐々とさせるあの痛みは、ほんとにボクのシノプスから消え去るのだろうか。

へら鮒さえ釣れれば、きっと、この恐怖からも開放されるだろう、などと勝手に自己弁護して竿を振ることにした。今回は企画してから当日まで十分時間があったので、下見もしっかりした。
ここでは先週は15人ほどのへら師が、相当な数を釣っていた。ただ、気になっていたことがあった。釣れた人の竿は、すべて長竿だったのだ。最低でも21尺。一番釣れていた人の竿の長さは、なんと27尺。今、ボクのロッド・ケースの中に入っている竿で一番長いやつは18尺。ちょっとした不安が横切っては、確かにいた。

長良川(閘門)

名古屋のGさん。(手前)

相変わらず、慎重にウキをチョイスする飄助さん。(奥)


一年ぶりで名古屋のGさんと再開した。
昨年、筏川でお会いして以来だ。でも、顔を拝見すると、先週も一緒に竿を並べたような気になる。飄助さんとも10月の銀山湖以来だが、昨日も一緒だったような気がする。いずれも人柄がそうさせるのだが、加えて電子mailのおかげでもある、と思う。釣行の日が近づいて、待ち合わせ場所や時間をやりとりするのだが、その方法は電話ではなくて電子mailだ。電話のほうが臨場感?があるはずなのに、mailのほうがなんとなく顔が見えるような気がする。なんとも不思議な感じだ。

今回は、3人並んで竿を出した。
先に竿を出している人を眺めていると、型はともかく、結構、釣れている。状況は先週とあまり変化がないように思えた。今日はボクにも釣れそうな予感があったのだが。

冷たい風と引きかえに、空は澄み切っている。夜明けとともに、青い空がボク達を覆ってくれた。いつの頃か、「どしゃぶり男」などと言われつづけているが、今日ばかりは汚名返上。日中は、小春日和を感じさせる。なんとも、釣り日和なのだ。これで釣れれば、言うことはない。

さて、18尺を引っ張り出して、ともかくエサ打ちをした。何はともかく生物反応を確認したくて、バラケにグルテンという最近、中部でも流行っているセット釣にした。案の定、3発もエサ打ちをするとウキに変化がでた。一ヶ月も竿を振っていないが、アタリには反応できる。パブロフの犬ってやつ。
で、まず最初に釣れたのはニゴイ。ま、これはヨシとする。目的の魚は釣りたいが、いきなり釣れたら、拍子抜けしてしまう。まったく勝手な話しである。

ここで両グルテンにした。そろそろボクにもヘラさんが来てくれるはず。だったが・・・。

ウキは、動きっぱなしになった。いや正確に言うと、止まらなくなった。当然、手も止まらない。
釣れてくるのは、モロコよりも太っていて、背ヒレに黒い斑点がある、見たことがない淡水魚だ。最初は笑いを誘うヒョウキンなやつだったかが、これが延々と釣れ続ける。シャレにならなくなった。
10連発で釣れる。エサを替え、ウキを替え、ハリも替えた。が、まったく状況は変わらない。もちろん、ボクだけではなくて、Gさんも飄助さんも同様だ。

試しにどのくらい釣れるものなのか、足元に玉網を置いて、その中に放り込んでみた。玉網には、ニゴイをはじめ正体不明の魚影がどんどん増えて行く。とうとう、玉網はそんな魚でいっぱいになってしまった。捨てるわけにもいかず、仕方がないので全部リリースして、また、空っぽんになった玉網に放り込む。ところが、また、いっぱいになった。これがヘラ鮒だったらなぁ・・・。

マブナもいるでよ。(^^ゞ

まあ、よく釣れました。


いいかげん、飽きてきて周辺を見渡すと、そんなジャミの猛攻の中でも、釣れる人はやはり釣れている。釣れている人とボクの決定的な違いは竿の長さだ。釣れている人は短くて24尺。よくよく釣れている人は、27尺のようだ。やはり竿の長さが問題なのか。でも、ボクは今、18尺しかない。

今日のランチは、飄助さんの特製パスタ。ボクがまだ、腰痛から開放されていないので、気を使ってくれたのだ。これが、バカウマ。あっという間にテンコ盛りの鍋が二つもからっぽになった。もともとアウトドア派の飄助さん。料理も得意なのだ。

飄助さんの特製パスタで舌鼓 バカウマ!!
作った本人(飄助さん)も絶賛
Gさん(左)も満足そう。
できた!! 手馴れてますね。
普段の鍛錬の賜物?(^^ゞ


さてさて、すっかり腹ごしらえして、気分も新たに気を取り直してエサ打ちを再開した。小一時間も釣り座から離れていたのに、一投目から釣れた。ニゴイが・・・。

Gさんは、18尺から16尺に替えて頑張ったが、結局、ギブを宣言した。はっきり言って、正解である。ちょっと考えれば分かる。Gさんの並びの人は、一時、イレパク状態になっていた。聞くと、24尺でドボンの釣り。つまり、魚はかなり沖合いにいるということだ。18尺以下の竿では届かないところにいるのだろう。

飄助さんは、21尺を朝から振っていた。案の定、都合二枚のへら鮒をゲットした。流石である。
しかし、彼にとってサイズがイマイチだったのだろう、いつものギラギラした感じはなくて、珍しく妙にさめていた。

飄助さんとへら鮒 ちょっと小ぶりですが、りっぱなヘラ鮒(下)です。

も一つ(上)は、なんでしょ?
チャンベ 飄助さんが釣り上げた、もう一匹のへら鮒(28cm)。

周りの小魚は、なんという種類なんだろうか?


とうわけでボクは、またまたボーズ。お情けで竿を仕舞う間際に真鮒が釣れたが、もはやこれまで。
このままボクの20世紀の釣りは終ってしまうのだろうか。