天気晴朗なれど(深浜・岐阜県)

                                                2001年4月22日


3月の善太川のリンベンジは、まだできていない。

缶コーヒーのCFで流れている懐かしい歌謡曲がヒットしているようだ。飛行事故で短命を遂げた坂本九が歌っていた。この曲がTVやラジオから流れていたあのころは、このクサさに閉口したものだ。今、聞きなおしてみると、やはり、クサい。が、このクサさは、きっと「今」を象徴しているのだろう。ほんのちょっとでいいから「明日」を期待したい、ということかも知れない。

子供のころ、躾の厳しい母親から、あらゆる「ほにゃらら道」を押し付けられた。その中で「剣道」と「書道」は、まあ、性に合ったのかもしれない。あっ!という間に有段者になって注目されたこともあった。もっとも、熱しやすくて冷めやすいDNAまでは変えることはできるわけもなく、今となってはタダの人である。ま、それでも「書」はきらいだったわけではなくて、70年代にはそこそこのところに出展していた。その中で、わりと気にいっていた言葉があった。「模索」と「展望」というクサい熟語だ。
要するに、あのころは、「展望」なんてもんは、これッぽちもなくて、「模索」するのが精一杯だったのだろう。だから、とても「明日がある」なん言葉は口から出なかった。

サンデーへぼ師(最近は月イチへぼ師だけど)には、なんとか捻り出した釣行日にボーズはつらい。折角の休日を、ただエサを打つだけに終始するというのは、ほとんど後悔だけしか残らない。健康で竿を出せるだけでもヨシとしなければならないことは、百も承知しているけど、やはり竿を曲げたいというのは、へぼ師では仕方がないところなのだ。そんなへぼ師の休日は、「今日」がすべててあり、「今」しかない。手仕舞いをするときに、「明日がある」なんて口ずさむことができればいいのだけれど、くたくたになった体に鞭打って家路をトボトボと帰るその姿はとても「明日」があるとは思えない。ま、強いて言えば、「俺達に明日はない。」のだ。

さて、50上のへらさんを捕獲しようとすると、ちょいと話しが違う。ちょこちょこと日曜日に行って釣れるわけもないことは、いっくらボクでも知っている。
先週の日曜日に、I_NETで知り合ったIさんが「つつじ池」で竿を曲げているところをオカジャミしたあとに、近所の野池を偵察してみた。おととし、釣り友5人と一ヶ月も攻めて全員が玉砕した池だ。サンデーへぼ師には、難攻不落といって言い。ただ、一ヶ月も丸々ボーズでも、「明日は・・・」、と思わせるところではある。今回は、まだハタキは始まっていなようだったが、51.5cmが釣れていた。隣の池でも2枚でているという。もう、居ても立ってもいられない。竿を出している人達に話しを聞きまくった。みんな異口同音に言う。「一雨くれば・・・。」

深浜南大池 なんの変哲もナイ、だったぴろい池ですが、毎年、5月になると50上が釣れています。左の建物は、お牛さんのお家です。(^。^)


というわけで、凝りもせず22日に突撃した。
AM6に現場に着くと、案の定、ここぞというポイントには竿がだされていた。が、この池はどこで釣れるかわからない。先客に聞くと、先週とは違うポイントで昨日釣れているという。
冷たい北風が釣り人を拒むように吹いているが、防寒着を着こんで昨夜仕掛けを新調した21尺をロッドケースから抜き出す。取り敢えず、セットの底釣り。

エサ打ちを2時間しても3時間しても、アタリどころかサワリさえない。冷たい強風が体温をどんどん奪っていく。もう止むだろう、と釣りはじめから祈るような気持ちでいたが、そんなノー天気なボクをあざ笑うように風はどんどん強くなる。しかし、エサ打ちを止めるわけにはいかない。ボクには「明日」はないのだ。

有力ポイント?? 去年、60cmの鯉を釣り上げた場所。
竿受が右にひん曲がってます。(ーー;)


先客が、ひとり、またひとりと帰っていく。「頑張ってナ」。通りすがりに、見知らぬ男達がボクの背中に声をかける。「玉砕」の二文字を熟知しているへら師の、精一杯のエールだ。
北風は止むことがない。どんどん強くなっていく。21尺を振るには、両手で竿を抱えるようにして回し振りをするしか方法がない。エサは、タッチもへったくれもない。ともかくハリについていなければ話にならない。凍える手でグルテンを丸めながら、次はアタリがあるはずだ、と根拠もない願望を託して竿を振った。そして、

場所を替えたけど・・・。
このワンドでハタキが始まります。もう、すぐです。(たぶん(^_^;))


ボクの「今日」は終った。

おしまい。

《釣行データ》

【釣行日】2001/04/25
【時間】6:00-12:30
【都道府県】岐阜県海津町
[釣り場名]「深浜南大池」
[ポイント]去年、60cmの鯉を釣ったところ。
[天気]晴れ
[使用竿]21尺
[道糸]2号
[ハリス]1号(28+35)
[ウキ]湖春1号
[上針と餌]改良やらず8号(夏+ヒット)
[下針と餌]上針と同じ(新べらグルテン底+α21)
[水深]2本
[タナ  ]底(のちドボン)
[釣果]なし。