罪深き者たち(蟹江川・愛知県)

2001年2月11日


名古屋のGさんと、寒鮒狙いで「蟹江川」に行ってきました。
目指すポイントは、東名阪道路の高架のすぐ下流で、比較的水温も高くて真冬でも実績があるところ、のはずでした。

約束の待ち合わせ時間に、Gさんから携帯電話に連絡が入った。いつも落ち着いてお話をするGさんには珍しく、ちょっと声のトーンが高かった。はて、まだ外は真っ暗だというのに、もう竿を絞ってるのかと思ったけど、どうも違うらしい。

「あ、あのね、もう、竿がいっぱい並んでるよ!!車もいっぱい。すんごい人だよ!!」
はぁ?だって、まだ夜明け前ですよ。外はまだ、真っ暗。あんな狭いとこで、そんなにいっぱい人がいるわけないじゃん・・。などと思うもなく「天王橋」に着くと、な、なんじゃこりゃ。蟹江川って、いつから管理池になったの!!と思うぐらいの人、人、人、竿、竿、竿。(@_@)

真冬の蟹江川

護岸は、人、人、人。竿、竿、竿。
一体、何時に来たの。


しかも、こんなに寒いのに盛んにもじりがある。いかにも釣れそうな雰囲気がある。

ボクがいっくらずうずうしくても、規則正しく並んでいるこの竿の間にはもぐりこむことはできない。この場所は諦めて、この橋のちょっと上流で護岸がしっかりしているところに二人仲良く竿を出した。
ここは、数年前に飄助さんやなごやん奥山さん達と、やはり2月に竿を出したところで、一応、尺クラスが釣れたところだ。ただし、アタリ出しに時間がかかる。どういうわけか、この川では下流から釣れはじめる。そして徐々に上流に向かって釣れ始める。理由は、ボクにはまったくわからない。わからないけど、ともかく辛抱強くエサ打ちをしていればご褒美があるのだ。ツ抜けをするのは難しいだけれど、一日エサを打っていれば、真っ白なアノ魚体を拝むことができるはずだ。

と、準備が終って第一投のエサ打ちをはじめたころ、下流の橋のところでは早速、竿が弧を描いている。ここからだと魚種は判断できないが、その曲がり具合からすると、結構なカタのようだ。たとえマブナでもあの手応えならば楽しめそうだ。それにしても何本かの竿が曲がっている。なんか、今日はすんごく期待してしまう。早くこっちにも挨拶に来てくれないかなぁ、などと軽口まで出てしまう。

が、いっくらエサ打ちしても、アタリどころかサワリもない。それどころか、ジャミ(ここはブルーギルがたくさんいる)さえも釣れない。1時間が経過して2時間を過ぎても、ウキはただの棒のように、風もない水面にただよっているだけである。

痺れを切らしたのか、Gさんは偵察に出かけた。ともかく、下流では竿が曲がっている。もじりもある。そのもじりからボク達のところまで、ほんの2、30m。いつ、こちらに寄ってきてもおかしくない。でも、アタリがない。

恨めしそうなGさん

あっちは、竿を絞ってるなぁ・・・。


ボク達の向かい側にも二人が竿を出した。黙々とエサ打ちをしているのだけれど、やはりウキが動かない。「あっちは、凄いねぇ。ウキが動くもん。」と、偵察から帰ってきて、ちょっと悔しそうなGさん。
お日様がボク達をポカポカと暖めてくれる。今日は風もなくてウキも見やすい。気温も上がってきて、首に巻きつけたマフラーが鬱陶しくなってきた。が、ウキは動かない。

と、何気なく振り向いてみると、鳩が傍にやってきた。どうやらボク達が機嫌が悪いことが分からないようだ。盛んに近寄ったり離れたりしている。なにかをねだっているような仕草に見えないこともない。試しに、丸めたグルテンを投げたら、美味しそうに?食べ始めた。はぁ?こんなもんまで食べるの?でもね、いっくら釣れないっていっても、そうそう奢れないの。可愛そうだけど。

「足」がないハトさん。

グルテンを頬張るハトさん。

可哀想といえば、このハトは(人間で言えば)足首から下が、ない。歩くというよりは、ジャンプしながら護岸をウロついている。きっと枝などには掴まれないので、こういう護岸でうろついてエサを探すしか方法がないのだろう。これは、おそらく釣り人の責任だ。科学の進歩っていうやつで、道糸もハリスも細くて頑丈になった。大量生産というシステムで価格的にも廉価なものが多くなった。

25mで300円ぐらいの道糸は、たしかにボクらのようなビンボー釣り人にはありがたいのだけれど、これをゴミとして無神経に放置すると、想像もしない結末になる。このハトは、その無神経な釣り人が起こした紛れもない事実である。道糸が、ハリスが足首に絡んでこれが原因で絡んだ部位から壊疽をおこし、足首がとれてしまった。検証もしていなし、異論もあるだろうが、その蓋然性は高い、と断言する。この川で言えば、へら師のものである。

ボクは、ベジタリアンではない。ウシもブタもニワトリも、シカもイノシシもクジラも、ワニもヘビもカエルも食べたことがある。ハトもカモも食べる。アンコウもタラもスズキもワカサギも、食べる。食べるためには、殺生もする。これを「業」などと言って、屁理屈を並べることもない。一方、ボクのへら鮒釣りも、キャッチアンドリリースとか横文字を並べてみても、所詮は「遊び」で他の生き物を傷つけていることには間違いない。釣り人の仕掛けで傷ついたハトに同情することと、「遊びの釣り」とを、どう総括するのか・・・。

でも、と思う。
何事も、「それはないよ!!」ってのが、やはりあると思う。足のないハトの姿はそんな理不尽を象徴している。違法放流だとか、生活廃水だとか言うけれど、釣り人の無神経さも、これらと並べて後悔しなければならない。

さて、肝心な?釣りの方はというと、これが結局、ボーズ。これ以上はない、完璧なボーズ。(-_-;)
ともかく、7時間以上もエサ打ちして、ただの一回もアタリがなかった。応援に来てくれたなごやん奥山さんに、せめてジャミのアタリでも見てもらおうと思ったけど・・・。

おしまい。

《釣行データ》

【釣行日 】2001/2/11
【時間  】7:00-15:00
【都道府県】愛知県
【対象魚 】へら鮒
[釣り場名]蟹江川
[ポイント]東名阪高架下流
[天気  ]晴れ
[使用竿 ]18尺
[道 糸 ]0.8号
[ハリス ]0.5号
[ウキ  ]ひろし2号
[上針と餌]関スレ5号(新べらグルテン+アルファ21)
[下針と餌]同
[水深  ]1本強
[タナ  ]底釣り
[釣果 ]なし。
[備考 ]アタリなし・・・。