梅雨の谷間で(松野湖・岐阜県)

2001年7月7日

今年は、雨が少ない。で、すんごく暑い。水不足とは無縁なここ三重県北部でも、雨が少ないせいか近所の野池は、ほとんど釣りにならない。雑魚の猛攻は想像を絶するもので、去年は40上が数枚あがった池も、モロコやらブルーギルの襲撃に幾度か撤収を余儀なくされた。
6月にはナイターでいい釣りができたが、そうそうナイターばかりできるほど我が家は安泰ではない。せいぜい、夜明け前の出発が限度なのだ。

そんな身を同情してしてもらって、名古屋のGさんから「松野湖なんてどぉ?」というお誘いを受けた。
転居して間もない夏、一人の釣行で強烈なボーズを食らった場所だ。正直なところ、ちょっと不安はあった。で、I_NETで調べたら、今年は5月頃から数釣りで人気があるという。いっとき、上流から怪しげな濁流が流れ込んで、以来、さっぱりだという時期があったと聞いていたが。

Gさんによると、「まあ、今はボーズはないと思うけど、問題はエサですな。ともかくジャミが多くて、その対策が・・・。」とのことだった。これまた、検索エンジンで調べみたら、ずばり松野湖の釣行記があった。で、エサは「トロロとマッシュ」とあった。・・・はあ?
管理釣り場でへら鮒釣りを覚えたサンデーへぼ師には、「マッシュ」の使い方は、まったくわからない。ダム湖では何度か、「マッシュ」+「フラッシュ」というビギナー・モードのエサを打ったことはあるが、他のブレンドはまったく自身がない。まいった。

現地にはAM5に到着できた。自宅から1時間強で避暑地のような山の中に到着できる。関東では考えられないローケーションである。ものぐさなボクがへら鮒釣りを覚えたおかげで、こんな贅沢を満喫できる。少々の早起きはなんでもない。

管理事務所で入漁券を購入するときに、漁協のオジサンに例のごとく根掘り葉掘り聞いた。有力ポイントはすでに釣り台がセットされているという。でも、人気(ひとけ)のないところのほうがいい型が出ることもある。なんて、そそるような甘い言葉でチケットを渡してくれた。看板には、可児漁協がこの湖に放流しているという魚種がでっかく書いてある。「へらふな、コイ、アユ、シラハエ、他」と。
はて、最後の「他」というのは、なんじゃろかいな?

朝もやの松野湖 朝一番の松野湖。
清清しい朝になった。これで「土砂降り男」も返上できそうだ。(^_^;)


取り敢えずは湖畔を半周ほどブラブラしてみた。なるほど、大きな岩があるソレらしい、いかにも!という出っ張りにはすでに釣人がいる。Gさんの話では、「石橋の側がいいと思う。」ということだった。ははあ、これだな。と思った小さなワンドに入り込んで、早速、タチを計ってみた。情報では釣れるサイズは30cm前後だという。で、道糸1号、ハリス5号、グラン針6号という、最近では珍しい細い仕掛けにした。竿は15尺。

根ガカリがひどく、やっとのことでバランスがとれたときは、時計の針はもう7時をさしていた。30分もハリス切れと格闘していたことになる。少々の不安と期待を胸に、第一投。エサは、取り敢えずは「夏」と「マッハ」にした。タチは2本ちょっと。と、いきなりサワリがある。ああ、これがGさんの言っていたジャミ攻撃か。と思うもまもなく、2投目で本命の8寸ほどのへらさんが釣れてしまった。正直なところ、これにはちょっと驚いた。しかしこれは、今日のほんのプロローグに過ぎなかった。

「ここでもいいなぁ。」
Gさんと合流できた。が、ボクが竿を振っているところはGさんのお勧めポイントとは、ぜんぜん違っていたらしい。間抜けな話である。しかし怪我の功名というか、知らぬが仏というか、ともかくボクはエサ打ちから30分で、すでに5枚のへらさんと3匹のマブナをゲットしていて、おまけにオヒゲさんとも遊んでいた。もっとも、釣れたのはすべて手のひらサイズで、一言で言えば「10年早い!!」と文句の一言でも言いたくなるようなへらさんばかりだった(って、本心はボーズじゃなくてよかった!!と思っていたのは言うまでもない)。

さて、Gさんお勧めのポイントに場所替えした。
ロケーションは、先ほどのちいさなワンドよりもずっと広々としていて、これぞダム湖!という雰囲気だ。しかも、駐車場所からほんの数歩で釣台がおける。これで釣れれば最高だ。

石橋
漁協のおじさんのお勧めポイント。
ボクのような重量でも大丈夫です。(^_^;)

竿は18尺。タチは3本弱。で、1投目から釣れた。

天気は、週間天気予報はみごとに外れ、典型的な梅雨の谷間になった。
水もきれいで、ゴミもない。足場も裸足で歩けるほどの安定したところだ。竿も仕掛けも、さっきまで使っていたものをそのままで恐る恐るエサ打ちをはじめた。今日はボーズも免れたし、かなりいいかげんになっていた。と、またもや2投目から釣れた。なんか、気が抜けてしまった。最近までのアタリなしの釣りとは、まったく違った釣りになった。その後もほとんどアタリっきりである。底の状態は、足元の砂地がそのままどこまでも続いているようで、バランスでタチを合わせれば、ともかくいろんなモノが釣れてくる。手始めは、ニゴイ。続いてオヒゲさん。いずれも小ぶりで、水面に魚体が出ると手元に飛んでくる。で、へらさんもこれに負けず劣らず小ぶりである。いわゆる手のひら、足の裏サイズである。これが釣れ続ける。Gさんも盛んに竿を絞っている。

1時間もすると、いい加減に飽きてきた。今朝管理事務所で会った漁協のおじさんも我がことようにボクが釣れると嬉しそうにはしゃいでくれる。「うひょ〜、イレパクだねぇ。」
実際、3連荘、5連荘と釣れ続ける。まあ、人間(この場合は、釣人ですね)というのはやっかいな生き物で、釣れないときは盛んにボヤキまくるわけなのだが、いざこんなにチャンベばかり釣れると、「ちぇ!!数はもういいからさぁ、尺上が釣れないかのなぁ。」などと罰当たりなことを言いはじめる。

イレパクのGさん

盛んに水飛沫をたてるGさん。

「尺上が釣れないかなぁ。」などと贅沢な言葉が出る始末。ともかく、いっぱい釣りました。
釣れつづけるGさん 玉網は最後まで使いませんでした。(^_^;)
まるで管理池のように釣れ続きます。

いいかげんチャンベばかり釣れ続けるので、ちょっと気になっていた場所に移動した。とは言っても、目の前にある大きな岩の上だ。釣台もしっかり固定できて、足場はまったくいい。
「ねぇねぇ。アソコってどん深みたいで、最高ぢゃない?」「いつもは水が被っていて座れるようなとこぢゃないしさ。」と、Gさんの言葉にも背中を押されて、エサ打ちしてみた。タチは18尺で3本弱。雰囲気はかなりいい。

チャンベをジャミと想定して(なんて贅沢な!)、道糸2号。ハリス08(40cm+50cm)。ハリをがまへら8号にした。両ダンゴ(スイミー+マッハ)。ウキもいわゆるデブトップでチャンベを上ずらして、おそらくその下にいるであろう尺上を狙う(つもりだった)。

で、2投目で釣れた。ニゴイが。3投目はおヒゲさん(コイ)で4投目がマブナ。お約束の5投目にはへらさん。いずれも、どー見ても30cmに満たない。つまり、さっきの15尺と同じ。

しかも、これが釣れ続ける。ウキが踊り狂うのを放置してエサ落ちまで待ってみてカラバリの状態でで竿を上げると、途中でスレになってへらさんがハリにかかっている。つまり、いやっ!!ってほどいる。挙句に、ちょっと目を離すと勝手に食っていて竿を引っ張り込もうとまでする。
同じへら鮒釣りでも、こうも違う。あのアタリなしボーズの釣行は、一体なんだったんだろうか。

もちろん、Gさんんの竿も曲がりっぱなしである。一体どれだけ釣れただろうか。有に50枚は引っ張った頃には、さすがに飽きてきた。「尺上!!じぇったい釣ってやるぅ〜。」と珍しく力も入っていたGさんだけれど、わけのわからないジャミ(ドロハヤか?)を釣り上げたころから口数が少なくなった。

松野湖のへら鮒 これが当日釣れたレギャラーサイズ。
せっかくの別嬪さんなのに・・・。

ふっ、と足元を見ると夥しい数の小魚がいる。こぼれたダンゴをみんなで仲良く啄ばんでいる。
なんとも長閑な雰囲気になってきた。春からばくち打ちみたいな釣りに没頭していたけれど、こんなのんびりとした釣りもいいもんだなぁと思う。

空はすっかり夏の雲を抱き、空気も清清しい。
結局、尺らしきへらさんは1枚しか釣れなかったけれど、これだけジャミさんが多いということは、へらさんにとっても環境はいいはずで、これから何年かすれば、今日釣れたチャンベたちがグラマーな熟女となってボク達を向かえてくれることだろう。

おしまい。

《釣行データ》

【釣行日】2001/07/07
【時間】6:30-13:00
【都道府県】岐阜県瑞浪市
[釣り場名]松野湖
[ポイント]石橋
[天気]晴れ
[使用竿]15尺(のち18尺)
[道糸]1号
[ハリス]0.5号(30+40)
[ウキ]ヒロシ4号
[上針と餌]グラン6号(夏+マッハ、スイミー+マッハ)
[下針と餌]上針と同じ(同)
[水深]3本ぐらい?
[タナ  ]底(のち、深宙)
[釣果]尺ぐらい1枚。20cm前後の小べら(たくさんといっぱい)、鯉、ニゴイ、マブナ、シラハエ。