悪魔のささやき(N池・三重県)
2001年12月15日
21世紀元年も、もう12月になった。思えば1月から(内容はともかく)毎月の更新がなんとかできた。まあ、よくここまで出来たものである。我ながら感心してしまう。というのも、「自己紹介」にもあるように、ボクは恐ろしく怠け者である。人間の脳みその中ではいろいろなタンパク質の集団が日々葛藤を続けているというが、ボクの頭の中は、間違いなく人様より数倍のぐーたらなプリオンが占拠しているに違いない。(-_-;)
それでも何とかここまで更新できたのは、一緒に竿を並べてくれた釣友のおかげである。特に今年は、I_NETを介してお知り合いになった方々との釣行がこの拙いWEBを支えたと言っても過言ではない。まさに、ITの恩恵である。
いつもは、12月にもなると何やかやと雑事があって釣行そのものがままならない。しかも寒いし。
木枯らしが吹きはじめて、初雪が降りはじめた12月初旬。今年、何の因果かこのWEBに辿り着いてしまったmagosukeさんから、度々、掲示板でお誘いがあったのだけれど、寒くなってますます重い腰が上がらなかった。そんな怠け者に、とどめの画像が届いた。magosukeさんが両手で持っているのは、紛れもないへら鮒で、しかも50cmを超えている。
正直言って、これには愕然とした。というのはボクの拙い釣りの知識では、40cmをオーバーするような大型のへらさんと遭遇できるのはダム湖のナイターでもない限り、春か入梅時季しかないと思っていたからだ。コメントによると、画像のへらさんをゲットしたのは昨年の12月とのこと。しかも、三重県の野池。ボクは別にオオスケばかりを狙っている例のゴドウさん達とは違って(^_^;)、ともかく竿を振れればいいという、かなり軟弱なへら師ではあるけれど、自宅から1時間ほどにあるという野池で、しかもこの季節に(確率はともかく)40cm上のへらさんとデートできる(かも知れない)野池があるなんて、想像もしていなかった。しかも真昼間に。
詳細なMAPを送ってもらったのに、案の定というか当然というか、しっかり道に迷ってしまったが、なんとかmagosukeさんと合流できた。初めてお会いしたのに、なんか先週あたりに会った感じがした。もちろん、気のせいなのだけれど、NETで何回かコメントを交換していると初対面とは思えない。ああこれがきっと「出会い系」サイトの魅力なのかなぁ、なんておかしなことが頭に浮かんだ。(^_^;)
さて、合流場所からほんのちょっと横道に逸れたところに車を停めると、突然と目指すN池が姿を現した。池は、最近出来たばかりの生活感のない新築住宅が林立している振興住宅地の真っ只中にある。ほんのちょっと前までは山の中にある静かな野池だったというその池は、今は周回道路も完備されていて、休日にはボートでも浮かんでいてもよさそうな大きな池である。
N池。
広くて綺麗な池です。
風が強い。水は想像していたよりもきれいで、足元には藻が茂っている。ともかく、竿を出した。
長い竿では振り込みもままならない。とりあえず15尺を繋いだ。タチは3本ちょっとで、底の状態は悪くない。3発ほどバラケ気味のエサを打つと、早速、ウキに反応がある。まだ水温がそこそこあるのだろうか、10cmにも満たないブルーギルが釣れた。気温はどんどん低くなっているが、ウキに生物反応がある。と、magosukeさんの竿が弧を描いた。かなりの大物のようだ。顔を出したのは、見事なコイさん。優に60cmはある。驚いてデジカメを抱えてすっ飛んで行くと、2本のハリをしっかり飲み込んでいる。magosukeさんの手首まで入りそうな大きな口がパックリ開いていた。
60上のコイさん。
ま、この池では大きくはありませんね。(magosukeさん談)
なんやてぇ?(@_@)
ボクのほうはというと、1時間ほどブルーギルと戯れていた。それでもコツコツとエサを打っていたら、突然、なじんですぐに2節トップが入った。条件反射のように合わせる。すると、ゴツン!という手応えがあった。あら?なんか釣れたみたい。マブナにしては竿先が震えないし、コイさんにしては意気地のないファイトだ。で、釣れたのは、40cmもあるゲンゴロウさん。合いベラとか半べらとか言っているが、野の釣りでは常連さんである。
40cmのゲンゴウロウブナ。
ま、この池では大きくはありませんね。(magosukeさん談)
なんやてぇ?(@_@)
それでもコイさんといいゲンゴウロウさんといい、フナ系のサカナが釣れたのであるから、期待も膨らむ。15尺という手ごろな長さの竿にもかかわらず、強風に煽られてなかなかポイントにエサを打ち込めない。普段ならば、とっくにキレているところだが、magosukeさんが送ってくれたあの画像が脳裏を走っている。そして、40cmのゲンゴロウ。いつもより、力が入ってしまう。
風が池の水面を切るように走る。ときおり突風に近い状態にもなる。そんな中でウキがちょっと変な動きをした。ズルッ!という感じで1節入った。そっと合わせてみると、銀色に輝くものが風に煽られてヒラヒラと手元に帰ってきた。ん?なんでしょ?このウロコ?やたらでかいけど??
冷静沈着居士のmagosukeさんの声のトーンが変わった。間違いなくへらさんのウロコだと断言する。しかも、50上の。確かにコイさんのウロコとは違うし、さっき釣り上げたゴンゴロウさんのそれとはちと違う。でも、ボクは正直言って、自信がなかった。なぜって、50上のへらさんなんて見たことがない。背筋が震えた。寒さのせいではない。ひょっとして、今、目の前にまだ見たこともないオオスケが潜んでいるのかと思ったら、大げさではなくて武者震いがした。当然、エサ打ちにも力が入る。
そして、06のハリスが合わせ切れした。もう、寒さなんて感じなくなっていた。
一番長いところで、3.3cmあります。
来年は、この持ち主に会いに行きます。
magusukeさんの釣友が来た。挨拶もそこそこに早速ウロコを見せると、やはり間違いなくへらさんのもので、しかも50上はカタイと言う。風はどんどん強くなってきて、竿受けさえ曲がっているが、気にならない。お日様が正面に入ってウキは見にくいのだけれど、頭を右に左に振りながらトップの反応を探る。知らない人がこの光景をみたら、どう思うのだろうか?
正月6日にとある例会がある。「甲南のへら池」に続いてボクも乱入することになっている。その主催の会長さんも応援に来てくれた。で、その会長さんもこのウロコ見て、唸った。間違いなくへらさんの落とし物だと言う。
事前の打ち合わせでは、お昼頃までに釣れそうもなかったら場所の移動をしようということになっていたのだけれど、ボクはそんな気分にはなれなかった。悪魔が耳元でささやいてるのだ。「さ、次の一投で釣れるかもよ?」と。アタリもないウキと水を入れた計量カップに浮かぶ大きなウロコを交互に見ながら、とうとう4時までネバった。ハリス切れ以降、アタリもなくなったのに。
寒さと強風の中でmagosukeさんには申し訳ないことをしたが、これもこのWEBを覗いてしまったのがウンのツキであると諦めてもらうしかない。(^_^;)
正月2日にリベンジする。というか、釣れるまで通うかも。あのウロコも持ち主と会えるまで。
おしまい。
《釣行データ》
【釣行日 】2001/12/15
【時間 】7:00-16:00
【都道府県】三重県
【対象魚 】へら鮒
[釣り場名]N池
[ポイント]誰かの座った後
[天気 ]曇りのち雪(>_<)
[使用竿 ]15尺
[道 糸 ]1.2号
[ハリス ]0.6号のち0.8号
[ウキ ]パイプ1号
[上針と餌]グラン8号(スイミー+マッハ、のち新べらグルテン+α21)
[下針と餌]同(α21、グルテン四季)
[水深 ]3本ちょっと
[タナ ]床
[釣果 ]ゲンゴロウさん1枚。大きなウロコ1枚
[備考 ]また行くど〜〜。(^_^;)