<尺貫法>

へら鮒釣りでは、何故か、数の数え方や長さを計るときは、非日常的な単位で表現することが多いようです。ま、釣りに限らずスポーツなどでもよくあることで、そんなに珍しいことではないとは思いますが、それにしてもよりによって「尺貫法」です。

特に長さ。
1尺(約30cm)のことを単に、「尺(しゃく)」と言います。その下の単位では「寸(すん)」。約3cm。
30cmを超えた魚を「尺上(しゃっかみ)」などといいます。
大型の象徴である45cmは「尺半(しゃくはん)」などと言います。尺五寸(しゃくごすん)という言い方がないわけではありませんが、「尺半」の方が語呂がいいのかも知れません。とある釣り場では、「3寸かぁ。(残念)。」「おお!!6寸はあるな。」などと会話されています。これは、「尺」を省略して言っています。つまり「尺(30cm)」以下のへら鮒は相手にしないという、強情な釣り人の会話です。

養魚場でも30cmぐらいまでは容易に(3年間ぐらいで)育つのですが、これ以上、特に40cmを超える大きさになるのには、それなりに苦労があるそうです。養殖でさえ育つのが難しいのですから、自然の中では想像を絶するサバイバルが展開されているのでしょう。また、産卵期を除けば、非常に警戒心が強い魚だと言われていて、特に体が大きくなるほどその傾向が強いようです。ですから、野の釣りでそれなりの大きさのへら鮒が釣れると、とても嬉しくなります。苦労の甲斐があった表現でしょうか。「尺上」(しゃっかみ)。この語感が何とも言えません。

竿の長さでも使います。
竿は概ね、8尺〜21尺ぐらいまでを揃えます。つまり、約2.4m〜約6.3m。

で、10尺のことを「丈(じょう)」などと言うことがあります。18尺のことを「丈8(じょうはち)」など言います。ボクより年配の方(^_^メ)では、6尺のことを「間(けん)」と表現する方もいます。玄関の間口の広さで使ったりしますね。あの「間(けん)」です(死語かなぁ・・・?)。この場合、18尺の竿のことを「その竿(の長さは)、三間モノか?」と言います。

重さの単位では、あまり尺貫法は耳にしません。魚の重さを量るときは、kg(キログラム)だし、板オモリの重さはg(グラム)だし。匁(もんめ)とか貫(かん)という単位はボクの世代ではもう、あまり耳にしません(なぜでしょう??)。

さてなぜ、メートル法じゃなくて尺貫法なのでしょうか。
それはたぶんへら鮒釣り、いや釣りそのものの歴史的必然ではないでしょうか。
釣り以外にも、陶芸、着物、建築、不動産などなど数えたらキリのないくらいに尺貫法が利用されています。いわゆる「日本古来」とか言われているやつです。釣りも「日本古来」とか「伝統的」の仲間ということなのでしょう。

思うに、ここ50年くらいの歴史しかないへら鮒釣りも(詳しくは別項にて)日本の伝統だと主張しているような気がします。ボクは別にナショナリストではないけれど、何となく、こういう「作法」があってもいいかな、と思ってます。

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