(2008.3.9UP)

3月5日:なぜか大磯プリンス・ホテル第一駐車場

ポカポカ陽気に誘われて、新型クラウンの試乗会に行ってまいりました。
まずはスタンダード版ともいえるロイヤルサルーン(2・5リッターV6/ホワイトパール)に乗る。
う〜ん、パワーない、ステアリングだるい、ブレーキじんわり……眠いなァ……ともの足りない感じの出足だったけど、あらッ!? 不思議。ものの数百メートルも行かないうちに馴れてしまった。
なんにもストレスなし、クルマを動かしてる自覚がない。
な〜んだ、これでいいじゃん……と、感じる自分が情けない。
いかん、いかん、もっとホットモデルへ。
そこでアスリートに乗り換え

さすがに3・5リッター(315馬力)の威力発揮。
エンジンがモリモリと力強いし、足回りのフラット感も卓抜。
ノーマル⇔スポーツと走行モードを切り換えてご満悦だったが、そのうち(これは、ま、いっか……)という気になって来た。
ロレックスのエクスプローラーを付けてる感じ(付けたことはありませんが)。
分不相応なのである。
ここまでは要らない気分になって来た。
ただし、ダークグリーンマイカのこの色はクラウン“らしくなくて”いい。
アスリートは圧倒的にブラック塗色+ブラック皮内装が人気らしく、リセールも他仕様より20万円も高いそうだが、御大はこのグリーンか、あるいは2・5アスリートのダークブルーマイカがいいな(あえてブラックにこだわるなら2・5ロイヤルサルーンの内装グレー。よけいなお世話でしょうが)。

そして最終回答は

これがいちばんよかったロイヤルサルーンG(3・0リッター)のブラックレッドマイカ。
もの足りなさ感なし、過剰感なし、中庸の大徳である。
試乗車にはトヨタプレミアムサウンドシステムと呼ばれる18個のスピーカーが付いており(ヘッドレスト脇の出っ張りもそのひとつ)、これで聴くジョニ・ミッチェルの「アメイジンググレイス」は天国にいるような気分にさせてくれた。
外は春光あふるる大磯海岸。
CDを古今亭志ん生の「妾馬」に換えて日が暮れるまで乗っていたかったなぁ。

今回の新型クラウンは2003年発売の先代ZEROクラウンのプラットフォームを引き継ぎ、電子技術を駆使してファインチューニングしたもの。
いい素材で建てられた古民家を新技術を駆使してそれと目立たぬようリフォームしたようなあんばいで、完成度は非常に高い。
なにより乗っていて落ち着くのだ。
癒し系(もう旧いですか)というのか、インテリアにしてもこちらを妙に刺激して来る厭なものがいっさいない。
実に心地よいのだ。
若いエンジニアの方はなんとか購入年齢層を引き下げたいような希望だったが、御大は「ですよねぇ」などと相槌を打ちながら、そんなことどっちでもよろしいと思っていた。
クラウンの佳さはITリッチ(志向)の若年層とは無縁である。
彼らはメルセデス・ベンツやBMWや、もっと金があればベントレーにでも乗っておればよろしい。
それらを買える金があるのにあえてクラウンに乗るのが“粋”だ(お金はありませんが)。
御大はさる麗人からFUKAKIのカシミアセーターをプレゼントされ永く愛用しているが、この国産メーカーの品はディオールやらエルメスやらバーバーリやらの“ブランドもの”とは違う佳さがある。
ひけらかす必要のない実質本位の上品さというのか、クラウンに感じるのもそれと似た奥行きの深さだ。
日本の大人の趣味のよさである。
新型クラウンを大きな包丁で10センチ刻みにジャキンジャキンと輪切りにして行くと、木曽ヒノキの香りがほのかに立って来るようだし、切る手応えに密度感がある(切ってませんよ)。
大間で上がった本マグロの赤身のようなものだから、これは“ヅケ”がいい。
大トロ食べたきゃレクサスに行きなさい……って、だんだん贔屓の引き倒しみたいになって来たからもう止めますが、趣味のいい箱根の宿の温泉に入って、相模湾で取れた新鮮な魚介を、茶室風の日本間でゆっくりといただいたような気分の一日だった。
日本はいいなぁ、日本車はいいなぁ……トヨタ恐るべし。
その行き帰りの足は

ホンダ・インスパイア。
別にクラウンと比較しようとしての企てではなく、だいいちインスパイアはFWD、クラウンはRWD、狙っている年齢層も価格帯もまったく違う。
このインスパイア、アメリカではアコードとして売られ、トヨタのカムリと並んでホンダのドル箱(廃語ですか?)、ベストセラーカーのひとつになっている。
それだからこそ乗ってみたかった。
クラウンから乗り換えて感じるのは“す軽さ”であり(なんだ較べてるじゃないか)、軽いハーフコートに着替えて早足で街を歩く感じ。
これはこれでいい。
大きなクルマなのに(寸法はホンダの最高級車レジェンドより大きい)それと感じさせない軽快感があるのはさすがホンダ。
ただ路地に入るとそれなりの大きさを感じさせるし、室内は広すぎるほどだ。
可変気筒エンジンで燃費にも配慮しているのが“売り”だが、御大は残念ながら驚異的燃費をマークできなかった。
よく走るなぁと感心し過ぎて、ついついアクセルに力が入ったからだろう。
楽しいクルマである。読者もチャンスがあればぜひいちど御試乗あれ。
3月4日:不思議なこともあるもので……<オマケ>

大磯試乗会の前日、御大は私用で新幹線で東京⇔新潟をとんぼ返りしたのだが、新潟駅からの帰りに乗った2階立て「MAXとき」がいままさに発車せんという時にケータイが鳴り「明日の待ち合わせは何時にどこにしましょうか」との声。
新型クラウン試乗会に同行するドリ太ドリ男クンである。
当日早朝御大がドリ男クンの豪邸へお迎えに参上することになったのだが、大磯からの帰り道彼がなにげに「昨日、ボク燕三条に居て……」というから「ン? 御大も新潟に居った。
電話もらった時にときに(ダジャレではありませんゼ)乗ってた」「ハ〜ッ!? それってもしかして東京駅に夜七時に着いた列車?」「さよう」「オレも乗ってたァ〜、その電車!」「ギャア〜ッ!」「男女だったら即結婚だな」(同乗のドリ男の嫁)。
偶然ってあるんですねぇ。
上越沿線も春。雪は融けかけておりました。

3月7日:トヨタ・モータースポーツ計画発表会

 トヨタのF1活動で心強いのは、TDP(トヨタ・ヤングドライバー育成プログラム)がついにF1に“届いた”こと。
中嶋一貴がウイリアムズから本格デビューし、ライバルの小林可夢偉が来年トヨタからのデビューを確実視されている。
そして大嶋和也も今年からユーロF3で「チャンピオンを獲って、早くステップアップしたい」と意気軒昂。
新車TF108は「今年のオフ最後の合同テストでフェラーリと0・7秒差まで来ています。今後、新しい空力パーツを入れれば、ロングラン比較でフェラーリの0・5秒差まで行ける。1コーナーでフェラーリ、マクラーレンの後ろにつければ、彼らと見劣りしない走りが出来ると思います」と、山科忠トヨタF1チーム代表のコメントも頼もしい。
開幕3戦のトヨタ勢は要注意。
御大は中嶋一貴とトヨタが開幕戦でポイント獲得する可能性に賭けたい。
どこで……て、ほら、メルボルンのサーキットにはブックメーカー(賭け屋)が出るんでありますよ。
誰に何ドル賭けようかなァ〜。
その軍資金稼ぎに3月9日(日)の中京競馬メインレースが重要になって来た。
だってそのレースの名称を「第66回トヨタ賞中京記念」というのである。
それどれPコーナーストーン(柴山雄)というのにしようかな。
なんか、サーキットっぽい名前でなはないですか。これで行こッ!
追記:会場に謎のロンゲ人闖入

 トヨタ・モータースポーツ発表会がお開きになった後、敬愛する高橋敬三モータースポーツ部長(左)と今年のF1についてしばし哲学的考察をしようとしていたら「あのさァ、知ってるゥ〜?」と、今時流行らないロンゲのオジサンが真ん中に割り込んで来て「これがァ、フェラーリのロングランのタイムのグラフじゃん。そいでもってアソコがこれ。2秒遅いの分るっしょ!?」と、PCの画面を見るよう強要。
おまけにこの後、喫茶室で1200円もするコーヒー奢らされるし、行かなきゃよかったよ、KYチャン!

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