手術
車椅子に乗せられてナースセンターの前を通るときに、看護士さんや病棟担当医の人たちに、かんばってねと言われた。多分、病棟に入院している患者さんも見ていたと思うけど、なんだか皆、顔が笑顔だったのが印象的だった。
そこから手術室までは、エレベーターに乗って下へ行くのだが、看護士さんは緊張してる?とか車椅子に乗るのは初めて?なんて会話をしながらだった。緊張してるっちゅうの!とか思っていたら、手術室へついてしまった。
おいおい!同じ格好した人が何人もいるぞ!そうか、大きな病院は手術室が一杯あるんだなと、変なことを考えていた。みんな、車椅子に乗ってやってきて、手術室入口にあるストレッチャーに乗り換えていた。出迎えるのは、手術を担当する人たちだ。名前とカルテを手術室の担当する人に渡すとその人たちがストレッチャーを押していく。
へいぽーも、ストレッチャーに寝た。すると担当してくれる人たちが出迎えてくれた。名前の確認をして、直ぐに手術室へ運ばれる。皆さー同じ格好で顔がわからないよ。(笑)
その中の一人が、おはよう!と声を掛けてきた。主治医だ!緊張してる?と聞かれて、はい、なんて答えていると麻酔科の先生がやってきて、点滴の針を刺すからね。左手から、左手はダメだったのだけど右手はうまく刺さったらしい。そしたら、今度は、麻酔を入れるよ!はい。
左肩のボタンが外れていたらしく、男性のスタッフがボタンをはめてくれている。ここで、なぜか瞼が重い!いや、閉じたくないんだけど勝手に閉じていく。ボタンをはめてくれたスタッフにありがとうというと、意識はなくなった。実は、友達と幾つ数を数えられるかと話していたので、数えたら5くらいまでは数えた。(笑)
手術開始からどのくらいの時間が経ったのかわからないけど、大きな声で名前を呼ばれていて、麻酔科の先生だと思って目をあけた記憶がある。聞こえますか?聞こえたら大きく息を吸ってーと言われた。息を吸ったかどうかは定かではないけど、直ぐに眠ってしまったようだ。
どうやって戻ったのかは意識がはっきりしてないんだけど、ベッドごと病室に戻った記憶があるのだ。麻酔を入れられたのは、8時半頃。意識がはっきりと戻ったのはお昼ちょっと前である。そのときの苦痛は、物凄かったのだ。
酸素マスクを当てられ、手には点滴、尿道カテーテル。。。。すっかり病人らしくなったへいぽーだった。苦痛で居ても立ってもいられず、看護婦さんに痛みを訴えた。飲み薬では効きが遅いから、座薬をと言うことで、右向きになってと言われた、しかーし、しかしなんだよね。動けない。全く自力では動けない。ベッドの右側に、手すりがついていたのでありったけの力でそれを引っ張って、痛さにも負けずに右向きになった。普段なら一瞬で動けるものが、時間にしたら数分はかかったかしら。まだ、完全に麻酔から覚めていたわけではなかったので座薬を入れる不快感も半減。あとは、酸素マスクが気になって仕方なくてね、ブルブルと頭を振ってたら取れてしまったようだ。(笑)
痛さは、座薬を入れて少しましになったけどそれでも痛いのはかわらず。一人で病室に残されてじっとしていると、辛かったよ。しかも、仰向けじゃないと駄目とか言われてじっと我慢。一定の時間ごとに看護婦さんが、見にきて体温、血圧を測っていく。2度目か3度目のときに、あら、酸素に繋がってなかったわ。おいおい、私は普通の空気を吸っていたのか。この頃に、顔に違和感を覚えて、触ってみるとなんだかゼリーのようなベタベタしたものがついていてね、看護婦さんに顔拭いてほしいとお願いしたのだが、それから、数時間たってようやく綺麗に拭いてもらった。
それから、夕方までは大人しくしていて、ようやく酸素マスクが取れてカテーテルも取れて、動く許可が出た。ただし、部屋の中だけだったけど。まず、水を飲まされるんだよ。酸素を直接肺に送り込むための管が喉をいためてないかのテスト。これは、難なくクリア。しかし、風邪を引いたときのように喉は痛いし、重い。その後、すっかり冷えたお昼ご飯を少し口にした。前の日の夜から、絶飲食だったので、もっと食べれるかと思ったけど食えなかったね。
そのあと自力で部屋のトイレまで歩いて数歩を数分掛けて歩いてトイレに入った。うーん、違和感ありありの体を目の前にして情けないやら悔しいやら、点滴は相変わらず引きずっているが、心は、その時、既に移植をされてるだろう患者さんへ向いていた。私の手術日イコール患者さんの手術日なので、苦しい思いをしながら私の骨髄を受け入れてくれてるのだろうと思うと、がんばってほしいと自然と思いましたね。不思議なもので、血を共有する仲間の様子は、私の体を通してなんとなく分かるような気がした。
最終的に、へいぽーの体から抜かれた骨髄は800ccだったということだ。抜きながら骨髄のなかにある細胞を数えるらしく、思っていたよりも細胞が多かったので、800ccで済んだようだ。最初は、1.1リットル抜くと言われていたので300cc少なかった。
面会の時間になると、コーディネーターさんがいらしてくれた、お礼ですと、図書券を頂いた。少し質問をされて、わずか15分ほどで帰られた。そうこうしてるうちに、夕飯、さすがに動けなくて看護婦さんが、運んでくれたんだけど、夕飯は全部食ったぞ。
その日は、何人かの手術を担当してくれた先生が来てくれた。麻酔科の先生も、ニコニコしながらやってきて、どう?とか言いながら少し雑談をして帰っていった。(この先生、まじで顔が怖い、体がでかいのよ)その後、横になりながらTVを少し見て、今夜は早めに寝るぞと思っていたら、なんだか直ぐに寝ちゃったみたい。翌朝まで、ぐっすり見回りも気がつかずに寝てました。病院は、夜中に見回りがあるでしょーこれが、気になるのとさすがに病棟が病棟だけに走り回る音が気になって寝れないんだよね。この日だけでしたよ。ぐっすりと眠れたのは、おまけに仰向けになった日には起きることが出来なくなるので、横向きになったまま、この後、数日を過ごしました。
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