退院
やっと退院の朝を迎えた。気分が軽いと体も軽くなるらしい。(笑)昨日の探検が体に影響してるのはわかったけど、帰れる歓びのほうが大きかった。朝食は、ちゃんと食べた。
へいぽーの入院した個室は、その月、殆どがドナーのために空けられていた。へいぽーが退院すると、3日後には、またドナーが入るのだということを看護士さんに聞いた。そっかーと思うと、部屋に置いてあるものにへいぽーの嬉々とした感情を残しておこうと思って、さわりまくった。
朝食後に、術後診察の予約と退院した後の傷の消毒方法や、飲み薬の事、生活のことなどを指導してもらった。そこで、看護士さんに聞いてみた。帰るまでにシャワーを浴びていいかと。しばらく待たされたが、担当医からOKが出たので、4日ぶりにシャワーを軽く浴びた。軽くならいいよと言われたからなのだけど。術後、初めて自分のお尻を鏡で見た。お尻と腰の間に、背骨を挟んで4つの穴があった。穴は、少し腫れてる。そして、赤い。だけど、あの物凄い痛みを出していた穴だとは思えなかった。あの痛みは、骨の穴の痛みだったのだろうか。骨の穴は、いくつも開けられたと聞いているので、きっと触ると痛いよなと思って、消毒して直ぐに服に着替えた。
お昼前には退院許可が下りているので、支度をしてコーディネーターさんが待っている、ナースセンター前の待合所へ行った。なんだか、すごく嬉しかった。この人の顔を見るとほっとできた。そして、今日が、最後なのだと思うと寂しかった。最後に、ナースセンターに挨拶をして病棟を後にした。
この病院から駅までは、バスで5分ほどなのだが、体のことを考えてくれて、コーディネーターさんがタクシーで送ってくれる事になった。そのタクシーを待ってる間に、へいぽーは「このくらいなら、また、移植してもいいなー」とコーディネーターさんに話していた。本当にそう思っていたんだよ。だから不思議とそう言う言葉が口から吐き出されていた。コーディネーターさんも、その言葉をニコニコしながら聞いてくれた。
駅までの僅かな距離なのに、タクシーの背もたれにもたれかかると痛かった。まじっすかーと思っていたけど、帰れる嬉しさは痛みなど笑顔に変えてくれていた。
へいぽーが家に帰るためには、1回乗換えをする。そして、始めの駅についたときに携帯から着信を知らせる音が鳴った。友達だった。へいぽーは知らなかったのだが、その友達が入院していた。頭の病気で。数日後には、開頭手術をするのだという。本当に不安だったのだと思う。その友達は、へいぽーが入院していた事は知らなかったので、今、退院したばかりと話したら驚いていた。やるせなかったよ。なんでだろうと思うとね。そんな事を考えながら、乗り継ぎ駅まで電車に揺られた。痛かったけどね。(笑)
乗り継ぎ駅では、電車が来るまでに少し時間があった。そこで、各所に電話をしていた。さっきの友人のこともあったりしたし、家にも電話した。今から、帰るよと。そんなこんなで電車がきた。坐れてよかった。それが、電車に乗ったときに思ったこと。立ってるほうが楽かななんて思っていたけど、坐っていたほうが痛みは避けられるからね。
とにかく長かった。乗り継ぎ電車に乗ってから、目的の駅までは時間にして1時間半。ローカルなので特急とか走ってないんだよね。(苦笑)学生とかサラリーマンとか買い物客とか色々な人が乗り込んでいた。へいぽーは、窓から見える景色を見ながら、これで、しばらくはこの景色ともさらばじゃとか思っていた。不思議といたいのは痛いけど、耐えられない痛みではなかった。
ちょっとの距離でもタクシーで帰ってくださいね。そう言われていたので、目的の駅から自宅まで10分ほどタクシーに揺られて帰った。家に入るとやけに家に中が綺麗になっている。夫が気を利かせて掃除をしてくれたらしい。しばらく動けないだろうからと思っていたらしい。ネコも嬉しそうにしていた。そこで、へいぽーはある場所へ行こうと準備をはじめた。
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