今朝の朝食はインド式(プーリ、じゃがいもカレー)。
相変わらず寒いが、ストーブの薪に火がなかなかつかないのでおばちゃんがついでに火をつけていってくれた。
まだ充分に部屋が温まらないうちに荷物をまとめて部屋を出る。
今日はトンサへの移動だ。
水たまりが凍っているところを見ると最低気温は0度以下なのだろう。
途中、チュメイ谷の織物の実演・販売店に立ち寄る。
この寒い中、表に機織り機を6台ほど並べて少女たちが民族衣装のキラに用いるヤタという布を織っている。
日なたとはいえこの時間はさすがに寒そうでかわいそうだ。
女主人らしき中年の女性が出てきてガイドたちとなにやら話していたが特にものを売りつけようとはしない。
ここら辺は東南アジアの国々と違うところだ。
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| 途中の車窓から。 かなたにブラックマウンテンが見える。 |
車に乗り込もうとするとその人が試してみたかった、ドマをくれた。
さっそく口に放り込んでみたがキンマの葉のせいで青臭いだけ。
ドマをかみ砕いてみるとだんだん唾液が出てきたが、はたしてこれは飲み込んでもいいものなのだろうか。
車は走り始めていたので吐き出すこともできずにそのまま唾液を飲み込んでしまった。大丈夫かな〜。
でもなにも変わらない。なんなんだ、これは。
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| これがドマ |
「なにも起きないよ」ガイドに言ってみる。
「からだが温かくなってきただろう?」
そういえば、指先が温かくなってきた。
どうやら、このドマというものは酒の代わりに体を温めるというものらしい。
だったら酒を飲めばいいのにと思うが宗教上の理由や金銭的な事情でそれができない人向けのものだそうだ。
トンサには昼過ぎに到着。
ホテル ノーリンでさっそく昼飯。
いろんなカレーが人さらに盛られたインド式だったが香りがあまり無く、ネパールのカレーのようであまりうまくはなかった。
食後すぐにホテル ヤンキルに入る。
「歩き方」には料理がうまいと書いてあったが建物はかなりぼろい。
普通の民家を改造したような建物だ。
部屋は板で間仕切り下4畳半くらいの狭さ。ベッドと机があるだけ。
トイレ・シャワーは共同。
お湯は出ないらしく入り口にお湯の入ったバケツがおいてあった。タイなら60THBくらいか。
せめてうまいという料理に期待するか。
荷物を部屋においたのちにトンサゾンへ向かう。
ツェチェ(祭り)が行われているせいでけっこうな人出。
どこからこんなに集まってきたんだろうと思うくらいたくさんの人がいる。
女性は普段は見られない、はではでのキラを着込んでめかし込んでいる。
ゾンの中の広場では若い僧たちが手に太鼓をもって叩きながら踊っていて、その向こうには仮面を付けた偉そうな僧たちが座っている。
(グル・リンポチェに扮しているらしい)
観客は運動会の父兄席のようにおとなしくそれらを取り囲むように座っている。
このマナーのよさは他の国ではなかなかお目にかかれないだろう。
ゾンを出て敷地内の小川を渡ると露店がずらーっと並んでいる。
あちこちで物売りの掛け声が聞こえてくる。これはまさに縁日だ。

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| トランプを使ったゲーム | こちらはサイコロ |
衣類や食べ物、おもちゃなどを売っている店に混じって、ひときわ目を引くのがトランプを使った賭け事であちこちでたくさんの人を集めている。
ルールはよく分からないが、老若男女を問わず、手に手に金を握りしめたブータン人が笑顔の中にも真剣さを伺わせてゲームに参加している。
これ以外にも空き缶を立てかけてそれをボールを投げて崩すという単純なゲームや、お札をくくりつけた木の板に輪を投げて輪がうまくお札にかかればそれがもらえるような輪投げのゲームもあった。
日本に例えると縁日の金魚掬いの様なものなのだろう。
1軒の店先でタイガー・ビールを見つけたのでビールを飲んで休憩することにする。
いすに腰かけてビール(35Nu)を飲んでいると子供たちが集まってきた。
どうやらカメラに興味があるらしくファインダーをのぞいたりあちこちボタンを押したりしている。
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| 札束(!)輪投げ |
おいおい、ファインダーをのぞくだけならいいけど、レンズには触るな、コラ!
その子らの中でお姉さん格の子(8才:英語が話せる)が「写真を撮って」というのでカメラを向けるとすかさず4,5人の子たちがさっと集まった。
なぜかうれしそうににこにこしている。
ネパールの時のように金を請求することもなく、送ってくれともいわない。
この時に住所を聞いておいて写真を送ってあげればよかったと、今になって後悔している。
日が暮れ始めて寒くなってきたし明日もツェチェは見れることだしホテルへ戻る。
あの部屋に入ってもしかたないので一階の食堂でビールでも飲むことにする。
ここでもタイガー・ビールを買って飲んでいると50半ばくらいのゴを身に付けた白人がビールを片手に現れたので目の前の席を勧める。
先ほどの店で僧たちと楽しそうに話していた人だ。
彼はオーストリア人(よくオーストラリアと間違われるらしい)でティンプーに10年住んでいるとのこと。
最初はボランティアで来て現地の女性と結婚して住みついてしまったらしい。
子供は二人いるそうだ。
二人で話しているとブータン人のおっさんもビール片手に現れて仲間に加わってきた。
やはり、こういうところは安宿のメリットだな。こういうのが好きだ。
暖房は無く冷え込んできたのでブータン製のウイスキーをグラスでもらう。8Nu。安い。
かなり甘口なので二日酔いの危険があるかもしれない。
ゴはポケットが一杯あって使いやすいし温かいという話題のあとに、
「夕食にエマ・ダッツィを食べたら次の日の朝にけつから火を吹いた」
と言ったら大受けした。
ちなみに気候のよく似たオーストリアでもチーズとトウガラシはよく食べるそうだ。
食が似ているのも彼が住み着いた原因かも。
ホテルの女の子が「あなたは最初、ブータン人が来たのかと思ったわ」
といってきた。
こっちにとってはブータン人は日本人に見えるがブータン人から見れば私はそう見えるのだろう。いずれにしてもよく似ている。
食事の時間になったので厨房のある部屋の方に移ることにする。
ここには薪を利用した大きなかまどがあり、そこで料理したものを出してくれる。
モモ(チベット風ギョウザ)を肴にしてさらにビールを飲んでいると次々に料理が運ばれてきた。
モモ(辛味噌で食べる)
野菜炒め
ケワ・ダッツィ(じゃがいものチーズ煮込み)
ノシャ・パー(牛肉の煮込み)
赤い米
「歩き方」に書いてある通り味はよかった。
特に野菜炒めは安心する味。
食べ物とフレンドリーさに関してはこの宿は○だろう。
食後は他の日本人の客やそのガイドたちと一緒に酒を飲んで盛り上がった。
部屋に戻ると暖房がなく寒い。
寝具もあまり温かそうにないので持っている衣類をすべて着込んで寝る。
あのオーストリア人のおっさんが「ゴは寝袋の代わりにもなる」
と言っていたのを思い出した。