ホテルのレストランの朝食はまたしても朝食のビュッフェ。
「洋食は嫌いだからトゥクパ(チベット式ラーメン)かなにかない?」
確か昨晩、駐在員らしき日本人がここで食べていたのを見かけた。
「あそこにあるのとオートミールだけです」
快適さと引き換えに融通の利かないサービスか。まったく。
オートミールなんてげろみたいなものは絶対食べたくないからここではコーヒーだけ飲んで外で食べよう。
食事を済ましてロビーに行くとガイドがやってきた。
今日はティンプーの市内観光だそうだ。
まずは市内を一望できるポイント迄行く。
ダルシンのたなびく丘からは朝もやに煙るティンプーの街並みがよく見渡せる。
「歩き方」には人口は二万人と書いてあったが見た感じではもう少し多いだろう。
少なくともビエンチャン(ラオスの首都)よりは活気がある。
「人口はどのくらいいるの?」ガイドに聞いてみた。
「6万人」
正確な数字かどうかはわからないがそのくらいいてもおかしくないだろう。
95年のデータで2万人というのが正しいとするとわずか三年の間に三倍になったことになる。
Kuensel(ブータンの週間新聞)に交通事故が増えていると書いてあったが無理もないかもしれない。
タシチョ・ゾンがよく見える場所まで移動する。
さすがに首都のゾンだけあって堂々としていてきれいだ。
残念ながら外国人は内部には入れない。
タシチョ・ゾンの向かい側にはSAARC(南アジア地域協力連合)会議場が仲のよい弟のように寄り添って建っている。
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| 図書館には仏壇が! |
その後、メモリアルチョルテンと国立図書館、ドゥプトプ尼僧院に行く。
国立図書館の中にはなぜか各階に仏壇がある。
ここは図書館といっても他の国のそれと違い、チベット仏教の教典がかなりの割合を占める。図書館というよりも博物館といった感じだ。
町中に戻ったところで車を下ろしてもらい、ティンプーのメインストリート・ノルジンラムを歩いて回る。
車も多くないし、人もそこそこ。
うさんくさい奴は特に見当たらず歩いていて楽だ。
反面、若干つまらないともいえるが、、、、
新年を祝うためか各建物にはイルミネーションの飾りつけ作業をしている。
店をいろいろ覗いてみると東南アジアにありがちな店の中で昼寝をしている人や飯をかき込んでいる人は無く、みなただひまそうに店番をしている。気候の違いか。
警察署の近くのショッピングモール(といっても三階建てのさほど大きくない建物)に入ってみると子供たちがゲームセンターで遊んでいた。
(ゲーム機は10年くらい前のものが3台くらい並んでいるだけのようであったが)
あのインベーダゲームから始まった日本のアーケードゲーム、家庭用ゲーム機が生み出した子供の遊び方の変化が10年経ってもこの国には押し寄せてほしくないと切に思う。
ノルジンラムに戻りホテル方面に歩くとすぐにティンプー名物、交通整理のお巡りさん発見。
トンサで出会った日本人旅行者によると5年前に来たときには車がほとんど無かったせいで暇そうにしていたらしいがここ数年間の自家用車の急激な増加でいまはけっこう忙しそうだ。
あと5年、いや3年もしたらここにも信号機ができているのかもしれない。
(ちなみにブータン国内には信号機はひとつもない)
昼飯はドライバーおすすめの M/S WANGI RESTAURANT。
チベット料理の店だ。
モモと野菜入りトゥクパ(チベット式ラーメン)を食べる。
モモはまあまあだが、トゥクパは味に締まりがなくいまいちだった。
いったんホテルへ戻り一眠りした後にまた街歩き。
夕暮れと共に町中のイルミネーションが光り出した。
まるでクリスマスのようできれい。
そういえばここ何年もクリスマスや大みそかを日本ですごしていないなぁ。
ショッピングコンプレックス(ホテル
ノーリンの向かい側)でTシャツを物色しているとドライバー氏に声をかけられた。
今晩はこれから彼の家で夕食をごちそうになることになっている。
車に乗り込みルンランザンパ橋を越えて川沿いの道に車を停める。
ちょっとした斜面を登る。階段は無くまるで登山道。
雨が降ったら登りずらそうだ。
それよりも酒を飲んでの帰りを気をつけなければ。
こんなところでこけて怪我でもしたら恥ずかしい。
ドアを開けて中に入ると彼の家族に「クズザンポー(こんにちわ)!」
と笑顔で迎えられた。
彼の家はいわば1K。洗い場はあるが水道は無く、足元の大きなバケツに水が入っている。薪ストーブがあり、その上でお湯を沸かしている。
普段は一人で暮らしいるが、年末でたまたま家族が東ブータンから遊びに来ているらしい。
彼が手に入れたアラ(ブータン焼酎)を鍋で温めて卵を溶いて卵酒風にしたものをもらう。意外と軽めでなかなかいける。
つまみはなんかの幼虫を乾燥させたもの、SIPといっていたがよくわからん。
それと、ヤクのレバー、牛の干し肉。
こういっては悪いがちょっと口に合わない。
彼が作ってくれたイヅィはなかなかよかった。
アラを二人で一本空けた後、イヅィとエマ・ダッツィで飯を食う。
さすがにブータン人向けの味付けで辛い。
バターを余分にもらってマイルドにしながら食べる。
「では、そろそろ出かけよう」
どうやら彼のなじみの店に連れていってくれるらしい。
一般庶民が住んでいるエリアに車で向かう。
空き地に車を停め雑貨屋に入っていく。
奥にテーブルと椅子があり、電気ストーブが部屋を暖めている。
先客は彼の友達が二人。
一緒にゴールデンイーグルを飲む。
後からも顔見知りらしい人たちが集まってきて「クズザンポー」と挨拶。
その中の一人は軍人。
いまはインドで訓練をしていて休暇で帰ってきたらしい。
この国は警察、軍隊両方ともインドの援助を受けているそうだ。
ちなみにブータン軍は空軍は無く、陸軍のみとのこと。
まあ、空港がパロにしか作れないことを考えれば当然かもしれない。
この店はビール一本で切り上げて街の裏通りのバーに行き、ブータンウイスキー、ダブルパイント。
で、次はメインストリートに戻りX-Barというディスコへ入る。
最初は人が少なかったが10時半を過ぎたころから人が集まり始めて12時ころになると他人にぶつからずには踊れないくらいになってきた。
今までブータンの人はほとんどがゴやキラといった民族衣装を着ていた(法律で決められているらしい)がここにいる連中はだれ一人としてそんなやぼったい服を着ているものはいない。
ドキッとするようなセクシーなドレスの女性やパリッと決めた男性が多い。
(そうでない人も多いが)
プナカで一緒に飲んだ他社のガイドが挨拶に来た。汗だくになって踊っている。
やはり彼らも都会の若者だったのだ。
12時半引き上げてホテルに戻るがドライバー氏はも1件踊りに行くらしく車で出かけていった。タフだなぁ。
今日はブータンの観光用ではない、今の姿を生で見せてもらった。
ドライバー氏(ドブジ)に感謝。