本を読んで夜更かししていたせいですっかり朝寝坊し、このホテルで唯一のレストランへ向かったころにはファランの団体さんはすっかり出発した後だった。
ブッフェは欧米人向けのアメリカンブレックファースト。
嫌いなんだよな、これ。
タイらしいのはカオトムのみ。
ゲーンかクイッティアオが食べたいところだけど、ま、仕方ないか。
カオトムとカフェダームという変な組み合わせの朝食を済まして部屋に戻る。
トゥクトゥクも来そうにないので、ホテルで車(トラックソンテウ!)を用意してもらってナムトクノーイに向かう。(350THB!高けぇ〜)
![]() |
ナムトク |
乾期のため水量が少なそうなのであまり期待はしていなかったが段々になって落ちてくる滝がなかなかよい。それになんといっても涼しい。
ここでもファランの団体がビデオを片手にぞろぞろとやってきた。
近くにいたタイ人の女の子に『ファラン・ユッ・ユッ(白人ばっかり)』と苦笑して見せたらウケていた。
滝の左側に向かうと蒸気機関車が展示してある。
戦争中に日本軍が持ち込んだものが70年代までこの路線で使われていたらしい。
どうもこの地域には太平洋戦争当時を連想させるものが多く、なんとなく肩身が狭い気がする。
![]() |
その機関車の近くに階段があった。
傍らにある案内板によるとどうやらこの先に洞窟があるようだ。
どうせ列車の発車時刻までは時間があるから行ってみるか。
階段を登りきったところは広場になっていて管理事務所のような建物が建っている。
その先に幅1mくらいの小川がちょろちょろと流れている。
滝に比較すると意外としょぼい。
このまっ平らな地形からすると、もしかすると雨季にはここら辺一帯が沼になっているのかもしれないが、
しかし今は小魚が泳ぐ小川があるだけだ。
川沿いには一車線ほどの未舗装路が続いている。洞窟はこの先?
両側には原生林。小枝の影から時々いろ鮮やかな小鳥が姿を見せてくれる。
梢の間から見える空は真っ青。気候的にも涼しく、森林浴にはもってこい。
なんかここがタイであることを忘れてしまいそう。
![]() |
水源 |
15分くらい歩いたろうか、ちょっと広い池のような所に突き当たった。
何やら看板が立っている。
ふむ、そこの岩肌からちょろちょろ出ているのが小川の源流ということか。
ここから滝までということは意外と短いな。
池に架かる橋を渡り小高い丘に登ると、またもや管理小屋のような建物。
道の先には、林道とかにありがちなゲートが降りていて、やはり『洞窟に行くときは管理事務所に届けるように』と看板が書いてある。
ここら辺は日本と同じだ。
日本で林道をバイクで走っているころはそんなの完全に無視していたけど、ここはタイ。
とりあえず、指示通りに管理事務所に向かう。。。。が、誰もいない。
う〜む、困ったな。
![]() |
遊歩道の途中で |
建物の周りをうろちょろしていると、何やら裏のほうで人の話声が聞こえて来たのでそっちに向かう。
管理人の家族のような人たちが食材の下ごしらえをやっている。
「サワッディー。洞窟に行きたいんだけど、誰もいないんだ」
「いまいないよ。それに洞窟に行くなら懐中電灯がなけりゃ行けないよ」
が〜ん、そんなモノ持ってきてないよ。しょうがない、あきらめるか。
いい散歩ができただけでもよしとしよう。
(もともとどうしても見たいというわけではなかったのであきらめは早い)
![]() |
よく整備された道 |
駐車場に待っていたソンテウ(どうやらこのトラックソンテウはチャーターらしい)で駅に向かってもらう。
まだ11時だ。列車の時刻までは2時間ほどある。
駅に到着すると出札窓口は当然のようにまだ開いていない。
「何時に開くの?」
「1時くらいだ」
? それって出発時刻じゃないんかい!
ま、タイだししかたないか。
外国人旅行者を当て込んだものか、駅前にちょっとしゃれた感じの食堂がある。
客引きのにいちゃんが『寄ってけ』と勧誘している。
どうせやることも無いからビールでも飲むか。
「Beer LEOある?」
「ないです」
「じゃ、ビアシン・ゴールドは?」
「あります」
「大瓶一つね」
この店は高床になっているうえに天井では大きな扇風機がゆっくりまわっている。
もともとここら辺はバンコクに比べて気温が低めなのだが、それ以上にここちよい。
片隅にあるTVではどこかで昨晩行なわれたロイカトーンの様子を流している。今晩、バンコクで見れるかなぁ。
パッシーイウをつつきながらビールを飲んで時間をつぶしていると、観光バスが次々とやって来てファランがぞろぞろと吐き出されてくる。
あ〜あ、またかよ。
大体は中年夫婦のようだが中には若い奴もいる。
ビデオを片手にうろちょろしている。
そんなところにたっていたら暑いだろう。中に入ってくればいいのに。
そろそろ時間だ。どれ、キップを売り始めてるかな。
チケット売り場に向かうとコンタイやファラン、コンイープンなどがベンチに座っている。
窓口はまだ閉まっている。
駅長室のような部屋に駅員が何人かだべっていたので聞いてみるとまだキップは売り始めないらしい。
おいおい、もうすぐ1時だぜ。もぉ〜、タイなんだから。
ついでだから近くの公衆電話からバンコクの旅行代理店に電話して今日のホテルを押さえておいてもらう。
13:00発のはずのトンブリ行きの列車は13:40にやっと出発。
ファランが多かったので満席状態になると思いきや、来たときよりもずっと長い編成の列車のため、意外とすいている。
予想通り、切符は車内での販売だった。
またずっと乗っているのもなんなのでカンチャナブリーでバスに乗り換えることにしてそこまでの切符(17THB)を買う。
![]() |
アルヒル鉄橋付近 |
アルヒル鉄橋に差しかかると列車は超スロースピード。
歩くような速度だ。カメラを片手に窓から身を乗り出す。
列車は緩いカーブをゆっくり、ゆっくり走っている。
右手にはクェー・ノーイ川、左手には岩肌が間近に迫っている。
列車の下は富士急ハイランドの『フジヤマ』のような鉄骨で組んだ鉄橋。
なかなか絵になる。きっと『世界の車窓から』でも紹介されたんだろうな。
そのアルヒル鉄橋を過ぎ、次の駅に到着すると車内で(態度的にもスペース的にも)幅を利かせていたファランはほとんど降りていった。
駅前にはバスが数台待っている。
そうか、おいしいところだけ列車を使うわけか。
ま、効率を上げるにはそれがいいんだろうけど、なんか流れ作業のようでオレはいやだな。
線路の両側には相変わらず水田やとうもろこし畑が続き、その向こうにはタイでは珍しく山が迫っている。
そういえば、タイって大体が平地なんだよな、と今更ながら気がつく。
![]() |
あ〜あ |
列車の揺れが窓から入ってくる風と相まって気持ちよく、うとうとしていると、急ブレーキで目が覚めた。うん?なんだ。駅じゃないぞ。
乗客が窓から身を乗り出し外を眺めている。
なんなんだ。
ちょうどこの車両の脇にぐしゃぐしゃになったバイクが横たわっている。
ありゃりゃ、事故かよ。
運転していた人は無事なんだろうか。
周りのタイ人が外を見ていたので聞いてみると、指をさして大丈夫なような事を言っている。
窓から見てみると近くの踏み切りに何人かの人がかたまって、その中のおばちゃんがなにやら叫んでいる。
おそらくあの人がバイクを運転していたんだろう。
ま、とりあえず良かった。
10分くらいこの場にとどまった後に再出発。
映画で有名なクワイ川に架かる橋をこれまたゆっくり通過し、15:30にカンチャナブリー駅着。
駅前にいたソンテウ(5THB)でバスターミナルに向かう。
街中を通ってなにやら商店街のようなところで停まった。
うん?バスターミナルなんかないぞ。
「バスターミナルはどこ?」周りに人に聞いてみる。
「あそこ」
へっ?あぁ、あのバスが停まっているところか。
普通の道じゃん。とりあえずそこまで行ってみる。
バスが停まっている脇にはチケット売り場のようなオフィスがあった。
「クルンテープ(バンコク)までいくら?」
「68THB」やっぱり列車よりは高いのか。
「何時出発?」
「4時20分です」
近くのセブン−イレブンで水を買ってバスに乗り込む。
日本の観光バスとたいして変わらないけど、案の定、エアコンが利きすぎて寒い。
バックパックから長袖のシャツを取り出して着込む。
列車のように埃まみれになることもなくリクライニングを思い切り倒してリラックスする。
列車と比べるとおもしろみはないけどサバーイだ。
街中はゆっくり走っていたが、郊外に出ると高速道路のような国道をひた走り、1時間ほどでナコーン・パトムに到着。
は、はやい。
ここからはまた1時間ほどでサーイ・タイバスターミナルに到着。
列車だと4時間かかったのに、2時間ほどで着いてしまった。
これじゃあ、列車じゃ歯が立たないよな。頑張れよ > タイ国鉄
サーイ・タイから今日予約しているスリオンのホテルまではタクシーで向かうことにする。
タクシーの運ちゃんがよってきたので交渉するとロイ・カトーンで渋滞しているため350THBだという。
いくらなんでも高いだろう。
「200THB!」
「だめだめ」
「じゃ、いいよ」と他のタクシーを探すために歩き出す。
「まてまて」
引き留められる。こういうパターンは普通はチャンスなのだが再度交渉するも300THBにしかならなかった。
しょうがねぇなぁ。
運ちゃんの言ったとおり大渋滞する市内を抜けてホテルに到着。今回の小旅行は終了した。
since 2000/1/31