【7/3 ラサ】

ちと頭が痛い。高山病か?
それとも昨日ごちそうになったチャンが残っているのか、あるいは単なる寝すぎか。
いずれも複合しているようでよくわからないが、寝てる間はちょっと息が苦しかったし、やっぱり高山病かなぁ。
吐き気がしないからまだいいけど。

《ポタラ宮》

ポタラ宮へはマイクロバスで移動する。
バスの中で入場料40RMBを集められ車のまま途中まで登る。
そこからは歩き。ちょっと歩いただけで思っていた以上に心臓がばくばくしている。
やっぱり空気が薄いんだろう。
じっとしている時はそうでもなかったが登りはじめると今度は頭がガンガンして来た。
富士山に登った時の悪夢が脳裏をかすめる。

ポタラ宮には薄暗い建物の中、あちこちの部屋に歴代のダライラマの仏像が奉ってあり、巡礼に来たチベット人と観光客が入り乱れ、歩くのも大変。
ぷ〜んとバターランプの匂いが鼻に突く。
巡礼者たちは直径80cmくらいのボウルの中にともっているバターランプにバターを継ぎ足している。
このバターランプは彼ら巡礼者の継ぎ足すバターでその火を灯し続けているらしい。
その巡礼者たちは右手にマニ車、左手にバターの入った袋と大変だ。

開けた場所に出た。
中央前方に玉座らしきものがある。
うん?ここはなにか見覚えがあるぞ。
おお、これこそ『セブンイヤーズ・イン・チベット』の中で主人公ハラーが幼いころのダライラマに謁見した広間ではないか。
実際にはあの映画はここで撮られたものではないだろうが、ちょっと感動的。
きっとダライラマが亡命した今となってはこの広間は観光用に開放するだけで使われることはないのだろう。

出口には土産物屋がずらっと並ぶ

ポタラ宮には1000以上の部屋があるらしいが、先に書いたように至るところに仏像が奉られており建物自体が博物館さながら。
でも博物館との大きな違いは、その構造が迷路のようになってることだ。
いちど、坊さんにトイレの場所を聞いたら『連れていってやる』といわれたのはいいが、薄暗い通路をグネグネと連れられてトイレに着いたころには息がぜいぜいした。
それでも坊さんは平気そう。
巡礼のチベット人も階段ではぜいぜいしていたから、たぶんに慣れの問題なのだろう。

ここポタラの中でも最も神聖なパクパラカンの前ではチベット人巡礼者がTVで見たことのある五体投地を行っている。
立ち姿勢で頭の上の方から合掌をし始め、そのまま段々降ろしていき、完全に床にはりつく。
そこで合掌を行った後にまた立ち姿勢に戻るという、見てるだけで疲れそうなお祈りを観光客に見られようが見られまいが熱心に繰り返している。
聖地巡礼の旅はこれを繰り返して聖地に近づいて行くそうで、さぞかし大変なことだろう。

《ジョカン》

マニ車を持って巡礼

宿に戻り一休みした後に、FITツアーご一行さまはガイドを先頭に、ホテルの近所のジョカンに歩いて向かう。
ジョカンの手前にある広場は工事中で足場が悪い。
本当ならここに噴水があるはずなのだが、、、
ジョカンはチベットの中でも有名な寺らしく例の、右手にマニ車、左手に数珠を持って民族衣装を身にまとった人たちがぞろぞろとやってくる。
とくにオババが多いようだ。
日本の門前通りのように、ここジョカンにもそういった巡礼者目当ての土産物屋がジョカンをぐるっと取り囲んでいる。
おもに数珠やマニ車、タルチョなどを取り扱っているのだが、正門から離れたあたりでは下着などの日常生活品も多い。

入り口にたむろしている若い坊さんに入場料(25RMB)を払って敷地内に入ると最初に目についたのはここでもやはりバターランプ。
ここのバターランプはポタラのものと違い直径7、8cm程度のしんちゅう製の容器に芯が一つ一つ入っている。
日本でもこんなモノなかったけかなぁ、なんか見たことあるような気がする。
あ、神棚にご飯を上げる器だ。
そっか、ここではご飯の代わりにバターを上げるんだ。

五体投地

ジョカンの中央には立派な仏像が収められている部屋があるがその入り口ではここでも五体投地をする人々。
しっかし、大変だよな、この人たち。
建物の中をぞろぞろとあちこち案内してもらったが、みんな似たような部屋で3つも見ればもうたくさん状態。
(もともとこういうものには興味がないから)
団体から離れてさっさと屋上に上がる。

屋上には休憩所があり、その前にはしっかりと土産物屋。
坊さんが商売をしている。
たしか、小乗仏教ではお金を得てはならないはずだが、チベット仏教では許されるのだろう。
寺院に入るのに有利かと思い、数珠を買う。
「いくら」
「10RMB」
「ディスカウントしてよ」
「6RMB」
おっと、いきなりそこまで落ちるか。
と、ポケットを探るが1RMB札がちょうどうまい具合にない。
「じゃ、5RMBね」
「OK」
ほぉ、ということは言い値から50%引きまでは行くんだ!

ジョカンから見たポタラ宮

数珠を片手に屋上をぐるっと一周。
正門のほうを向くと民家の屋根越しにポタラ宮が見える。
やっぱりポタラ宮は中に入るより外から見たほうがいい。
周りをぐるっと見渡すとすべて山、山、山。
遠くの山には雪らしきものも認められる。
空気の薄さのせいなのか、普段見る山よりも輪郭がくっきりとしている。
この風景を見ているだけでもなかなか飽きない。
やっぱり、自然が好きなんだよなぁ、俺って。

ジョカンを出てその周囲を取り囲むバルコルを歩いてみる。
土産物屋がずら〜っと並んでいる。
ここら辺は昔ながらのチベット人街。3,4階建ての建物が多い。

《トイレ路地》

バルコル

適当に路地を出たり入ったりしているうちに異常な路地を発見。
その路地には入り口に幅50cmx長さ1m50cmくらいのコンクリート製のものがおかれている。
なんだろう、と思いながら脇を通り過ぎようとするとつ〜んとアンモニア臭
これは、もしかすると公衆トイレ?
うぇっ!
足早に通り過ぎても悪臭はどんどんしてくる。
しかも今度はウ○コのにおいだ。
道端をみるといたるところにウ○コが転がっている。
しかも見るからに人間さまのもの。
くっさ〜〜〜〜。
ベトナムのホーチミンのREXホテル近くやバングラのチッタゴンのマーケット裏、インドはカルカッタ・サダルストリートのホテルパラゴン周辺を思い出す。
思い起こせばいろんなところを歩いてきたものだ。

足元に気をつけながら早くこの路地を抜けようと歩を進めていくと民家に突き当たってしまった。
ありゃりゃ、ホテルはすぐそこなのにたどり着けない。
また戻るしかないのか、この道を!ちっ。

引き返し足早に戻り始めたら、その民家から5,6歳の子供がズボンに手をかけながら走り出てきて抜いていった。
すると、おもむろにズボンを下ろしてウ○コを始めたではないか。
もしかしてこの路地は道路のように見えて実は公衆トイレだったのか。
お、俺はトイレの中を歩いてきてしまったのか!
うそだろ。もはやこんなところからは一刻も早くでなければ。
と、トイレの入り口では先ほどのコンクリート製の路地におっさんがジョボジョボと立ちション、いや、この場合は立ちションではなく単なる小便と表現すべきなのか、いかん混乱してきたぞ、をしている。
左後ろにはウ○コをするガキ、右前には小便をしているおっさん。
トイレと考えればいいのだが見た目は単なる路地。
ほとんどパニックになりながらやっと脱出。

それにしても不思議なのはこの奥の民家。
彼らはトイレにすんでいることになるのだろうか。
だとすればインドのトイレにずっといるタオルを持った連中のように、この路地に入り込んできたら彼らにチップを上げなければならないのだろうか。
これはチベットの謎のひとつとなった。

《ヤクハンバーグ》

ホテルに戻り、息をたくさんして鼻をクリアしてからホテルのレストランに向かう。
まだなんとなく鼻腔の奥にあの路地の匂いが残っているような気がしている。
そんなはずはないんだけど。
昨日はトゥクパ(チベット式ラーメン)がはずしたのでハンバーグ(18RMB)にトライ。
たぶんそうだろうなと思っていたが、やっぱりヤクの肉。
でもステーキと違ってミンチになっているので硬いことはなく匂いがちょっと鼻につくくらい(それでもあの路地より1万倍マシ!)でまあまあいけた。
つき合わせのフレンチフライはXXだったけどまあいいんじゃないでしょうか。
今日も売店のおっさんの右手でクイッというしぐさに誘われてまた今日もチャンを飲む。