女王宿題

2002.01.04 up






いつもより少し人の少ない(ような気のする)渋谷の街をかけぬけて、
Bunkamuraシアターコクーンへといそぐ女王である。

今日は「音楽:東京スカパラダイスオーケストラ」と
「主演:竹中直人」にひかれて
【四谷怪談】を見るのである。

演出がニナガワなのだが
ニナガワの演出は嫌いだといっているわりに、
ニナガワの演出作品を結構見ている女王である。

演出家の名前より、キャストの名前にひかれる女王は
はっきりいってミーハーである。

この日、女王はムズカシイ宿題を抱えていた。
エノケン研究家、マダムOから
「抱かれたい男とその理由をのべよ」という指令である。

ふだん、清純可憐なOLくらぶ(会員3名)で活動を続けている女王にとって、
あっけらかんとシモネタを展開するマダムOの存在は
鮮烈過激であったが、基本的に優等生である女王は
「宿題だよ」といわれると「はい」と答えてしまうイイコちゃんなのである。

けれど、「顔からはいる恋愛パターン」でしか
物事をとらえられない女王には、
「シゴトからはいる男性評価」はムズカシイのである。ムズカシイ宿題だから難題である。



閑話休題(それはさておき)。



竹中直人はセクシーである。
伊右衛門という悪人を、狂気ギリギリのところで
あくまでも計算高く演じきる。
「なんじゃこりゃぁ」と松田優作になったかと思えば、
会場で大きなくしゃみを3回した客に、
わざと反応してみせたりする。
つくりもののナマズを大げさに動かして
「イキがいいなぁ」と笑わせる。

難解な南北の七五調のセリフを、こころの中からしぼりだす。
こころの中からしぼりだされた南北のセリフは、
ふだん聞きなれない言葉の羅列であっても、
あたまの中で漢字に変換できなくても、
女王の心にダイレクトに響くので、心情が伝わってくるのである。
こうなると、ほとんどエスパーである。

お岩さんの藤真利子も大迫力である。
毒薬で顔がただれたことを知ったあと、あえてお歯黒をつけるところ。
柘植の櫛で、ぬけおちる髪の毛をとかすところ。
鳥肌がたち、身をのりだしながら、
お岩さんに感情移入をする女王である。

となりの席でスヤスヤ寝ている見知らぬ青少年を
「あんた、ほかの場面は寝てもしょうがないけど、
今見なきゃだめだよ!!!」と起こしてあげたい女王である。



ちなみに、寝てもしょうがない場面は
ヒロスエの出番である。
「セリフをいうのがいっぱいいっぱい・・・」といったら
いっぱいいっぱい、という言葉に失礼なぐらいへたくそである。
「学芸会並の演技」、といったら
学芸会がちゃぶ台をひっくり返して怒りそうなぐらいへたくそである。

へたでも顔が可愛いけりゃいいじゃん、という反論があるかもしれないが、
【四谷怪談】は、舞台の光量がものすごく少ないのである。
この場合、顔の可愛らしさは、
なにひとつヒロスエを救わないのである。

音楽、東京スカパラダイスオーケストラ、の部分についても
熱く語りたいのはやまやまであるが、
今日はここまでだ。

ニナガワの演出は、やっぱり嫌いな女王である。







女王宿題。

そんなわけで「抱かれたい男ナンバー1」、
竹中直人を発見できて、肩の荷をおろし、
帰宅する女王である。











文中の「シゴト」は、生殖を伴わない快楽行動一般という意味です。
簡単にいえば「えっち」ってことなんだけど。

中学2年生の時の作文で、話の展開のときに
「閑話休題」と書いて「それはさておき」とルビをふり
国語の先生をギャフンといわせたこと思い出した!
かまきり先生、元気かなぁ。











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