天麩羅日記<参>
2001.01.18 up
「続きはないのか!」との叱咤激励の声に答えて第参回である。
結論からいうと、さつまいもはパスである。
今回の探検隊は、
あくまでも「壱萬五千円の天麩羅」がテーマである。
余分なものはいらない。
女心に埋め込まれているDNAをなだめすかして、我慢である。
隊員も、オトナになったものである。
さて、本編の天麩羅である。
●海老を筆頭とする海産物一派●
●アスパラガスに代表される、大地と太陽の恵み一派●
どの天麩羅も、
「海老として生まれてきたからには、こうやって食べられるのなら本望でしてよ♪」
「ワタクシこうして揚げられるために畑で育ったんです。うふ♪」と
いうおもむきで、
和紙の上にちょこんとのっている。
この店では、どこぞの串揚げ屋のように、
「銀杏で〜っす!」だの「梅紫蘇揚げで〜っす!」だの、いちいち品名の紹介はない。
淡々と、和紙の上に、おいていかれるだけである。
上品である。
隊員たちも、いきなり無口である。
味覚を表現したり、感動をわかちあうことができない。
その言葉を知らない。
素材によって天日塩をつけてみたり、天つゆにつけてみたり、
それぞれのワンダーランドに
ひたすらひたる。
はふはふ状態である。
淡々とおかれていく天麩羅のなかに、
「あなた、いったい誰??」という一品があった。
じっくり観察しても、まったく見当がつかない。
断面は、生っぽい。
乳白色と肌色のあわいの色が、つやつやと光っている。
生肉?まさか、である。
若輩者の隊員は、ご主人に尋ねる言葉もないまま、
とりあえず食べてみる。
それは、貝であった。
貝の天麩羅・・・。
35年生きてきて、はじめましての貝の天麩羅である。
パリパリの衣をまとった、ジューシーな姫君。
天つゆにさっとくぐらせて、ぱくっといく。
グレイトである。
今までこの味覚を知らずして生きてきた歳月を、
深く反省し、頭をたれなければなければならないほど、グレイトである。
無口なご主人が、珍しく何度も注意をしたのが「たまねぎ」の時である。
「たまねぎは、とても熱くなっていますから、気をつけて召し上がってください」
ということを、何度もいう。
「私は猫舌じゃないから大丈夫だもんねぇ」と、
たかをくくった数々のお客さんが、
我々に先立って、舌を火傷してくれたおかげの、
アドバイスである。
(多分ね)
締めは、「天茶」である。
このころになると、どうにもこうにも満腹である。
どこぞの串揚げ屋とちがって「ストップ」の制度はない。
食いしん坊の隊員は、しっかり食べた。
おなかいっぱい、というよりも、
下唇の直下までいっぱい、というのが実感である。
「あたしゃ、殺されるなら今がいい、
今だったら幸せに死んでいけるよ・・・。」(←いったいこのキャラは誰!?)
食後にこうつぶやいた隊員を、
Y隊長は「この大食漢め!」という目で
見ていたことを、隊員は告白する。
それが貝の姫君に対する礼儀というものである。
●おわり●
「女王の庭」へようこそ!
このサイトはリアルな女王をご存知の方のためのホームページです。
女王へのメールはこちらまで