魅惑の軍鶏鍋

2001.02.07 up




恵比寿は隊員の庭である。

恵比寿駅から徒歩2分のところに
豪華8LDKのマンションをかまえる隊員にとって、
恵比寿の名店めぐりは日常生活である。

8LDKっちゅーのはいうまでもなくフィクションである。
真実の姿はあまりにも哀しくて書けない隊員である。

恵比寿の名店めぐりが日常生活だというのもフィクションである。
最近ダーリンがいないので、
お店の開拓がちぃともすすまぬ隊員である。

最近というのも実は・・・。

ええい、もうよいっ。

はぁ、はぁ。



さて、気を取りなおして、今日ご紹介するこの店はその名を「軍鶏丸」という。
とはいうものの、このページを読む人のほとんどを
すでに連れて行ったような気がしないでもない隊員である。
が、そんなことは気にしない。

無口な店主、
にこやかで上品なおかみ、
きれいどころのおねえさんがひとりかふたり、
という陣容で営まれる、小さな店である。

軍鶏肉をつかった
刺身、焼き鳥、揚げ物、そして鍋にいたる
めくるめく魅惑のコース。

この店では
ふだんは苦手なレバーを生でぱくぱくと食べるT橋さんや、
夏場にも通いつめたというH木さん、
スープ用の塩を容器分すべて使いつくしたというKさんの姿が
目撃されている。
M田さんは「麻布の軍鶏のお店よりおいしい」と力説していたようである。

掘りごたつ式の座敷や、練れた接客は、
隊員の会社のおぢたちにも好評だったようである。
冬にカウンターだと、
ひざかけを貸してくれる心遣いもよい。

さて、この店で、見逃していけないのは、
鍋の〆に近い時におこなわれる
「つくねづくりの妙技」である。

大皿に薄く広げられた、たたいた軍鶏の肉。
その上にぽこんと玉子の黄身がほこらしくのっかっている。
おかみさんはにこやかに微笑みながら
箸をくるくると器用に動かして、大皿の上で
みるまにつくねをつくっていく。

この店で働くためには、
このつくねづくりが機械のように正確に出来るようになることが、
必須条件であるにちがいない。

「いいかげん」をモットーとする隊員には不可能なようである。
裏ではきっと、つくね養成ギプスをはめ、
毎日厳しい特訓がつみかさねられているにちがいない。

客の人数をみきわめ、
ケンカにならないように等分にいきわたるように
つくねの数も数えながらつくらなければならないのだ。

なぜならば、友達がつくねを一個多く食べようものなら
「月夜の晩ばかりじゃないんだぜ」といってしまいそうになるぐらい、
この店のつくねはうまいのである。

半生ぐらいでとろっとね。
だいこんおろしもたっぷりね。
七味をかけてもおいしわ。ぐふっ。

大〆の炭水化物は、
ごはんと稲庭うどんをハーフ&ハーフで発注するとよい。

ごはんは鍋でおじやにはせず、
そのまま盛って、
たっぷりとつけ汁をそそぎ、だいこんおろしでさくさくと食べる。

うどんはさっと鍋にくぐらせ
温めるぐらいでよい。

会計をすませ、(←だいたい8,000円ぐらいかな)
美人おかみからキャンディをもらい、
うー、食った食った、と腹をさすりながら
歩いて5分の家に帰る。
至福である。

けれど、たとえ家が遠くても、
この店の軍鶏鍋は魅惑であったにちがいない。

これであーた、
帰りにODINへ寄って、アンデストマトを使った
ブラディメアリーなんか飲んじゃった日にゃぁ・・・。

まったくもって罰があたりそうな隊員である。






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