短歌なのか<2. ONE-SIDED LOVE>


2001.02.04 added

ひりひりと降る酸性雨あなたとの3年前の夏の在り処よ

そうやって手のひらだけをあたためて私の鼓動君のくちびる

君にだけ届かなかったこの気持ち「宛先不明」スタンプがある

はるばると茨の海を泳ぎぬきどうして僕は君の隣に

こもれびやたそがれじゃなくかぜじゃなく君のすべてを一筆書きで

起きぬけのクシャクシャの髪ほっぺたについたシーツの跡とせつなと

この星であなたに逢えたせつなさをこゆるぎもせずにぎりしめたい

一度目のサヨナラはうそという君の赤い唇去年のルージュ

百万の泣き虫が住む君の顔 ぼくの前では笑顔だけれど

尾行セヨ 君の背中がいっているそれを恋だという人もいる

ごくまれに電話のベルが鳴るまでの君の不在を抱きしめている ★

街中のすべての人が手をつなぐ私以外のクリスマスイブ

哀しみは珍しく降る雪のよう 君の庭には降り積もらない

片恋は燃えるゴミではないらしく そうかといってリサイクル不可

そうだよねそうだったよねあの頃は笑い転げる日々だけだった

まだでなくもうでもなくてあきらめと夢の数だけたゆたっている

幾度も抱かれるたびに心臓が君に溶けてく浸透圧で

手袋を落としたちゃったという君のあごのラインに恋に落ちてる

捺印をしてるみたいなキスをするあなたにあいはあたえられない

降り積もるべき場所さえも探せずに東京の雪 僕の片恋

その嘘もうそかもしれずうそつきな君の瞳を探しあぐねる

てのひらでうけとめる雪 はかなさが最初の恋に似てる気もして

「戸袋に手をひきこまれないように」君にこころをはがされぬよう

もういちど君をなくしたここちする年賀ハガキにあかんぼがいて

ヘテロではないのかもねと肩すくめ君の気持ちをあきらめてみる





●短歌目次


女王短歌。
基本的にはフィクションです。なんてね。
★印は雑誌で活字になったもの。

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