短歌なんだ
<たての未散> その3



2001.10.03 UP

★★★★★★★★★夏から秋へ──2001──

七夕は薄曇りにてこれならば牽牛織女も逢えたであろう

チャールストンという名の西瓜切り分ける5匹の子豚もまどろむ午後に

炎天下三塁側のスタンドではじける歓声踊るメガホン

蒼璧に吸い込まれゆく白き球時間がふっと消える瞬間

青春の最後の打席に跪くそのユニホーム眩しき白の

こっそりと残念会を抜け出して車を出そう あなたが待ってる

こんな時間がいったいいつまで続くだろう決定権は私にはなく

立ち止まることはできようでもきっと引き返すことはできないだろう

いつかひとり置き去りにされてしまう不安たとえば飽きたおもちゃのように

不可解な暗号それとも不可能トリック? あなたは私のミステリである

結末を知るのがとても恐ろしく最終章を読みかねてをり

だんだんに近付いてくる夕立の気配 今日はあなたを帰したくない

次に逢うその時までの宿題となりにし君の最後の言葉

「電話は嫌い」という君であるそれゆえに私の好きな声が聞けない

あっと言う間に乾いてしまうショートヘア泡さわさわと鳴らしてをりぬ

トスブーケつかみそこねて床に落つトルコキキョウの白きを拾う

ケンカにもならぬ応酬それだって隣りにあなたがいてくれるから

しあわせのかたちはそれこそいろいろで「普遍」と言うもの存在せずに

「愛」だとか「恋」だとかいうことのはが使われることはなくて それでも

引き返せなくても別に構わないあなたと一緒にいられるのなら

   







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