★★★★★★★★★二度目の春は……
桜咲くここにあなたがいないこと受け入れながら今日が始まる
人事異動 あなたが残していったもの サンダル一足それから私
ふと顔を上げれば桜一色に染め上げられた空があり 春
淋しさに耐えかね車を走らせたサンダル抱えてあなたの元へ
「忘れてもいいんだよ」なんて言わないでいつものような笑顔のままで
先のことはあまり考えないと言う ふと垣間見た君の中の闇
待つことは許してくれた君の背がだんだん遠くなる駐車場
きらきらと違反のピアスを光らせてお嬢は今日も遅刻してくる
暴れ馬手懐けをればマダム笑う「まるで彼らは子犬みたいね」
主任という肩書きついてばたばたと外道女教師廊下を走る
えせ医者のごとき白衣を翻し女教師今日も教壇に立つ
暴れ馬のその上を行く野獣ども さてと一体どうしたものか
厚化粧の下に何を塗り込めた? 素顔のままではいられぬ少女
十代の少女のままの我もをり子等と一緒に「雨傘」を読む
ジャケットの裾をつかんで歩いてたそんな二人ははるかに遠く
「先生は結婚しないの」「今のところそんな予定は全然ないね」
吾の前をゆっくり歩いていた君は今は誰かの隣にいるの?
気が付けば繰り返している言葉あり「どうしてあなたはここにいないの?」
女教師の仮面外せばつまらない一人の女であるこの自分
もし君が「いいよ」と言ってくれるなら死ぬまでそばにいていいですか
★★★★★★★★★日々不穏
いっそのこと転んでみようか思い切り同行二人の昏い道行
慎重に言葉を選ぶ 転ばぬよう 踏み外したらそのまま奈落へ
首筋にひたりとあたる刃物あり吾の罪を知る誰かの視線
「もっと早くあんたに逢えていたなら」とそんな不実は囁かぬ君
吾のもとで過ごさぬ君の休日の時間をなにで贖えるのか
ヨカナンの生首を得て微笑せりサロメとなりし夢の中の吾
吾のなかでのたうちまわる獣ありそをなだめかね「嫉妬」と名
付く
身のうちを灼き尽くさんと毒を吐くそのいきものは吾の貌に似
て
狂はば狂へ吾が中にすむけだものよ心すべてを食い尽くすまで
嫌われる方が遙かにましかしら私があなたを嫌いになるより
★★★★★★★★★けだものどもとともに
ひとつひとつゆっくりやろう吾にはまだ「できないこと」の多き
うれしさ
初恋のマドンナの娘登場し農場長の青いワイシャツ
トラクターハコ乗りをして暴走す 吾がいとしみし野獣軍団
アイガモがすいすい泳ぐ水田で子等神妙に実習をせり
牛の目は優しきものと知り初むる何てったって農業高校
★★★★★★★★★採用試験直後
参考書曇った空に投げ上げてこの一年のすべてが終わる
来年の今頃どこにいるんだろうどんぶらこっことながるるままに
★★★★★★★★★学年末カウントダウン
流行風邪引き込みながら八時過ぎ期末テストを印刷している
病みつかれ微睡みながら見る夢は温泉卵のようにとろりと
薄紙をへりへりはがしていくように風邪と月日が私から去る
★★★★★★★★★日々是荒日……
「愛してると言ったのはただ一人だけ」他のヒトにはなんて言っ
たの?
ぼんやりと男の背中見てをりぬいったいいつまで追えるか君を
吾のことを「女の子」という少年よ君が知らないいくつもの傷
吾だけの君ではなくて向こう側腕をつかんでいるのはだあれ?
贅沢な望みであるか吾だけを見つめて欲しいと考えること
傾国と言われるほどの代物になってみたしと思う一瞬
丸ごとの君を得られるものならば悪魔とだって契約しよう
「好きだよ」とさらりと言われし朝なれどチーズケーキと同じ分類
癒されずいや増す孤独飼い馴らし吾の日常が今日も始まる
膝抱えユーミンを聴く真夜中 君の風景垣間見たくて
右耳にさやけく光るピアスの金膝枕にて眠る少年
絵葉書のような車窓を見ることがごく日常となりし通勤
いくつかの吾の風景を知りしひとそれらはすべてセピア色して
愛し子よけだものたちよこれからは街であっても教師と呼ぶな
荒れ狂う子等前にして立ちすくむ吾は振り上げる拳を持たず
うち砕く強き拳を持たぬ吾に子等抱きしめる腕のみがあり
そばにいる君の心に触れられず まるで水面に映る月影
人として向かい合うことなかりせばいだきあひても孤独と孤独
淋しくはないのか君はその腕に己の孤独だきしめること
やわらかでまあるい型はいびつなる吾には収まり悪くて女
暴れ馬ひとりはぐれてふらふらといったいどこへ向かってゆくか
「女王の庭」へようこそ!
このサイトはリアルな女王をご存知の方のためのホームページです。
女王へのメールはこちらまで