女王外遊 七

2001.07.12 up





●7月3日<火曜日>●

その後、数十分にわたる行軍をつづけ、
我等ハイキング隊は、
青白く光る、巨大な氷山を遠望したのである。

氷河は白いもの、だと思っていた女王にとって、
青い氷山は、驚きであった。

さらにいえば、このハイキングの目的が
これほどの山道を通って、ついには氷山を見る、ということだったことが
この時点でようやく理解できた自分にも、
少なからず驚いていた女王である。



下山の最中、帰りのバンの中でも、
ひたすら禁断の実況中継をつづける女王。

夜の談話室でも、この実況中継モードは
とどまるところをしらず、
ほとんど落語である。

柳家花緑の売りこみを
関係各位にしまくったことは、ここにあらためて記すまでもない。

ちなみに、酒の飲めない女王は
「水の水割り」を飲んでいたのだが、
どうも一番ハイテンションだったらしい。

あまりよく覚えていない女王である。

おひねりもご祝儀もでなかったのが
遺憾といえば遺憾である。




●7月4日<水曜日>●

この日、予定のなかった女王は、ふと思い立って
空を飛ぶことにした。

日ごろの怖がりでシャイな女王からは
考えられない行動である。

アラスカは、観光が重要な産業のひとつということもあり、
日本人観光客に親切な場所である。

パラグライダーのインストラクター、マークも日本語が達者である。
「OK」とか
「YES」とか
「SURE」とか、
「そんなんしゃべるぐらいだったら、全部日本語で通せよ〜」と
激しい自己ツッコミをいれながら、
日英チャンポンの会話である。
英文化卒の意地である。

ロープウェイで山に登りながら、
マークの説明をきく。
意外と簡単そうである。
なんといってもテンダム(二人乗り)なので、
基本的にはマークにおまかせでいいのである。



山の上には雪があった。

ほとんどスキー場なのである。
「このどこで、どうやって、パラグライダーやるっちゅうねん」




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