近景から遠景まで焦点が合っているように見えること。または、そのような撮影技法やカメラの機能。
撮影した画像のピントが合っているかどうかは、解像度との兼ね合いである程度の許容範囲がある。これを許容錯乱円といい、ズレがこの許容範囲内に収まっている部分はシャープに、外れれば外れるほどボケて見える。被写体にピントを合わせた際に、ズレが許容錯乱円内に収まる被写体側の前後の奥行きのことを被写界深度という。この被写界深度は、レンズの焦点距離が短いほど、レンズ絞りを絞るほど深くなるので、焦点距離の短いレンズを絞って撮影すると、広範囲に渡ってピントが合った画像が得られる。
さらに被写界深度は、被写体との距離が遠いほど深くなるので(被写体に対しては後方の方が深い)、被写体焦点をうまく調節しておくと、近景から遠景までが許容錯乱円に収めることができ、ピント合わせのいらないカメラを作ることができる。このようなカメラの機能をパンフォーカス、フォーカスフリー、固定焦点、全焦点などという。製品によっては、撮影モードとして備えているものもあるが、安価なデジタルカメラやコンパクトカメラ、使い捨てカメラなどは、パンフォーカスのみという製品が多い。
( ■鈴木直美の「PC Watch先週のキーワード」 ■ 第188回:10月29日〜11月2日 より )
レンズの焦点距離を入射瞳径(レンズの光束の大きさ)で割った値。レンズが光を通す度合いを示す値で、レンズの集光力やレンズ絞りの絞り度合いを表す。 カメラのレンズは、周囲の光を集めてCCDやフィルム上に像を結ぶ働きをしている。この時、レンズが光を集める能力――すなわちレンズの明るさを表す値としてF値が用いられ、「F=2.0(※1)」あるいは「1:2.0」というように記載。値が小さいほど明るいレンズであることを表す。ちなみにレンズの口径が大きいほど、そして焦点距離が短いほどレンズは明るくなり、ズームレンズの場合には「1:2.0〜3.0」というような表記となる。
レンズ絞りは、この口径を絞ることによって光量を調節しており、絞り具合を「F8」というように表す。絞りは通常、1ステップで光量を2分の1に絞るようになっている(※1)。光量は面積に比例するので、F値は平方の等比級数である「1.0、1.4、2.0、2.8…」という値をとる。
(※1)「f=」と小文字で書かれている場合は焦点距離。 (※2)露光時間を調節するシャッタースピードも2倍の関係になっているので、絞り を1ステップ絞ってシャッタースピードを2倍にすると、露出は等しくなる(被写界深度〜ピントの合う範囲〜は深くなる)。
( ■鈴木直美の「PC Watch先週のキーワード」 ■ 第109回:2月14日〜2月18日 より )
絞りを優先した自動露出(露光)機能。 AEは、露出オーバーや露出アンダーにならないように、適正な露出で撮影する機能である。適正な露出を得るための機構には、光の通り道の広さを調節することによって、レンズから入る光量そのものを調整する「絞り」と、光にあたる時間を調整する「シャッタースピード」とがあり、これらは互いに補完関係にある。すなわち、光量を落とした分を露光時間を長くして補ったり、露光時間を短くした分を光量を上げて補ったりすることができる。
いわゆる全自動タイプでは、それぞれに適切な値がセットされるが(※1)、カメラの中には、より自由度の高い自動露出機構を備えた製品があり、ユーザーがセットしたシャッタースピードに合せて、絞りを自動的に調整する機能を「シャッター優先AE」。逆にユーザーがセットした絞りに合せて、シャッタースピードの方を自動的に調整する機能を「絞り優先AE」と呼んでいる。
動いているものを撮影する場合、シャッタースピードを速くすればシャープに、遅くすればぶれが生じ流動感が得られる。このような表現を優先したい場合には、「シャッター優先AE」が効果的である。一方の絞りは、被写界深度に大きく影響する(※2)。被写界深度は、ピントが合う範囲のことで、絞り径を絞れば(絞り数字を大きく)深くなり、手前から奥まではっきりピントが合った仕上がりになる。逆に、開けば(絞り数字を小さく)浅くなり、被写体だけにピントを合わせ、前景や背景をぼかした効果が得られる。
(※1)撮影状況や使用レンズなどに合せてプログラムされているものもあるが、シャッターだけで調整しているものなども多い。
(※2)被写界深度は、この絞りのほかにも、被写体との距離や使用するレンズの焦点距離によっても変わってくる。被写体との距離は、離れるほど深く、近づくほど浅くなる。レンズは、焦点距離が長い(望遠)ほど浅く、短い(広角)ほど深くなる。
( ■鈴木直美の「PC Watch先週のキーワード」 ■ 第77回:5月17日〜5月21日 より )
カメラのレンズの前に装着し、広角レンズ(wide angle lenz)や望遠レンズ(telephoto lenz)の効果を得るためのレンズ。〜コンバージョンレンズ(〜conversion lenz)とも。
レンズの焦点距離(倍率)を変えるためのアタッチメントレンズで、倍率が1未満だとワイドタイプ、1を越えるとテレタイプとなる。実際に得られる効果は、既存のレンズの焦点距離(倍率)にコンバージョンレンズの倍率を掛けたものであり、レンズそのものを交換することができないカメラには特に有効な手段である。
( ■鈴木直美の「PC Watch先週のキーワード」 ■ 第110回:2月21日〜2月25日 より )